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二十三話

「いらっしゃい、ここが私の家よ。…アンジェラさんは来るの初めてよね?」

日曜日。グループのみんなとローラの家に遊びに行った。

ローラの家は以前も来たことがあるけど、大きくて立派なつくりだった、建てるときかなり母親がこだわったのだと話された通り、調度品なども拘りを感じられた。

家の中を案内する明るいローラの表情を見てエマもつられて笑みをこぼした。


パーティーは始まったばかりだった。親しい相手だけ呼んだのか、人数もエマ達を入れて15人程だ。

そのうちパーティーに先に来ていた人達の目が、いっせいにアンジェラに向いた。


「ミシェル…?」

「そっくりだな」


アンジェラを見てやはり皆ミシェルを思い出すようだった。

そのうち、パーティーの中心にいた、ローラと同じハシバミ色の瞳の紳士ー、ローラの父親は特に驚いている様子だった。たれ目を大きく見開いている。

(そりゃそうよね、これだけ似てれば…)

クラスメイト達は大分慣れてきたが、そうでない人には珍しくて仕方がないだろう。

ミシェルは自分達の祖母の世代だが、それでも何度も舞台や小説など物語の題材になっている、そのたびにミシェルの顔は見ているから、大抵の人はミシェルの顔を知っていた。

物語の中のミシェルはとんでもない悪女で、性的虐待者で、ドラッグ中毒者で…、あらゆる欠点を集めたような人物だ。その美貌と歌の才能以外は。だが、物語の中ではその歌も他人に代わりに歌わせて本人は歌っているふりだけだった、というのもあった。美貌も魔法で変えてるだけで、何も優れた所がない人物(自然な風に変身するのは実際には難しいので、魔法の才能はあることになってしまうが)。


(アンジェラはどう思ってるのかしら、ミシェルのこと…)

これだけ似ていれば言われた事もあるだろうし気になるんじゃないだろうか。だけど、エマはアンジェラの口からミシェルの事を聞いたことがなかったし、自分達もあまりその事に触れないようにしていたから。気にしていたら駄目だろうと思って。

(…アンジェラはミシェルと何か関係があるのでしょうね)

だけど踏み込めない。それはアンジェラが望んでいない、とエマは感じていた。

と、考え事をしているうちにローラの父親は我に帰ってこちらに来ていた。

「やあ、ローラ。友達を連れてきたんだね。見慣れない子がいるけど、彼女は?」 

「ええパパ。会うのは初めてよね。最近うちのクラスに転校してきたアンジェラよ」

「よろしく、アンジェラ」

ローラの父親はローラに似た面差しの顔に笑顔を浮かべていた。それはエマ達にも同じ笑顔だった。

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