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ドリームライド〜異世界創造、夢の旅〜  作者: 神谷 夢


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第32話 新たな成長への道

第32話 新たな成長への道


目を開ける。


木の天井。


窓から差し込む。


朝の光。


遠くで。


鳥の声が聞こえる。


「……朝か」


カイは。


ゆっくりと身体を起こした。


ドリームワールド。


水人族の村。


昨夜。


眠りについた家。


周囲を見る。


ナタリー。


レオン。


リシア。


ロウガ。


そして。


ガルド。


皆。


まだ眠っている。


カイは。


自分の腹に手を当てた。


ライルとの戦いで受けた傷。


痛みは。


まだ少し残っている。


それでも。


昨日より。


ずっと楽だった。


「……よし」


小さく呟く。


そして。


ふと。


思い出した。


現実世界で。


眠る前に考えていたこと。


《CREATION》。


もっと効率よく。


強くなるための何か。


「そうだった」


カイは。


自分の手を見る。


これまで。


必要なものを。


いくつも創造してきた。


水。


食料。


道具。


武器。


船。


なら。


成長を助けるものだって。


作れるかもしれない。


「何か創造できるかな……」


カイは。


皆を起こさないように。


静かに立ち上がった。


◇


家の外。


朝の空気は。


少し冷たかった。


村には。


まだ。


昨日の戦いの跡が残っている。


崩れた家。


折れた木。


積み上げられた瓦礫。


それでも。


生き残った水人族たちは。


すでに動き始めていた。


カイは。


村の外れへ向かった。


少し開けた場所。


誰もいない。


そこで。


足を止める。


「さて……」


手を前へ出した。


《CREATION》。


青白い光が。


掌に集まる。


――――――――――


《CREATION》


創造したいものを指定してください。


――――――――――


「うーん……」


カイは。


腕を組んだ。


レベルを上げる。


経験を積む。


そのためのもの。


頭に浮かんだのは。


現実世界で遊んだゲームだった。


「経験値が増えるアイテムとか……」


ゲームでは。


よくある。


使うだけで。


大量の経験値が手に入る道具。


経験値を増やす薬。


装備しているだけで。


成長が早くなる指輪。


「ああいうの、作れないかな」


カイは。


手をかざす。


「経験値が増える薬」


光が。


僅かに強まる。


しかし。


――――――――――


《創造不可》


指定された効果を持つ物質は創造できません。


――――――――――


「……駄目か」


少し考える。


「じゃあ、経験値が二倍になる指輪」


――――――――――


《創造不可》


指定された効果を付与できません。


――――――――――


「これも駄目……」


カイは。


肩を落とした。


「そんな簡単にはいかないか」


もっとも。


それだけで。


簡単にレベルが上がるなら。


苦労はしない。


でも。


何か。


別の方法があるはず。


カイは。


近くの倒木に腰を下ろした。


「ゲームだと……」


経験値。


レベル。


成長。


敵を倒す。


経験値を獲得する。


そして。


レベルが上がる。


それ以外にも。


ゲームには。


成長するための仕組みがある。


「……クエスト?」


カイが。


顔を上げた。


指定された敵を倒す。


決められた課題を達成する。


その報酬として。


経験値がもらえる。


ゲームによっては。


レベルそのものが。


上がることだってある。


「そうか……」


道具を作るのではなく。


仕組みを作る。


もし。


《CREATION》で。


クエストの仕組みを作れたら。


カイは。


立ち上がった。


「試してみよう」


再び。


手を前へ出す。


「《CREATION》」


青白い光。


「レベルを上げるための、クエストみたいな仕組みを作りたい」


しばらく。


何も起きなかった。


「……無理かな」


その時。


文字が浮かぶ。


――――――――――


《創造要求を解析中……》


《成長支援機能を検出》


【LEVEL UP QUEST】


指定された条件を達成することで、

LEVEL上昇報酬を獲得できる機能。


機能創造費用:1,000DP


現在保有DP:2,424DP


創造後残高:1,424DP


《創造しますか?》


YES / NO


――――――――――


「……おお!」


カイの目が。


大きくなる。


「できるんだ!」


思わず。


声が出た。


でも。


すぐに。


表示を見直す。


「千DPか……」


安くはない。


これまで。


創造を使うたびに。


DPを消費してきた。


必要な武器。


道具。


食料。


これからも。


何が必要になるか。


分からない。


千DP。


創造すれば。


残るのは。


千四百二十四。


カイは。


しばらく。


考えた。


ライル。


LEVEL35。


自分。


LEVEL15。


二十もの差。


今のままでは。


また。


何もできずに終わる。


もっと。


強くならなければ。


でも。


ただ鍛えるだけでは。


レベルは。


簡単には上がらない。


「……よし」


カイは。


顔を上げた。


「YES」


青白い光が。


大きく広がる。


幾つもの文字が。


次々に浮かび。


重なり。


やがて。


一つにまとまった。


――――――――――


《CREATION SUCCESS》


【LEVEL UP QUEST】


機能創造完了。


消費DP:1,000


残りDP:1,424


――――――――――


「……できた」


カイは。


表示を見つめる。


そして。


小さく笑った。


「これでレベルを上げられるのかな……」


その時。


新しい文字が浮かぶ。


――――――――――


《LEVEL UP QUEST》


現在LEVEL:15


クエストを生成しています……


《生成完了》


【QUEST 01】


達成条件:


LEVEL20以上の魔物を1体、

単独で討伐する。


※他者からの援護不可


制限時間:なし


達成報酬:LEVEL+1


進行状況:0 / 1


――――――――――


「LEVEL20以上の魔物を一人で……」


カイは。


表示を見つめた。


LEVEL20。


この前。


戦ったシーサーペントと。


同じレベル。


あの時は。


仲間がいた。


皆と力を合わせて。


ようやく倒した。


それと同じレベルの相手を。


今度は。


自分一人で。


倒さなければならない。


「……結構きついな」


カイが。


小さく呟く。


でも。


達成すれば。


LEVEL16。


一つ。


上がる。


ライルとの差は。


まだ。


大きい。


それでも。


今より。


確実に近づける。


「……やってみるか」


カイは。


もう一度。


クエストの条件を確認した。


◇


「カイ?」


声。


振り返る。


ナタリーが。


立っていた。


「こんなところで何をしている?」


「あ、ナタリー」


カイは。


少し笑った。


「ちょっと試してた」


「何を?」


「《CREATION》」


ナタリーの目が。


僅かに動く。


「何か作ったのか?」


「うん」


「武器か?」


「いや」


カイは。


首を横に振る。


「クエスト」


「……クエスト?」


ナタリーが。


首を傾げる。


「何だ、それは」


「えっと……」


カイは。


少し考えた。


「決められた課題を達成すると、レベルが上がる仕組み」


「レベルが?」


「うん」


「そんなものまで創造できるのか?」


「俺もびっくりした」


カイが。


笑う。


ナタリーは。


しばらく。


考えていた。


そして。


聞く。


「それで、どんな課題なんだ?」


「LEVEL20以上の魔物を、一人で倒す」


一瞬。


沈黙。


「……一人で?」


「うん」


「LEVEL20以上を?」


「うん」


ナタリーが。


カイを見つめる。


そして。


深く。


息を吐いた。


「お前は……」


「え?」


「本当に、次から次へと」


カイは。


少し。


困ったように笑った。


「でも、やってみたいんだ」


ナタリーは。


すぐには。


答えなかった。


昨日。


カイが。


どれほど傷ついたか。


知っている。


あのライルとの戦い。


六人で挑んでも。


全く歯が立たなかった。


それでも。


カイは。


もう。


次へ進もうとしている。


「……止めても行くんだろうな」


「うん」


即答。


ナタリーが。


小さく笑った。


「だろうな」


そして。


真剣な表情になる。


「ただし」


「うん」


「危ないと思ったら退け」


カイが。


頷く。


「分かってる」


「クエストより、お前の命の方が大切だ」


カイは。


ナタリーを見る。


「……うん」


今度は。


しっかりと。


頷いた。


◇


朝食。


簡単な食事を。


皆で囲む。


セルドも。


顔を出していた。


村の復旧は。


まだ。


始まったばかり。


それでも。


昨夜より。


少しだけ。


落ち着いた表情をしている。


「動ける者たちで、片づけを始めている」


セルドが言う。


ロウガが。


頷く。


「手伝えることがあれば言ってくれ」


「ありがとう」


ガルドも。


身体を起こしていた。


昨日より。


顔色は良い。


ただ。


《龍化》の反動が。


完全に消えたわけではない。


ナタリーが。


皆を見る。


「今日は、まず身体を休めよう」


レオンが。


頷く。


「そうだな」


リシアも。


ガルドを見る。


「無理をする必要はない」


ガルドは。


短く答えた。


「ああ」


カイは。


少し考えてから。


口を開く。


「あのさ」


皆が。


カイを見る。


「俺、少し森に行ってきたい」


レオンが。


眉を上げた。


「森?」


「うん」


「何しに?」


「修練」


レオンが。


目を丸くする。


「昨日あれだけやられたのに、もうか?」


「うん」


カイは。


頷く。


「ちょっと、試したいことがあるんだ」


ナタリーが。


口を開いた。


「私から説明する」


そして。


カイが創造した。


《LEVEL UP QUEST》について。


皆へ話した。


◇


「LEVEL20以上を単独討伐?」


レオンが。


驚いた声を上げた。


「それでレベルが上がるのか?」


「うん」


カイが。


頷く。


「一つだけどね」


「いや、一つでもすごいだろ」


リシアが。


静かに聞いた。


「私たちは手を出せないの?」


「うん。援護が入ると、条件を達成できないみたい」


「そう……」


ロウガが。


腕を組んだ。


「相手を慎重に選ぶ必要があるな」


「うん」


ガルドは。


黙って。


話を聞いていた。


しばらくして。


低い声で。


口を開く。


「カイ」


「ん?」


「勝てる相手を選べ」


カイが。


ガルドを見る。


「……うん」


「格上だからといって、何でもいいわけではない」


「分かってる」


ガルドは。


短く。


頷いた。


レオンが。


カイを見る。


「ま、無茶するなよ」


「うん」


ナタリーが。


続ける。


「それと、危険を感じたらすぐに戻れ」


「分かった」


カイは。


皆を見回した。


「行ってくる」


◇


昼前。


カイは。


村の外れに立っていた。


腰には。


光焔剣《ラグナリス》。


背中には。


《強化長弓》。


矢の本数を確認する。


そして。


森を見た。


木々。


その奥。


何がいるのか。


まだ。


分からない。


「……行こう」


一歩。


踏み出した。


◇


森。


木漏れ日。


湿った土。


草を踏む音。


カイは。


周囲を。


慎重に見ながら。


進んだ。


鳥の声。


葉の揺れる音。


遠く。


何かが動く気配。


カイは。


足を止める。


《鑑定》。


近くの。


小さな魔物。


――――――――――


《鑑定》


LEVEL:7


――――――――――


「……違う」


見送る。


さらに。


進む。


別の気配。


――――――――――


《鑑定》


LEVEL:13


――――――――――


「これも違う」


カイは。


森の奥へ。


歩いていく。


途中。


何度か。


魔物と遭遇した。


LEVEL9。


LEVEL12。


LEVEL16。


どれも。


クエストの条件には。


届かない。


「LEVEL20って、なかなかいないんだな……」


カイは。


小さく呟く。


木の根を越える。


低い枝を。


くぐる。


さらに。


奥へ。


その時。


ふと。


森が。


静かになった。


鳥の声が。


止まる。


風。


葉が揺れる。


その音だけが。


妙に。


大きく聞こえる。


「……?」


カイが。


足を止めた。


何か。


いる。


近い。


《予測》。


周囲の気配を。


探る。


右。


前方。


茂みの向こう。


重い。


足音。


ズシッ。


ズシッ。


地面が。


僅かに。


震える。


カイは。


ゆっくりと。


木の陰へ身を寄せた。


茂みが。


揺れる。


大きな影。


四本の脚。


黒褐色の体毛。


肩のあたりから。


突き出た。


硬そうな突起。


口元。


長い牙。


「……でかい」


カイが。


息を潜める。


魔物は。


周囲の地面を。


鼻先で探りながら。


ゆっくりと歩いていた。


カイは。


視線を集中させる。


《鑑定》。


――――――――――


《鑑定》


種族:アーマードボア


LEVEL:20


――――――――――


「……いた」


胸が。


小さく。


高鳴る。


LEVEL20。


条件を満たす魔物。


カイは。


相手を。


じっと観察した。


大きな身体。


太い四肢。


硬そうな外皮。


突進されたら。


危険だろう。


でも。


四本脚。


動きは。


ある程度。


予測できるかもしれない。


カイは。


ゆっくりと。


弓を手に取った。


《強化長弓》。


弦を。


指にかける。


矢を。


つがえる。


魔物は。


まだ。


気づいていない。


呼吸を。


整える。


吸う。


吐く。


《予測》。


魔物の。


次の動き。


頭を上げる。


右へ向く。


一歩。


前へ。


その瞬間。


カイは。


弦を引き絞った。


狙う。


肩の突起を避けた。


首元。


「……よし」


指を。


離す。


ヒュッ――!


一本の矢が。


森の空気を。


切り裂いた。


◇


ドスッ――!


矢が。


アーマードボアの首元へ。


突き刺さった。


「ブゴォォッ!!」


魔物が。


大きく吠えた。


巨体が。


勢いよく振り返る。


カイは。


すぐに。


二本目の矢をつがえた。


「もう一本!」


ヒュッ――!


二本目。


しかし。


ガキンッ!


硬い突起に。


弾かれた。


「……硬っ!」


アーマードボアが。


前脚で。


地面を掻く。


そして。


一気に。


駆け出した。


ドドドドッ!!


「速っ!?」


カイの目が。


大きくなる。


巨体からは。


想像できない速さ。


《予測》。


視界に。


突進の軌道が浮かぶ。


「右!」


カイが。


跳ぶ。


直後。


巨体が。


目の前を通過した。


ゴォッ――!


背後の木へ。


激突。


ドガァンッ!!


太い幹が。


大きく揺れる。


木の葉が。


一斉に落ちた。


「……あれ、当たったらまずいな」


カイは。


息を整えた。


アーマードボアが。


再び。


こちらを見る。


首には。


矢が刺さっている。


それでも。


動きは鈍らない。


「弓だけじゃ厳しいか……」


カイは。


弓を背中へ戻す。


右手。


腰へ。


光焔剣《ラグナリス》。


シュンッ――。


刃が。


朝の光を受ける。


「……よし」


魔物が。


再び。


地面を蹴った。


◇


ドドドドッ!!


真正面。


突進。


カイは。


《ラグナリス》を構えた。


《予測》。


正面衝突。


危険。


右へ回避。


しかし。


その先。


魔物が。


身体をひねる。


牙。


横薙ぎ。


「……そっちも来るのか!」


カイは。


瞬時に。


進路を変えた。


左。


一歩。


踏み込む。


魔物の頭が。


目の前を通る。


その瞬間。


《ラグナリス》を。


振り抜いた。


ガキンッ!!


「硬っ!」


刃が。


肩の突起に弾かれる。


手首へ。


強い衝撃。


「くっ……!」


カイが。


後ろへ下がる。


アーマードボアは。


勢いを殺さず。


身体を回転させた。


巨大な牙が。


迫る。


《予測》。


回避。


間に合わない。


「っ!」


カイは。


咄嗟に。


左手を突き出した。


「光!」


パァッ――!!


強烈な光が。


魔物の眼前で弾けた。


「ブゴッ!?」


アーマードボアの動きが。


一瞬。


乱れる。


牙が。


カイのすぐ横を。


通り抜けた。


「……危なかった!」


カイは。


距離を取る。


光魔法。


相手の目を眩ませることは。


できる。


でも。


倒すほどの威力はない。


「なら……」


カイの左手に。


赤い光が集まる。


炎。


掌の前で。


燃え上がる。


「こっちだ!」


ゴォッ――!!


炎が。


一直線に放たれた。


アーマードボアの顔面を。


包み込む。


「ブゴォォッ!!」


魔物が。


激しく暴れる。


黒褐色の体毛が。


焼ける。


しかし。


炎の中から。


巨体が飛び出した。


「……うそだろ!?」


カイが。


慌てて。


横へ跳ぶ。


魔物が。


地面を削りながら。


通過する。


顔には。


確かに。


火傷の跡。


だが。


まだ。


戦える。


「……炎も一発じゃ倒せないか」


カイは。


息を吐いた。


強い。


思っていた以上に。


それでも。


一つ。


分かった。


炎は。


効いている。


「……よし」


カイは。


《ラグナリス》を。


握り直した。


◇


アーマードボアが。


低く唸る。


「ブゥゥ……」


カイは。


ゆっくりと。


左へ動いた。


魔物の目が。


追ってくる。


一歩。


二歩。


三歩。


その瞬間。


アーマードボアが。


突進。


「来た!」


カイは。


《予測》を使う。


正面。


左への旋回。


次に。


牙での突き上げ。


「……見えた!」


カイは。


突進を避けながら。


相手の横へ。


滑り込んだ。


《ラグナリス》。


振る。


ザシュッ――!


今度は。


刃が入った。


腹の下。


硬い突起のない部分。


「ブゴォッ!!」


魔物が。


大きく吠える。


カイは。


すぐに。


後方へ跳んだ。


しかし。


魔物の後脚が。


跳ね上がる。


「っ!?」


ドンッ!!


左腕を。


かすめた。


「ぐあっ!」


身体が。


弾かれる。


地面を。


転がる。


ザザザッ――!


「っ……!」


左腕。


痛い。


痺れる。


カイは。


歯を食いしばった。


「……危なかった」


もし。


直撃していたら。


骨が折れていたかもしれない。


カイは。


立ち上がる。


アーマードボアも。


こちらを向く。


腹には。


傷。


顔には。


火傷。


首には。


矢。


確実に。


傷ついている。


だが。


倒れない。


「……どうすれば」


カイは。


呼吸を整える。


弓。


剣。


光。


炎。


どれも。


通用しないわけではない。


でも。


一つだけでは。


足りない。


「……組み合わせれば」


カイが。


顔を上げた。


「全部使えばいいんだ」


◇


カイは。


《ラグナリス》を納めた。


そして。


弓を構える。


左腕に。


痛みが走る。


「っ……」


それでも。


弦を引く。


ヒュッ――!


矢が。


飛ぶ。


アーマードボアが。


頭を振る。


ガキンッ!


弾く。


しかし。


カイは。


すでに。


次の動作へ移っていた。


左手。


光。


パァッ――!!


「ブゴッ!?」


魔物の視界が。


塞がれる。


その瞬間。


カイは。


右へ走った。


アーマードボアが。


闇雲に。


頭を振る。


牙。


空を切る。


カイは。


背後へ回り込んだ。


「……そこ!」


左手に。


炎。


ゴォォッ!!


炎が。


後脚を包み込む。


「ブゴォォッ!!」


魔物が。


跳ねる。


そのまま。


後ろを向く。


だが。


カイは。


もう。


そこにはいない。


《予測》。


相手の反応。


身体の向き。


次の突進。


カイは。


木の陰へ。


走っていた。


「こっち!」


魔物が。


吠える。


そして。


突進。


ドドドドッ!!


カイは。


木の直前で。


跳んだ。


巨体が。


幹へ。


激突する。


ドガァンッ!!


「今!」


カイは。


再び。


《ラグナリス》を抜く。


踏み込む。


斬る。


ザシュッ――!


再び。


腹。


「ブゴォッ!!」


続けて。


左手。


炎。


ゴォッ――!!


斬りつけた傷口へ。


炎が。


叩き込まれる。


「ブゴォォォッ!!」


魔物が。


絶叫した。


カイは。


すぐに。


離れる。


「はぁっ……はぁっ……」


呼吸が。


荒い。


魔法。


連続使用。


剣。


回避。


弓。


身体に。


疲労が。


溜まっている。


でも。


効いている。


確実に。


アーマードボアの動きが。


鈍くなっていた。


「……いける」


カイは。


小さく呟いた。


◇


魔物が。


ゆっくりと。


こちらを向く。


身体のあちこち。


傷。


火傷。


血。


それでも。


まだ。


倒れない。


「……本当にしぶといな」


カイは。


周囲を見る。


木。


倒木。


斜面。


そして。


その先。


張り出した。


太い木の根。


「……あそこ」


カイが。


目を細めた。


一つ。


考えが浮かぶ。


でも。


失敗すれば。


危険。


至近距離で。


あの巨体を。


相手にすることになる。


「……やるしかないか」


カイは。


走り出した。


斜面へ。


向かう。


背後。


アーマードボア。


咆哮。


「ブゴォォォッ!!」


追ってくる。


カイは。


振り返る。


左手。


炎。


ゴォッ――!!


火球が。


魔物の顔へ。


飛んだ。


「ブゴッ!?」


魔物が。


頭を下げる。


視界。


塞がれる。


その間に。


カイは。


斜面を駆け上がった。


頂上。


振り返る。


「……来い」


魔物が。


炎の中から。


飛び出した。


突進。


斜面を。


一気に。


駆け上がってくる。


カイは。


《予測》を使う。


進路。


真正面。


その先。


太い木の根。


「……よし」


距離。


縮まる。


十。


八。


六。


カイは。


動かない。


五。


四。


三。


魔物が。


牙を突き出す。


「……今!」


パァッ――!!


光魔法。


真正面。


強烈な光が。


魔物の視界を奪った。


「ブゴッ!?」


一瞬。


頭が上がる。


その瞬間。


カイは。


右へ跳んだ。


巨体が。


目の前を。


通り過ぎる。


そして。


足元。


太い木の根。


ドガァンッ!!


前脚が。


引っかかる。


「ブゴォッ!?」


巨体が。


大きく。


傾いた。


勢いのまま。


横倒しになる。


ドォンッ!!


地面が。


震えた。


「……今だ!」


カイが。


走る。


《ラグナリス》。


両手で。


握る。


倒れた魔物。


腹。


傷口。


そこへ。


跳び込む。


「はああっ!!」


ザシュッ――!!


刃が。


深く。


突き刺さった。


「ブゴォォォッ!!」


アーマードボアが。


激しく暴れる。


カイは。


歯を食いしばる。


「……まだ!」


左手。


炎。


傷口へ。


集中させる。


ゴォォォッ!!


炎が。


一気に。


燃え上がった。


「ブゴォォォォッ!!」


魔物が。


絶叫する。


身体を。


激しく。


ひねる。


カイは。


《ラグナリス》を抜き。


後方へ。


跳んだ。


直後。


巨大な後脚が。


地面を叩いた。


ドンッ!!


「っ……!」


カイは。


転がりながら。


距離を取った。


「はぁっ……はぁっ……!」


魔力。


かなり。


使った。


腕。


痛い。


脚。


重い。


それでも。


視線を上げる。


アーマードボア。


まだ。


動いている。


「……まだか」


カイは。


息を吐いた。


◇


魔物が。


ゆっくり。


起き上がる。


腹。


深い傷。


首。


矢。


顔。


火傷。


身体全体。


大きく。


揺れている。


もう。


まともに。


走れそうにはない。


しかし。


その目は。


まだ。


カイを捉えていた。


「……最後だ」


カイは。


《ラグナリス》を納める。


そして。


弓を手に取る。


《強化長弓》。


矢。


一本。


つがえる。


アーマードボアが。


最後の力を。


振り絞る。


「ブゴォォォッ!!」


突進。


カイへ。


向かってくる。


カイは。


弓を構えた。


《予測》。


相手の軌道。


頭。


牙。


その下。


首。


最初に。


矢を受けた場所。


「……見える」


カイの左手に。


小さな炎が灯る。


矢へ。


炎が。


ゆっくりと。


移っていく。


鏃。


赤く。


輝く。


カイは。


息を整えた。


「これなら……!」


距離。


十。


八。


六。


「まだ……」


五。


四。


魔物が。


頭を上げる。


首元。


傷口。


正面。


その瞬間。


カイが。


弦を離した。


ヒュッ――!!


炎をまとった矢が。


一直線に飛ぶ。


ドスッ――!!


首元へ。


深く。


突き刺さる。


次の瞬間。


ゴォッ――!!


炎が。


傷口から。


燃え上がった。


「ブゴォォォォッ!!」


アーマードボアが。


大きく。


身体を反らす。


前脚。


もつれる。


突進の勢いが。


失われる。


一歩。


二歩。


そして。


カイの。


数歩手前。


ドォォンッ!!


巨体が。


地面へ倒れた。


土煙。


舞い上がる。


カイは。


弓を下げた。


「はぁっ……はぁっ……」


呼吸が。


荒い。


汗。


頬を伝う。


腕。


痛い。


脚。


震える。


それでも。


魔物から。


目を離さない。


一秒。


二秒。


三秒。


動かない。


そして。


視界に。


青白い文字が浮かんだ。


――――――――――


《LEVEL UP QUEST》


【QUEST 01】


達成条件:

LEVEL20以上の魔物を1体、単独討伐する。


進行状況:1 / 1


《QUEST CLEAR》


達成報酬:LEVEL+1


――――――――――


続けて。


新しい表示。


――――――――――


《LEVEL UP》


LEVEL 15 → 16


最大HP:165 → 170


全ステータス:+1


SP:+3


《HP・MP全回復》


――――――――――


淡い光が。


カイの身体を包んだ。


左腕の痛みが。


消えていく。


擦り傷が。


塞がる。


重かった脚にも。


力が戻る。


カイは。


軽く。


拳を握った。


「……よし!」


さらに。


文字が浮かぶ。


――――――――――


《SKILL LEVEL UP》


《光魔法 Lv.1 → Lv.2》


《炎魔法 Lv.1 → Lv.2》


――――――――――


「……お!」


カイが。


表示を見つめる。


光魔法。


炎魔法。


どちらも。


一つずつ上がっている。


今日の戦い。


光で。


相手の動きを止めた。


炎で。


何度も攻撃した。


剣。


弓。


魔法。


全部。


使った。


カイは。


拳を握る。


そして。


小さく笑った。


「もっと強くなれる」


◇


カイは。


STATUSを開いた。


――――――――――


STATUS


神谷 海


LEVEL:16


HP:170 / 170


MP:142 / 142


筋力:30


体力:29


敏捷:33


器用:32


知力:31


感知:34


精神:32


SP:+3


ATTRIBUTE


《光》

《炎》


SKILL


《剣術 Lv.3》

《弓術 Lv.4》

《体術 Lv.3》

《予測 Lv.3》

《鑑定 Lv.4》

《治癒 Lv.3》

《光魔法 Lv.2》

《炎魔法 Lv.2》

《創造》


――――――――――


「……十六」


カイは。


その数字を見る。


ライル。


LEVEL35。


まだ。


十九も離れている。


でも。


一つ。


近づいた。


そして。


今回。


新しい成長方法も。


手に入れた。


カイは。


表示を閉じる。


そして。


倒れたアーマードボアを見る。


大きな身体。


硬い外皮。


鋭い牙。


「……強かったな」


カイは。


小さく呟く。


それでも。


勝った。


自分一人で。


LEVEL20の魔物を。


倒した。


「……さて」


カイは。


アーマードボアへ近づいた。


「これ、持って帰れないかな」


村では。


まだ。


食料や物資が。


必要だった。


肉。


牙。


外皮。


何かに。


使えるかもしれない。


カイは。


巨体へ。


手をかける。


「よいしょ……!」


力を入れる。


ズズッ。


僅かに。


動く。


「……重っ!」


カイは。


思わず。


手を離した。


「さすがに一人じゃ無理か……」


少し考える。


そして。


顔を上げる。


「一回戻って、手伝ってもらおう」


場所を。


確認する。


斜面。


大きな木。


張り出した根。


目印を。


覚える。


それから。


村へ向かって。


歩き始めた。


◇


村の入口。


「おーい! カイ!」


レオンが。


手を振っていた。


カイも。


手を上げる。


「ただいま!」


ナタリーが。


こちらを見る。


そして。


すぐに。


駆け寄ってきた。


「カイ!」


「ただいま」


「大丈夫だったか?」


「うん!」


ナタリーが。


カイの服を見る。


破れ。


土。


血の跡。


「……ずいぶん派手にやったな」


「ちょっとね」


「怪我は?」


「もう治ってる」


「治ってる?」


「うん」


カイが。


笑う。


「LEVEL16になったから!」


ナタリーが。


足を止めた。


「……上がったのか?」


「うん!」


レオンが。


目を丸くする。


「マジかよ!」


ロウガも。


近づいてきた。


リシアも。


カイを見る。


「一人で倒せたの?」


「うん。LEVEL20の魔物!」


レオンが。


大きく笑った。


「すげえじゃん!」


カイは。


少し照れたように。


笑った。


「でも、かなり大変だった」


ナタリーが。


小さく。


息を吐く。


「無事に帰ってきてくれて良かった」


「うん」


その時。


カイが。


思い出したように。


顔を上げた。


「あ、そうだ!」


「何だ?」


レオンが聞く。


「倒した魔物、まだ森にあるんだ」


「持って帰らなかったのか?」


「大きすぎて、一人じゃ無理だった」


「そんなにでかいのか?」


「うん。みんなで運べないかな?」


ロウガが。


頷く。


「場所は分かるか?」


「うん!」


「なら、運べるか見に行こう」


◇


それから。


カイ。


レオン。


ロウガ。


そして。


セルド。


運搬台と。


丈夫な縄を持ち。


四人は。


森へ向かった。


やがて。


アーマードボアのいる場所へ。


到着した。


「……おい」


レオンが。


立ち止まる。


「でかすぎだろ!」


地面に横たわる巨体。


黒褐色の体毛。


巨大な牙。


硬い突起。


セルドが。


目を見開いた。


「アーマードボアじゃないか!」


カイが。


振り返る。


「知ってるの?」


「ああ。この辺りの森に生息している魔物だ」


セルドは。


倒れた巨体を見る。


「突進が厄介で、村の者も滅多に近づかない」


「そんなに危険なの?」


「ああ」


セルドが。


カイを見る。


「これを一人で倒したのか?」


「うん」


レオンが。


首元の傷を見る。


次に。


焼けた体毛。


腹の深い傷。


「……これ全部、お前が?」


「うん」


「弓だけじゃないよな?」


「《ラグナリス》も使ったし、光魔法と炎魔法も」


レオンが。


笑う。


「全部使ったんだな」


「うん。そうしないと勝てなかった」


ロウガが。


静かに頷いた。


「よく戦ったな」


カイは。


少し笑った。


「ありがとう」


◇


アーマードボアの身体を。


運搬台へ乗せる。


「せーの!」


四人で。


力を合わせる。


ズズズッ。


巨体が。


少しずつ動く。


「重いな……!」


レオンが。


声を上げる。


「もう少し右だ!」


ロウガが。


指示を出す。


セルドも。


縄を引く。


ようやく。


魔物を。


台の上へ載せることができた。


「……よし!」


カイが。


笑う。


レオンが。


汗を拭う。


「倒すのも大変だろうけど、運ぶのも大変だな」


「ほんとだね」


カイも。


笑った。


そして。


四人で。


村へ向かって。


運び始めた。


◇


村へ戻ると。


すぐに。


人が集まってきた。


「何だ、あれは……!」


「アーマードボアじゃないか!」


水人族たちが。


驚いた声を上げる。


カイが。


セルドを見る。


「この魔物の肉って、食べられる?」


「ああ。食べられるぞ」


「本当?」


セルドが。


巨体を見上げる。


「この大きさなら、村の皆で食べても十分な量になるだろう」


「良かった!」


カイが。


笑う。


セルドも。


笑みを浮かべた。


「カイ、ありがとう。村の皆も喜ぶ」


「うん!」


セルドは。


周囲の水人族たちへ。


声をかけた。


「皆、手伝ってくれ!」


「おう!」


「解体するぞ!」


村のあちこちから。


人が集まってくる。


まだ。


復旧が始まったばかりの村。


それでも。


そこには。


少しずつ。


笑顔が戻り始めていた。


◇


夕方。


六人は。


比較的損傷の少ない家に。


集まっていた。


ガルドも。


身体を起こしている。


カイは。


皆へ。


今日の戦いを話していた。


最初の矢。


突進。


硬い外皮。


《ラグナリス》。


光魔法。


炎魔法。


そして。


最後の一撃。


レオンが。


身を乗り出す。


「炎を矢にまとわせたのか?」


「うん。普通に撃つより効くかなって」


「それ、面白いな!」


リシアが。


カイを見る。


「でも、かなり危険だったんじゃない?」


「うん。何回か、本当に危なかった」


ナタリーが。


眉を寄せる。


「何回か?」


「……結構?」


「カイ」


「ごめん」


レオンが。


吹き出した。


「ははっ!」


ロウガも。


小さく笑う。


ガルドは。


黙って。


話を聞いていた。


そして。


カイへ。


視線を向ける。


「カイ」


「ん?」


「勝てた理由は何だと思う?」


カイは。


少し考えた。


「……全部使ったから、かな」


「全部?」


「うん」


カイが。


自分の手を見る。


「弓だけじゃ、硬くて倒せなかった」


「……ああ」


「剣だけでも、近づくのが危なかった」


「光魔法で隙を作って、炎魔法で攻撃して……」


少し。


間。


「《予測》で動きを見ながら、全部組み合わせたんだ」


ガルドが。


静かに頷く。


「そうか」


そして。


続けた。


「だが、それができたのは何故だ?」


「……え?」


「弓を扱えたのも、剣を振れたのも、魔法を使えたのも」


ガルドは。


カイを見る。


「お前が、それぞれを磨いてきたからだ」


カイは。


黙って。


聞いていた。


「一つ一つの修練が、今日の結果を生んだ」


ガルドが。


静かに言う。


「それを忘れるな」


カイは。


少し考えた。


剣を振ったこと。


弓を引いたこと。


魔法を使ってきたこと。


現実世界でも。


身体を鍛えてきたこと。


全部。


少しずつ。


積み重ねてきた。


「……うん!」


カイが。


頷く。


ガルドも。


短く頷いた。


「ああ」


◇


しばらくして。


カイが。


思い出したように。


口を開いた。


「あ、そうだ」


ナタリーが。


顔を上げる。


「どうした?」


「次のクエストも出てたんだ」


レオンが。


目を丸くする。


「もう次が?」


「うん」


カイは。


《LEVEL UP QUEST》を開いた。


――――――――――


《LEVEL UP QUEST》


現在LEVEL:16


QUEST 01:CLEAR


《新規クエスト生成完了》


【QUEST 02】


達成条件:


LEVEL22以上の魔物を1体、

単独で討伐する。


※他者からの援護不可


制限時間:なし


達成報酬:LEVEL+1


進行状況:0 / 1


――――――――――


「……LEVEL22以上?」


レオンが。


目を丸くする。


「さっきより二つも上か」


「うん」


「一気に難しくなってないか?」


「俺もそう思った」


カイが。


苦笑する。


ロウガが。


腕を組んだ。


「次は、さらに厳しい戦いになるな」


「うん」


リシアが。


心配そうに。


カイを見る。


「すぐ挑むつもり?」


カイは。


首を横に振った。


「ううん」


皆が。


少し。


驚いたように見る。


カイは。


続けた。


「今日、分かったんだ」


「何が?」


ナタリーが聞く。


「俺、まだまだ足りないところが多い」


カイは。


自分の手を見る。


「弓も、剣も、魔法も」


一つずつ。


思い出す。


「もっと上手く使えたら、あんなに苦戦しなかったと思う」


ガルドが。


静かに。


聞いている。


「だから」


カイが。


顔を上げた。


「次は、ちゃんと準備してから挑みたい」


ナタリーが。


小さく。


笑った。


「それなら安心した」


レオンも。


頷く。


「まあ、まずは休めよ」


「うん」


カイは。


笑った。


そして。


もう一度。


クエストの表示を見る。


LEVEL22以上。


一体。


次の目標。


簡単ではない。


でも。


今日。


LEVEL20の魔物を。


一人で倒した。


LEVELも。


一つ上がった。


そして。


光魔法。


炎魔法。


どちらも。


成長した。


カイは。


表示を閉じた。


「……よし」


小さく。


呟く。


明日から。


また。


鍛えよう。


剣も。


弓も。


光も。


炎も。


そして。


自分自身も。


もっと。


強くなるために。


◇


夜。


村には。


温かい食事の匂いが。


広がっていた。


今日。


持ち帰った。


アーマードボアの肉。


水人族たちが。


火を囲み。


食事を分け合っている。


笑い声。


話し声。


子どもたちの声。


まだ。


壊れた家は。


そのまま。


失われたものも。


戻らない。


それでも。


少しずつ。


村は。


前へ進んでいた。


カイは。


皆と一緒に。


焚き火を囲んでいた。


レオンが。


肉を頬張る。


「うまっ!」


「そんなに?」


カイが聞く。


「ああ! お前も食ってみろよ!」


差し出された肉。


カイが。


一口。


食べる。


「……うま!」


レオンが。


笑う。


「だろ!」


ナタリーも。


少し。


笑った。


リシアが。


肉を小さく切り分ける。


ロウガが。


ガルドへ渡す。


ガルドは。


短く。


礼を言った。


カイは。


その光景を見ていた。


昨日。


ここには。


悲鳴と。


恐怖があった。


今は。


皆が。


同じ火を囲んでいる。


それが。


少しだけ。


嬉しかった。


ふと。


空を見上げる。


星。


幾つも。


輝いている。


カイは。


小さく。


息を吐いた。


LEVEL16。


次は。


LEVEL17。


その先。


LEVEL20。


そして。


いつか。


ライルのいる場所まで。


焚き火の炎が。


ゆっくりと。


揺れる。


カイは。


もう一度。


皆を見る。


そして。


笑った。


明日も。


また。


始まる。


――――――――――


《LEVEL UP QUEST》


現在LEVEL:16


【QUEST 02】


達成条件:

LEVEL22以上の魔物を1体、単独討伐する。


進行状況:0 / 1


達成報酬:LEVEL+1


――――――――――


第32話 終

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