十九話
躍りかかった男にアンジェラは応戦する。
殴られても蹴られてもいなしていく。
だが、それで倒しきれないと悟ったのか急に男達が動きを止めた。
「やるねえ、お嬢ちゃん。でもこれならどうかな?」
そう言った男が魔法を詠唱する。あれは、魔封じの呪文だ!
「アンジェラ!魔法使えなくされちゃう!逃げて!」
「もう間に合わねえよ!」
黒い霧がアンジェラに纏わりつく。
「これで終わりだ!」
男達が襲いかかる。
だが
「これでおしまいなの?」
アンジェラは男たちの動きをまたいなす。
「おい、まじかよ。その動き、身体能力が魔法なしって事か!?」
「次はこちらからだよ」
だが、男達は急にアンジェラから距離をとった。
「残念だけど、ここまでだ。俺達は死にたくないんでな」
「待て!」
だが、アンジェラはエマの方を見て追いかけるのをやめた。
エマのことを気にして、守らないといけないと思っているのだ。
足を引っ張っている事を自覚してエマは恥ずかしくなった。
そのまま男たちは馬車に乗って去ってしまった。
それをエマ達はじっと眺めていた。
◇◇◇◇◇◇
「なんだったんだあの女!魔法もないのに俺達が二人がかりでも倒せなかった!」
馬車から御者に話しかける。
「分からねえ、とりあえずボスに報告だ。」
ともかく急がなくては。だが、そこで馬車が停まった。
「…おい、どうした?」
そうしてドアを開けて確認すると、誰かに頭を捕まれた。
「全く…あいつはどうしようもない」
それは男だった。見上げるほどの大男。
「記憶をいじらせてもらうぞ。余計な事を報告されたくないんでな」
「え…あ」
その後の記憶ははっきりしない。




