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ドリームライド〜異世界創造、夢の旅〜  作者: 神谷 夢


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第29話 ネレイア大陸

第29話 ネレイア大陸


船は。


海の上を進んでいた。


帆が。


風を受ける。


ばさっ――。


張った布が。


大きく鳴った。


カイは。


船首から。


前を見ていた。


昨日まで。


なかった大地。


出航した時には。


水平線の上に。


細く見えていただけだった。


それが。


今は。


はっきりと形を持っている。


長く続く海岸。


その奥。


深い森。


さらに向こうには。


霞んだ山並み。


右を見ても。


左を見ても。


陸は途切れない。


「……大きいな」


カイが呟く。


隣にいたガルドも。


同じ大地を見る。


「ああ」


「火ノ島より?」


「ここから見える限りではな」


カイは。


目を細めた。


島ではないのかもしれない。


それほど。


大きい。


後ろでは。


ロウガが舵を握っている。


ナタリー。


リシア。


二人は。


船の左右から。


海を見ていた。


レオンは。


船縁へ座り。


水を飲んでいた。


「今回は大丈夫そうだね」


カイが言う。


レオンが。


顔を上げる。


「何が?」


「船酔い」


「……先に香醒草食べたからな」


リシアが。


前を見たまま言う。


「もう一枚ある」


「いらない」


「まだ何も言っていない」


「絶対食べろって言うだろ」


「必要なら」


「ほら」


カイが。


思わず笑う。


その時。


ナタリーの表情が。


変わった。


「静かに」


全員が。


ナタリーを見る。


だが。


ナタリーは。


こちらを見ていない。


船の右側。


海面。


そこへ。


目を向けている。


リシアも。


少し遅れて。


同じ方を見た。


「何かいる」


ガルドが。


船縁へ近づく。


海。


波。


その中。


一つだけ。


違う動き。


細長い影が。


船と並ぶように。


水面の下を進んでいた。


「魔物か?」


レオンが。


立ち上がる。


次の瞬間。


ザバァッ――!


海面が。


大きく割れた。


水飛沫。


その中から。


長い首が現れる。


青黒い鱗。


頭の後ろに広がる。


薄い鰭。


大きく開いた口には。


湾曲した牙。


水面の下。


さらに。


太い胴体が続いている。


カイは。


すぐに《鑑定》を使った。


――――――――――


名称:シーサーペント


分類:海棲魔物


LEVEL:20


HP:260 / 260


MP:84 / 84


筋力:46


体力:42


敏捷:50


器用:28


知力:16


感知:38


精神:25


属性:水


SKILL


《水槍 Lv.3》


《潜水 Lv.4》


弱点:口内


――――――――――


「LEVEL20!」


ナタリーの手が。


すぐに弓へ伸びた。


レオンも。


腰の剣を抜く。


リシアが。


矢をつがえた。


ここは海の上。


足場も。


相手に有利だった。


「海の上で同格か」


ナタリーが。


シーサーペントを見る。


「厄介だな」


レオンが。


船縁から。


距離を見る。


「剣じゃ届かないぞ」


「来れば斬れる」


ロウガが。


舵を握ったまま言った。


ガルドは。


すでに。


掌へ火を灯している。


「無理に近づく必要はない」


「俺とロウガもいる」


その声には。


焦りがない。


シーサーペントが。


大きく口を開いた。


その奥。


水が集まる。


カイの視界に。


赤い線。


《予測》。


「来る!」


線は。


船の中央。


帆柱へ。


伸びている。


「ロウガ! 右!」


「ああ」


舵が切られる。


船が。


傾く。


シュンッ――!


水の槍が。


船の横を抜けた。


海面へ。


突き刺さる。


バシャアッ!


大きな飛沫。


ナタリーが。


同時に矢を放つ。


ヒュッ――!


シーサーペントの首。


鱗の隙間へ。


刺さる。


続けて。


リシア。


もう一本。


肩口へ。


「グギャァッ!」


シーサーペントが。


首を振った。


ガルドが。


掌を向ける。


「下がれ」


火球。


海面のすぐ上を。


一直線に飛ぶ。


ボンッ――!


シーサーペントの胴体へ。


直撃。


炎。


水。


白い蒸気が。


一気に広がった。


魔物の身体が。


大きく横へ流される。


レオンが。


その様子を見る。


「……やっぱり強いな」


ガルドが。


海面から目を離さない。


「まだ終わっていない」


シーサーペントが。


水へ潜る。


だが。


深くは逃げない。


船の周囲を。


回るように泳いでいる。


カイが。


弓を構えた。


「次、俺も撃つ」


ナタリーが。


横を見る。


「口を狙えるか」


「うん」


《予測》がある。


動きも。


見えている。


シーサーペントが。


船の左。


海面を割った。


ザバッ――!


「カイ!」


「見えてる!」


矢をつがえる。


弦を引く。


狙う。


開いた口。


だが。


距離がある。


もっと。


強く。


矢を飛ばしたい。


カイは。


さらに。


弦を引いた。


いつもなら。


ここで。


腕が止まっていた。


でも。


今は。


まだ引ける。


「……あれ」


もう少し。


右腕を引く。


弓身が。


大きくしなる。


その瞬間。


ミシッ。


小さな音。


カイの目が。


手元へ向いた。


「え?」


バキンッ――!


弓身が。


折れた。


張っていた弦が。


外れる。


矢が。


船底へ落ちた。


「カイ!」


ナタリーの声。


カイは。


手の中を見る。


折れた木。


垂れ下がった弦。


「……壊れた」


「カイ、下がれ!」


「うん!」


カイが。


船の中央へ下がる。


その前。


ナタリーが。


矢をつがえた。


ヒュッ――!


一射。


シーサーペントの頬へ。


刺さる。


リシアも。


続ける。


ヒュッ――!


首元。


二本目。


魔物が。


大きく首を振った。


「グギャァァッ!」


ガルドが。


一歩前へ出る。


掌。


火が集まる。


「ロウガ」


「ああ」


ロウガが。


舵を切った。


船が。


大きく旋回する。


シーサーペントが。


その動きを追う。


ガルドが。


火球を放った。


ボンッ――!


海面。


魔物の進行方向へ。


炎が落ちる。


白い蒸気。


シーサーペントが。


咄嗟に向きを変えた。


その先。


ロウガが。


片手を舵から離す。


掌に。


火。


「そちらではない」


放つ。


もう一つ。


火球。


ボンッ――!


逃げ道を。


塞ぐ。


シーサーペントが。


海面から。


大きく身体を持ち上げた。


「今だ!」


ナタリー。


リシア。


同時。


二本の矢が。


飛ぶ。


一本。


首。


もう一本。


開いた口の横。


魔物が。


大きく仰け反る。


そこへ。


ガルドが。


掌を向けた。


赤い火が。


さらに。


大きく膨らむ。


「終わりだ」


炎が。


放たれた。


ボオッ――!


シーサーペントの頭部へ。


直撃。


「ギャァァァ――!」


大きな身体が。


海面へ。


叩きつけられる。


ドザァン――!


波。


船が。


大きく揺れた。


レオンが。


船縁を掴む。


カイも。


帆柱へ手をつく。


一度。


二度。


船が上下する。


やがて。


波が。


小さくなる。


海面。


シーサーペントは。


もう。


動かなかった。


しばらく。


誰も。


武器を下ろさない。


ナタリーが。


周囲を見る。


リシアも。


海面を確認する。


ロウガが。


舵を戻した。


ガルドが。


掌の火を消す。


「終わった」


ナタリーが。


ようやく。


弓を下ろした。


レオンも。


剣を鞘へ戻す。


「やっぱり」


ガルドを見る。


「龍人族って強いな……」


ガルドが。


短く答える。


「お前たちも悪くない」


ロウガが。


舵を握り直す。


「まだ足りんがな」


「ロウガは絶対それ言うよな」


レオンが。


小さく息を吐いた。


その時。


カイの視界に。


青白い文字が浮かぶ。


――――――――――


《シーサーペントを討伐しました》


《戦闘経験を獲得しました》


ナタリー


LEVEL:20 → 21


《LEVEL BONUS》


最大HP +5


全ステータス +1


――――――――――


レオン


LEVEL:19 → 20


《LEVEL BONUS》


最大HP +5


全ステータス +1


SP +3


《条件を満たしました》


《剣術 Lv.5》


《俊足 Lv.4》


《ORIGINAL SKILLを獲得しました》


《瞬閃》


――――――――――


リシア


LEVEL:18 → 19


《LEVEL BONUS》


最大HP +5


全ステータス +1


――――――――――


「三人とも上がった」


カイが言う。


ナタリーが。


自分の手を見る。


「二十一か」


リシアも。


小さく頷く。


「私も十九」


だが。


レオンだけは。


黙っていた。


自分の前。


カイには見えない。


何かを。


見つめている。


「レオン?」


「待って」


レオンが。


目を細める。


「何だ、これ」


「どうしたの?」


レオンが。


カイを見る。


「俺」


一度。


自分の表示へ。


目を戻す。


「新しいのが増えた」


カイの目が。


僅かに開く。


「スキル?」


「ああ」


レオンが。


その名前を読む。


「《瞬閃》」


ナタリーが。


レオンを見る。


「どんな技だ」


「分からない」


レオンが。


首を横へ振る。


「今、出たばっかりだ」


カイが。


少し笑う。


「使ってみれば?」


レオンが。


海を見る。


「どこにだよ」


「確かに」


リシアが。


小さく笑った。


ガルドが。


レオンを見る。


「新しい技なら、次に陸へ上がった時に確かめればいい」


「そうする」


レオンは。


もう一度。


《瞬閃》の文字を見る。


そして。


少しだけ。


口元を上げた。


「……楽しみだな」


◇


戦闘が終わり。


船は。


再び。


新大陸へ向かって進み始めた。


カイは。


船底へ落ちた。


自分の弓を拾った。


折れた弓身。


指で。


裂けた部分へ触れる。


「……もう使えないか」


ナタリーが。


隣へ来る。


カイの手元を見る。


「完全に折れているな」


「弦じゃなくて、本体だもんね」


カイは。


自分の右手を見る。


「普通に引いたつもりだったんだけど」


ナタリーが。


折れた弓を見る。


「お前の筋力が、最初とは違う」


「うん」


「身体が変われば」


一度。


カイを見る。


「使う道具も、合わせなければならない」


カイは。


頷いた。


今まで。


身体が強くなることばかり。


見ていた。


LEVEL。


ステータス。


SKILL。


でも。


武器は。


ずっと。


同じものを使っていた。


「今の俺でも」


カイが。


折れた弓を見る。


「思い切り引ける弓……」


頭の中で。


形を思い浮かべる。


今までより。


太い弓身。


もっと。


強い力に耐えられる弦。


今の筋力で。


最後まで引いても。


壊れない弓。


「CREATION」


半透明の画面が。


視界へ浮かぶ。


カイが。


思い描いたものが。


形になる。


――――――――――


名称:強化長弓


分類:武器


高い張力に耐えるよう強化された長弓。


必要DP:800


――――――――――


「八百……」


レオンが。


横からカイを見る。


「高いのか?」


「かなり」


所持DP。


2,689。


八百使えば。


1,889。


カイは。


もう一度。


折れた弓を見る。


今後も。


戦いは続く。


遠くから。


矢を撃てないまま。


進むわけにはいかない。


「でも」


カイが。


顔を上げる。


「必要だ」


――――――――――


《強化長弓》を創造しますか?


消費:800DP


所持DP:2,689 → 1,889


――――――――――


「創造」


光が。


カイの掌の前へ集まった。


白い光。


それが。


細長く伸びる。


カイが。


頭の中で描いた形へ。


変わっていく。


太い弓身。


強く張られた弦。


握り。


やがて。


光が消える。


カイの手へ。


一本の弓が。


収まった。


《強化長弓》。


古い弓より。


長い。


そして。


重い。


カイが。


構える。


矢は。


つがえない。


弦だけを。


ゆっくり引く。


ギギッ――。


「……重い」


前の弓とは。


明らかに違う。


だが。


引ける。


さらに。


引く。


弓身が。


大きくしなる。


それでも。


折れる気配はない。


カイが。


僅かに笑った。


「これなら大丈夫そう」


ナタリーが。


弓を見る。


「今のお前には、そのくらいで丁度いいのかもしれないな」


「うん」


弦を。


ゆっくり戻す。


その時。


カイは。


ふと思った。


弓が作れるなら。


他にも。


今までより。


良いものを作れるかもしれない。


長い旅でも。


傷みにくい食べ物。


今着ているものより。


頑丈な防具。


カイは。


それぞれを。


頭の中で思い描いてみる。


乾燥させ。


持ち運びやすくした食料。


身体の動きを邪魔せず。


刃や爪を防ぐ革の防具。


腕を守る。


丈夫な腕当て。


CREATIONに。


次々と。


形が浮かぶ。


だが。


カイは。


すぐに画面を閉じた。


「今はいいか」


レオンが聞く。


「何が?」


「他にも作れそうだった」


「作らないのか?」


カイが。


新しい弓を見る。


「今必要なのは、これだけだから」


食料は。


まだある。


今の防具も。


壊れてはいない。


DPにも。


限りがある。


必要になった時に。


作ればいい。


カイは。


《強化長弓》を。


背中へ掛けた。


船は。


その間にも。


新しい大地へ。


近づいていた。


◇


「カイ」


リシアの声。


カイが。


顔を上げる。


「見える」


船首へ。


全員が集まる。


海岸。


もう。


かなり近い。


長い砂浜。


少し離れた場所には。


岩に囲まれた。


小さな入江。


そして。


その奥。


海へ伸びる。


木の桟橋。


何艘もの。


小さな船。


「船がある」


レオンが言う。


ナタリーが。


岸を見る。


「誰か暮らしているな」


ガルドも。


頷く。


「そのようだ」


桟橋の周囲。


網。


木箱。


樽。


人が。


使っているもの。


間違いない。


ロウガが。


舵を切る。


「入江へ入る」


船が。


ゆっくり。


方向を変えた。


波が。


少しずつ穏やかになる。


その時。


桟橋にいた一人が。


こちらへ気づいた。


立ち上がる。


こちらを見る。


すぐに。


何かを叫んだ。


さらに。


二人。


三人。


人が集まってくる。


手には。


槍。


カイが。


その姿を見る。


青みを帯びた髪。


首元。


耳の後ろ。


光を反射する。


小さな鱗。


ガルドたちとは。


明らかに違う。


ナタリーが。


低い声で言う。


「武器を向けるな」


ガルドが。


火を消す。


レオンも。


剣から手を離した。


船が。


桟橋へ近づく。


一人の男が。


槍を構えた。


「そこで止まれ!」


ロウガが。


船の速度を落とす。


ナタリーが。


一歩前へ出た。


「争いに来たわけではない」


男は。


警戒したまま。


六人を見る。


最初に。


ナタリー。


レオン。


リシア。


次に。


ガルド。


ロウガ。


角。


鱗。


男の目が。


僅かに見開く。


そして。


最後。


カイ。


「何者だ」


ナタリーが。


答える。


「私はナタリー」


自分の耳を。


指で示す。


「エルフだ」


男の目が。


さらに細くなる。


「エルフ……?」


ガルドが続ける。


「俺はガルド」


隣を見る。


「こちらはロウガ」


「龍人族だ」


「龍人族……」


男は。


聞いたことのない言葉を。


確かめるように。


繰り返した。


最後。


カイを見る。


「お前は?」


「カイです」


一度。


間。


「人間です」


男は。


六人を見た。


種族。


三つ。


明らかに。


自分たちとは違う。


しばらく。


沈黙。


やがて。


男が言った。


「船を寄せろ」


槍は。


まだ。


下ろさない。


「ただし、勝手に進むな」


ナタリーが。


頷く。


「分かった」


ガルドが。


縄を取る。


船を。


桟橋へ固定した。


六人が。


一人ずつ降りる。


最後に。


カイ。


木の桟橋へ。


足を置く。


その瞬間。


視界に。


小さな文字。


――――――――――


《新たな大地へ到達しました》


――――――――――


カイは。


顔を上げた。


海の向こうから。


見ていた場所。


今。


その上に。


立っている。


◇


「俺はセルド」


槍を持った男が。


名乗った。


「この港を守っている」


ナタリーが。


頷く。


「私たちは海の向こうから来た」


セルドが。


後ろの海を見る。


「どこからだ」


ナタリーが。


自分たちが来た方向を見る。


「森に囲まれた大地だ」


ガルドも。


続ける。


「俺たちの故郷は、そこからさらに海を渡った火ノ島だ」


セルドの眉が。


僅かに寄る。


「火ノ島……」


知らない。


その反応だけで。


分かった。


カイが聞く。


「ここは何ていう場所なんですか?」


セルドが。


カイを見る。


「知らずに来たのか」


「はい」


「昨日までは」


カイが。


海を振り返る。


「俺たちの場所から、ここは見えなかったので」


セルドの表情が。


変わった。


「昨日?」


「大きく揺れましたよね」


カイが続ける。


「そのあと」


「この大地が見えるようになったんです」


セルドの横にいた男たちも。


顔を見合わせる。


「……そちらでも揺れたのか」


「はい」


セルドが。


海を見る。


少しして。


口を開く。


「ここは」


カイたちを見る。


「ネレイア大陸だ」


「ネレイア……」


カイが。


その名前を。


繰り返す。


「俺たちは、水人族」


セルドが。


自分の首元にある。


青銀色の鱗へ触れた。


「この大陸で暮らしている」


水人族。


カイは。


初めて見る種族を。


じっと見た。


「この先に」


セルドが。


木々の奥へ続く道を示す。


「リヴェル村がある」


「まずは村長に話を通す」


ナタリーが。


頷く。


「頼む」


セルドが。


さらに続ける。


「必要なら」


「水都《アクエリア》にも、知らせることになる」


「水都?」


カイが聞く。


「ああ」


セルドが。


大陸の奥を見る。


「この大陸の中心にある都だ」


アクエリア。


カイは。


その名前を。


頭の中で繰り返した。


新しい大陸。


新しい種族。


そして。


新しい街。


まだ。


知らないものばかり。


「昨日の揺れのあと」


セルドが続ける。


「こちらからも、海の向こうに見たことのない陸が見えるようになった」


ナタリーの目が。


僅かに動く。


「やはり」


「ああ」


セルドが。


海を見る。


「今まで、何もなかった場所だ」


火ノ島。


エルフの大地。


ネレイア大陸。


世界が。


何かによって。


繋がり始めている。


カイが。


口を開こうとした。


その時。


リシアが。


突然。


顔を上げた。


「待って」


ナタリーも。


ほぼ同時。


木々の向こうへ。


目を向けた。


「何だ?」


セルドが。


二人を見る。


だが。


返事はない。


カイも。


同じ方向を見る。


最初に。


見えたのは。


灰色。


一本。


煙が。


森の向こうから。


上がっている。


さらに。


もう一本。


その隣。


もう一本。


煙が。


次々と。


太くなっていく。


レオンが。


眉を寄せる。


「……火事か?」


セルドが。


振り返る。


その顔から。


血の気が引いた。


「……リヴェル?」


次の瞬間。


ドンッ――!


低い音。


地面が。


僅かに震えた。


森から。


鳥が。


一斉に飛び立つ。


そして。


煙の奥。


空へ。


黒。


一本の光が。


真っ直ぐ。


伸びた。


カイの身体が。


止まる。


「……あれ」


昨日。


見た。


黒い光。


ヴォルグが。


山で見たと言っていた。


あの光。


ナタリーも。


同じものを。


見ている。


ガルドの手が。


剣へ伸びた。


ロウガも。


表情が変わる。


セルドが。


叫んだ。


「鐘を鳴らせ!」


横にいた男が。


走り出す。


「港の者を集めろ!」


セルドが。


槍を握り直す。


「村へ向かう!」


カイは。


新しい弓を。


背中から取った。


ナタリー。


レオン。


リシア。


ガルド。


ロウガ。


五人も。


同じ方向を見る。


リヴェル村。


その上。


黒い光が。


空を染めていた。


――――――――――


【DP集計】


開始所持:2,689DP


海上戦闘・航海:+74DP


新大陸到達:+36DP


獲得:+110DP


強化長弓:−800DP


終了所持:1,999DP


――――――――――

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