修☆羅☆場
何で私が描くと、みんなダメ男になるんでしょうね。多分ハイスペック男を想定されてたと思うんですけど。
「お、おう。ただいま。何だ。ちょっと人肌恋しい時ってあるだろう?」
急に気まずくなって、ユイからさっと離れる。別に浮気したわけでも何でもないんだけどね。昨日返事したわけじゃないし。
「……ふーん。まあそういう時もあるよね。それに二人は仲良しだもんね?」
「……?なんで急に離れるわけ?なんか後ろめたいことでもあるの?」
どうしよう。リナに告白されましたって勝手に話しにくいし。かと言って、変に嫉妬して、おかしなテンションでユイとベタベタしてましたともいいづらい。どっちの話も絶妙にしにくいぞ。二股してるわけじゃないのに、二股してるみたいになっちゃってる。
「まあいいじゃん。せっかくだし、三人でゲームでもしようぜ?」
「……あの雰囲気でここまできて、ゲームするんだ。へえー」
「どんな雰囲気で帰ってきたの?言ってみてよ。ねえ」
何だこれ。こっからどうしたらいいんだ。二人とも玄関から動こうとしないんだけど。
「……ほら。いつまでもこんなとこに突っ立ってても仕方ねえだろ?」
二人の手を取って、引っ張っていった。
「あっ、もう……」
「後で話したいことがあるからね。カイトくん」
……さ、楽しくゲームやろっと。
……なんか両サイド固められてて圧迫感すごいんですけど。二人とも近くない?
「あ、やべ。右から敵来てる。ユイ、助けてくれ」
「わかった。まかせ……」
「はい。私がやっといたわよ。カイトくん」
「……ナイス。結構上手いんだな」
「まあね。私結構ゲーム好きだからさ。カイトくんみたいな趣味が合う人とは、相性がいいかもね?」
「……おわっ!結構ダメージくらっちゃったぞ。誰か回復持ってないか?」
「あ、あるよ。任せてカイトく……」
「はい。これでいい?」
「……助かった。ナイス〜」
「当然でしょ?カイトの世話なんて、もう何年もしてきたんだから、私がいれば十分よね」
……やめて。そういうのじゃない。俺が望んでたゲームはそういうのじゃない。
「……きゃっ。やられちゃった。え?今近くに敵いたかな。気をつけてカイト」
「あっ。ごめんね〜。間違えて撃っちゃったよ。許してねユイちゃん」
「……全然。間違っちゃったなら仕方ないわよ。私も間違っちゃたらごめんね?リナ」
「……そう言えば、今日はどうだったんだ?リナ。一応練習行くって言ってただろ」
「それが全然ダメだったんだよねー。やっぱりカイトくんがそばにいないと、うまく力が出ないのかもしれないな」
「……そりゃ大変だ。早く治さないとな」
「えー。治さなくてもいいんじゃない?」
「さっきから何の話?」
「カイトくんはね、私をスランプから救ってくれた救世主なの。だから、カイトくんがいないと、私はアイドルとして復帰できないんだ」
「……いまいち要領を得ないんだけど」
「俺もそこまでピンときてないから」
「あとそうだね、カイトくんが私に曲を作ってくれたら、完全に治るかもね」
「曲?そういえばなんかやってたわね、前に」
「なんだかんだ続けてるんだよ。それなりに有名人なんだぜ?界隈では」
「カイトくんが作った曲を私が歌えば、それが二人の愛の結晶になるもんね」
「……意味わかんないんだけど」
「俺もよくわからんなあ」
「えーひどい。カイトくんが言ったんでしょ。愛の結晶って」
「……そうなの?」
言ったかな。言ったような気がする。テンション上がると変なことしちゃうんだよなあ、俺。
「……そろそろメシの準備しないといけない時間かな。ユキ」
「ん?まあそうね」
「そうだね。じゃあユイちゃんはお夕飯の用意お願いね〜。その間何しよっか。カイトくん」
「……」
ずっと左腕に抱きついてたのに、急に正面に回り込んで俺の上に座るリナ。ちょっと吹っ切れすぎじゃないですかね。右側から凍てつくような視線が来てるんだけども。
「……いや。今日はみんなで料理しようぜ。ユイを手伝ってさ」
「……へえ。今はっきりさせてくれても良かったんだけどね」
俺に抱きついてるリナが何か言ってたが、知らん。
……みんなで肉じゃがを作った。
「ほらカイト。あーん」
「……なにそれ」
「カイトが私にあーんしてもらわないと食べられないっていうから、仕方なくね」
ああ、昼間言ったかも。バカじゃん。
「じゃあ私が食べさせてあげるよ。ほら、カイトくん」
「……いや、今は自分で食べられるかな……二人ともありがとう」
「「……」」
……美味しかった。あんまり味がしなかったけど。美味しかったんだ。
「……あっ。もうこんな時間だねー。そろそろ帰らないとよくないんじゃない?ユイちゃん」
「……まだ大丈夫よ。別に止まっていっても怒られないと思うしね」
「……線引きは大事なんだよね?カイトくん」
俺に振るの?ここで?
「……まあ、リナもいるしな。むしろ変にリナと二人きりよりは健全かもな」
「私と二人きりは嫌なんだ?」
「……泊まっていくならそれはそれで構わないぞ。ユイ」
「じゃあそうするわね」
「……」
一回精神と時の部屋入りたいなあ。




