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十二話

「アンジェラさん、今日は一緒に帰らない?」

アンジェラに話しかけた帰り、エマは思いきってアンジェラを誘ってみた。


「なんで?」

「なんでって…そっちのほうが長く一緒にいられるし、たくさん話せるでしょう?」

「…あなたは私といたいわけ」

「そうよ」

「…変な人」

だけどアンジェラは拒絶はしなかった。


アンジェラの家はエマと同じ方向だと聞いていたので、一緒に帰る事になった。

学校の事とか、最近流行りの曲のことについて話していたけど、驚いたのはアンジェラはそういったことをあまり知らない事だった。


「ローレンの曲を知らないの?」

「知らないわ、うちでは曲じたいあまり聞かないし」

「そうなの…」

やっぱりアンジェラは変わっている。それとも、これだけ美人だとそういったことには興味を持たない物なのか。顔がミシェルに瓜二つだから、いじめにあったりもしたのかもしれない。だけど、それにしては堂々としているような…。

アンジェラと話せたけどアンジェラの謎は深まるばかりだった。

「歌もあまり歌わないのね」

「…父が、あまり私が歌うことを好ましく思わないの。だからほぼ歌わないわ」

「もったいないなあ」

ミシェルに似た、綺麗な声をしているのに。そう思ったがエマはその事は言わなかった。ミシェルをいい風に思ってるなんてばれるわけにはいかないから。

そうして話しているうちに、三叉路のあたりにさしかかった。

「私の家はこのあたりなの。アンジェラさんの家は?」

「…あそこ」

そこは古くて小さな家だった。そういえば、母が最近引っ越してきた人がいたとか話していたような気がするな、とエマは思い出した。

「これだけ家が近ければ宿題の分からないところをアンジェラさんに聞きに行けるわね」

「何それ」

アンジェラが笑みをこぼした。笑いかたはあまりミシェルに似てないな、とエマは感じた。

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