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愛の歌  作者: Dust
10章
247/250

243話 激闘 漣VS舜

湧き上がる会場。

それもそのはず、勝ち残れたメンバーによるトーナメント。

更に凄い試合が見れるものと、ボルテージが跳ね上がっている。

その最初の試合の2人は、既に会場で相対していた。

かたや、漆黒のドレスを身にまとい、準備運動をしている者。

かたや、もう準備は出来ていると言わんばかりにそれを見守る者。

「・・・勝負だね、舜くん。」

「そうだな。手合わせなら何度もしてきたけれど、勝敗までは意識してないようなものばかりだった。」

軽く雑談をしながら、2人は見つめ合う。

「教える事が多かったこの身、そう簡単に負けるつもりはないよ。」

「私だって。教えられた事もそれ以外の事も、全部全部ぶつけて勝つんだから。」

そして―試合開始のゴングが鳴り響いた。


お互いの基本戦法は知っている。

このよく知り尽くしているというのは強みにも弱みにもなりうる。

(剣技と魔力による防御の異様な高さを使ったカウンター戦法―。)

それにどう対応していくか―

(対応なんかしてやらない!慣れない動きなんかしたら、その隙を確実に突かれる!)

辺りの空間を炎が走って行く。

「私にできる事は・・・常に全力!あるのみ!!」

「1番困るな・・・流石。」

漣が槍を両手に、突かんと前に踏み出すと同時に。

舜も1歩踏み込む。

間合いが一気に詰まる。


(怯むな・・・勢いで負けるか・・・!)

戦いにおいて、勢いというのも武器となる。

漣は体勢を変え、右肩から舜へとタックルをかました。

「・・・っと。」

そのタックルを腕で受けながら、舜の身体は少し後ろへ遠のく。

「喰らっえっ!」

渾身の魔力を込めた槍が、炎を吹きながらも薙ぎ払われていく。

「外れた―!」

炎で姿が見えなくなったが、槍に一切の感触が無かった。

タックルで受けた勢いままに、そのまま遠くへ行かれてしまったかと、更に2撃、3撃と炎を前方にぶちかまし、後退する。

元々遠距離であれば、舜は復讐鬼を呼び起こさないと苦手としてる分野である。

だから漣は落ち着いて後方から、自身の尽きぬ魔力を全力で込める。


炎の渦が弾け、舜が煙の中から姿を表す。

「・・・成程、勢いそのまま決まればよし、駄目でもその大技の為の時間稼ぎも兼ねてたと。」

「炎舞―。」

炎の竜巻が幾つも漣の周りを走り回る。

「最大出力、かなり上がったな。これでも尽きないのであれば、かなりの脅威だ。」

逃げ場を無くすように四方八方から舜を取り囲むように竜巻は動く。

「じゃあ後は・・・俺に通用するか否か。試そうぜ、お互いに本気でよ。」

「勿論、言われなくても。」

スウっと漣は息を吸う。

縷擻斬裂るそうきりさき黒桜姫(こくようのひめ)!」


炎の竜巻が舜を包み、巨大な1つとなりて攻撃を与える。

その竜巻の中から、炎の一閃が、炎に混じり放たれる漣の槍の突進攻撃が、縦横無尽に駆け抜ける。

そして、竜巻から散った火の粉から、漣は姿を表し、地に降り立つ。

「・・・どう!?」

「全てを壊せ、全てを壊すもの(ラグナロク)!」

爆炎の中から、舜が姿を表す。

息を何とか整え、剣を地に刺し何とか立っている。

「受けてみたが・・・次は受けたくないね。イテェイテェ。」

「吹き飛びすらしないの、マジで言ってるの?硬いとかそんなレベルじゃなくない?」

漣は槍を構え、舜もそれに応えるように地から剣を抜き、構える。


その時―

舜の付けてる装置から警報が鳴り響いた。

「・・・ん。」

「んー・・・。」

2人の動きがピタリと止まり、何事かと把握するべく沈黙が流れる。

その間に試合終了のゴングが鳴る。

「・・・あっ、この装置が壊れたら駄目だっけ!?」

「―え?」

理解が追い付かない漣に、ドッと歓声が襲い掛かる。

モニターには漣にWINNERの文字。

「だって、その装置、壊れた事ないって―。」

「じゃあ史上初の勝ち方って訳?そりゃまあ沸くか。」

中には怒声も混じっている。

まだやれそうじゃないかという声もある。


「ルールはルールだ。おめでと、漣。何とか負けないつもりだったんだけどなぁ。」

「・・・・・・。」

漣は釈然としない様子で立ち尽くしている。

「・・・・・・漣。後を任せていい?誰かが優勝しないといけない。その誰かを、愛花に頼んではいるけれど。今の漣であれば、頼みたいんだ。」

「―うん。分かった。でもね、次はちゃんと。」

漣はコートを後にするために歩きながら、振り返って言う。

「次はちゃんと、最初に言ってよ?納得し難いんだから。今度オムライスね!」

「・・・うん。ごめん。」

そして、舜もコートの出口へ歩いた。


「お疲れ様。見事な負け方だったね。」

「漣にはバレたけどね。・・・じゃあ、動くか。」

通路の影の声に、舜は答える。

「どう?十道聖は何か動いてそう?」

「だから来たのさ。しかも動いてる人数は多そうだ。、」

「もう一度聞くけど、いいのか?裏切り行為だろ?」

舜は影の中の人物の顔をしっかりと見て聞いた。

「クーユー。」

「勿論私だって生き延びたいという気持ちはあるさ。だけどね。」

クーユーも真っ直ぐ舜の顔を見る。

「その為に多くの犠牲を望まないのさ。」

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