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三十話

それは次の日のこと。

テリーザが教室の外からエマを呼び出した。

「エマ、エイダンと話すの、明日なら都合いいらしいけどいい?」

「そうなの?明日なら空いてるからいいけど…」

随分急だ、と思った。一週間は後だと思っていたので、それが話してから次の次の日にとは、そんなに焦っているのだろうか。

(それとも、何かそれだけ大きな事件に巻き込まれている…?)

寒気がした。鳥肌がたっていた。

(ううん、考えすぎだわ、だってこれはただの…母の学生時代の噂で…)

だが本当にそうだろうか、とエマは考え込む。

授業中なのに集中できず、斜め前のアンジェラの席を見た。

アンジェラのストロベリーブロンドの髪が光を受けて輝いているのが見えた。

(あの襲ってきた男たちからアンジェラは救ってくれた)

でも、あの男たちの正体は分からないままだ。アンジェラの正体も。聞かないとは言ったけど、エマはアンジェラが何者なのか気にならないわけではない。

(そもそも、なんでアンジェラのことが気になっていたのかしら、あの男たちは)

もし、アンジェラに何か要因があるとしたらー…「エマ!授業に集中できてないようね」

「あ…先生」

担任の授業中だった。まずい。上の空だったのがばれた。

「はあ、放課後職員室に来なさい、いいわね?」

「はい…」

(失敗した、こんな風にみんなの前で怒られてはずかしい…。)

担任は機嫌が悪そうだった。だからこんなみんなの前で恥をかかせるように注意してきたようだ。

授業の後、クラスメイト達に慰められ、ようやく気にしないようになれたけど。

「エマがあんな風に注意されるって珍しいよね。」

「そう…だね」

そして、放課後が来た。


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