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ドリームライド〜異世界創造、夢の旅〜  作者: 神谷 夢


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第25話 浄化

第25話 浄化


森へ入る。


先頭。


ナタリー。


その少し後ろ。


リシア。


カイ。


レオン。


後方には。


ガルド。


ロウガ。


二人は。


今日は狩るために来たわけではない。


カイたちの戦いを見るため。


ガルドが。


歩きながら言う。


「危険だと判断すれば手を出す」


「うん」


「それまでは」


カイを見る。


「自分たちでやれ」


「分かった」


カイは。


背中の弓へ触れる。


腰には。


ラグナリス。


《弓術 Lv.2》。


《剣術 Lv.2》。


今まで使ってきた弓。


今日。


覚えたばかりの剣。


どちらも。


自分の武器。


でも。


一つの戦いの中で。


どう使えばいいのか。


まだ。


分からない。


「カイ」


前。


リシアが。


足を止めた。


「何?」


「跡がある」


全員が。


止まる。


柔らかい土。


細長い蹄の跡。


その先。


低い枝の葉が。


食い千切られている。


カイが。


しゃがむ。


「鑑定」


――――――――――


《鑑定 Lv.3》


対象:獣の足跡


名称:灰駆鹿


状態:新しい


特徴:

高い敏捷性を持つ


――――――――――


「灰駆鹿」


レオンが。


足跡を見る。


「鹿か?」


ガルドが答える。


「ああ」


「この辺りにもいる」


カイが。


顔を上げる。


「強い?」


ガルドは。


少しだけ笑った。


「見れば分かる」


「またそれ?」


レオンが。


小さく笑う。


ナタリーが。


足跡を見る。


「新しい」


リシアも。


周囲を見る。


「近いな」


六人は。


跡を追う。


土。


折れた草。


低い位置に残る。


擦れた跡。


カイは。


一つずつ。


拾っていく。


少し進む。


途中。


足跡が。


大きく右へ曲がっている。


その先。


枝。


灰色の毛。


カイが。


指で摘む。


「まだ新しい」


リシアが。


前を見る。


「走ってはいない」


「うん」


カイも。


周囲を見る。


足跡。


食べられた葉。


折れた枝。


一つずつ。


繋げる。


どちらへ進んだのか。


どこで足を止めたのか。


以前より。


自然に分かる。


そこから。


さらに。


慎重に進む。


乾いた枝を避ける。


葉の少ない場所。


柔らかい土。


足を置く。


音を。


できるだけ立てない。


前。


ナタリーが。


片手を上げる。


全員が。


止まる。


木々の間。


灰色。


大きな身体。


頭には。


細く。


後方へ伸びる角。


足が。


長い。


普通の鹿より。


一回り大きい。


カイが。


意識を向ける。


「鑑定」


――――――――――


名称:灰駆鹿


分類:獣


LEVEL:17


特徴:

非常に高い脚力

急加速

高い方向転換能力


弱点:

胸部

首元


――――――――――


「LEVEL17」


レオンが。


小さく笑う。


「カイより上」


「分かってるよ」


灰駆鹿は。


まだ。


こちらに気づいていない。


カイが。


弓を取る。


矢。


番える。


《観察》。


首。


肩。


脚。


《予測》。


赤い線。


だが。


木が邪魔になる。


カイが。


少し右へ。


位置を変える。


灰駆鹿の耳が。


僅かに動いた。


「……」


止まる。


もう一歩。


今度は。


音を立てない。


視界。


赤い線。


胸。


「ここ」


弦を離す。


ヒュンッ――!


灰駆鹿が。


音に反応して。


地面を蹴った。


速い。


矢は。


胸から僅かに外れ。


肩へ。


ドッ!


「キィィッ!」


刺さった。


だが。


浅い。


灰駆鹿は。


そのまま。


一気に森の奥へ走り出した。


「速っ!」


レオンが。


目を見開く。


「追う!」


カイも。


すぐ地面を蹴った。


灰駆鹿。


右。


左。


細い木々の間を。


ほとんど速度を落とさず進んでいく。


カイの視界。


赤い線。


次。


右。


その先。


左。


「こっち!」


カイが。


先回りする。


レオン。


反対側。


リシアも。


少し広がる。


灰駆鹿が。


カイに気づく。


急停止。


方向転換。


その瞬間。


ナタリーの矢が。


前方の地面へ突き刺さった。


灰駆鹿が。


さらに。


進路を変える。


「カイ!」


「うん!」


カイが。


走りながら。


矢を番える。


一射。


ヒュンッ!


灰駆鹿が。


身体を捻る。


矢は。


脇腹を掠めた。


「外した!」


「まだ!」


レオンが。


左から走る。


灰駆鹿が。


また。


方向を変える。


だが。


最初より。


僅かに遅い。


肩に刺さった矢。


走り続けたことで。


少しずつ。


動きが鈍くなっている。


カイは。


息を整える。


《観察》。


脚。


肩。


頭。


《予測》。


赤い線。


灰駆鹿が。


大きく跳ぶ。


着地。


その瞬間。


左前脚が。


僅かに沈む。


「今!」


カイが。


放つ。


ドッ!


今度は。


胸。


灰駆鹿の身体が。


大きく揺れた。


それでも。


倒れない。


「まだ動くの!?」


灰駆鹿が。


再び。


走る。


だが。


明らかに。


速度が落ちている。


リシアが。


右へ回る。


レオン。


左。


逃げ道を。


少しずつ絞る。


灰駆鹿が。


カイへ向かってきた。


《予測》。


赤い線。


直前。


右へ。


カイが。


先に。


矢を引く。


灰駆鹿が。


方向を変えた。


その先。


首元。


「そこ!」


ヒュンッ――!


ドッ!


三本目。


深く。


刺さる。


灰駆鹿が。


数歩。


進む。


前脚が。


崩れた。


そのまま。


地面へ。


倒れる。


――――――――――


《灰駆鹿 Lv.17を討伐しました》


《LEVEL進行度:54% → 68%》


――――――――――


カイが。


ゆっくり息を吐く。


「……やっと」


レオンが。


近づいてくる。


「一発じゃ全然駄目だったな」


「うん」


カイは。


倒れた灰駆鹿を見る。


「弱点が分かっても」


「当てれば終わりってわけじゃないんだな」


ガルドが。


後ろから言う。


「当然だ」


カイが。


振り返る。


「LEVELが上なら」


ガルドが続ける。


「身体そのものも強い」


「弱点は」


「そこを狙えば有利というだけだ」


「……なるほど」


カイは。


小さく頷いた。


見える。


分かる。


それだけでは。


勝てない。


⸻


灰駆鹿を。


目印のある場所へ寄せる。


帰りに回収できるよう。


場所を覚える。


そこから。


さらに森の奥へ。


地面。


少しずつ。


硬くなる。


低木。


太い根。


そして。


木の幹。


一部が。


大きく削れている。


リシアが。


足を止める。


「これ」


幹。


低い位置。


泥。


黒い毛。


カイが。


近づく。


「鑑定」


――――――――――


名称:黒殻猪の体毛


状態:新しい


特徴:

非常に硬い体毛


――――――――――


「今度は猪」


レオンが。


辺りを見る。


「さっきと違うやつだな」


「ああ」


ガルドが言う。


「気をつけろ」


カイが。


ガルドを見る。


「灰駆鹿より?」


「強い」


「そこは教えてくれるんだ」


少し進む。


その時。


ドンッ――!


鈍い音。


前方。


木が。


大きく揺れた。


木の陰。


黒い。


大きな身体。


太い首。


短い脚。


全身を覆う体毛は。


毛というより。


硬い針。


その頭には。


上へ反った。


二本の牙。


「鑑定」


――――――――――


名称:黒殻猪


分類:獣


LEVEL:18


特徴:

硬質体毛

高い突進力

正面からの攻撃に強い


弱点:

脇腹

前脚付け根


――――――――――


「LEVEL18」


黒殻猪が。


地面を。


前脚で掻く。


「来るぞ」


ナタリーの声。


次の瞬間。


ドンッ!


一気に。


突進。


レオン。


右へ。


リシア。


左。


カイも。


横へ飛ぶ。


黒殻猪が。


そのまま。


木へ。


ドゴッ!


太い木。


幹が揺れる。


だが。


黒殻猪は。


何事もなかったように。


すぐ向きを変えた。


カイが。


弓を構える。


一射。


カンッ!


肩。


弾かれる。


「やっぱり硬い!」


もう一射。


今度は。


脇腹。


ドッ!


刺さる。


だが。


浅い。


黒殻猪が。


頭を振る。


そのまま。


カイへ。


「来る!」


赤い線。


突進。


カイが。


弓を背へ。


腰。


ラグナリス。


抜く。


黒殻猪。


迫る。


《観察》。


肩。


脚。


牙。


《予測》。


カイが。


ぎりぎりまで待つ。


一歩。


外。


黒殻猪が。


横を通る。


その瞬間。


脇腹。


ラグナリス。


横薙ぎ。


ザンッ!


硬い。


それでも。


刃は入る。


「ブオォッ!」


黒殻猪が。


身体を振る。


カイが。


後ろへ。


「浅い……!」


剣なら。


通る。


でも。


一撃では。


全然足りない。


黒殻猪が。


また。


向きを変える。


今度は。


レオンが前へ出た。


「こっちだ!」


「レオン!」


「動かす!」


黒殻猪が。


レオンへ。


突進。


レオンが。


横へ。


かわす。


その瞬間。


脇腹が。


カイへ向く。


「今!」


カイが。


踏み込む。


同じ傷。


一撃。


ザンッ!


さらに。


もう一歩。


二撃目。


ザシュッ!


「ブオォォッ!」


黒殻猪が。


大きく身体を振る。


尾。


カイへ。


「っ!」


《予測》。


剣を立てる。


ドンッ!


強い衝撃。


身体が。


数歩。


後ろへ押される。


腕が。


痺れる。


「カイ!」


「大丈夫!」


黒殻猪は。


まだ。


動く。


前脚。


付け根。


カイが。


そこを見る。


「もう一回……!」


黒殻猪が。


カイへ。


一直線。


受けるのは。


無理。


カイが。


横へ。


かわす。


その瞬間。


レオンが。


反対側から。


黒殻猪の肩へ。


身体をぶつけた。


「うおっ!」


巨体が。


僅かに。


傾く。


「重っ!」


でも。


それで十分。


カイが。


ラグナリスを。


前脚の付け根へ。


斜め下から。


振り込む。


ザシュッ!


今までで。


一番深い。


「ブオォォォッ!」


前脚が。


大きく崩れる。


黒殻猪が。


地面へ。


片膝をつく。


それでも。


立ち上がろうとする。


「まだ!?」


レオンが。


目を見開く。


カイは。


剣を鞘へ。


弓。


矢。


番える。


倒れかけた。


黒殻猪。


首の下。


硬い体毛の間。


僅かな隙間。


《観察》。


《予測》。


「そこ!」


放つ。


ドッ!


深く。


刺さる。


黒殻猪が。


大きく暴れる。


まだ。


終わらない。


カイが。


二本目。


だが。


黒殻猪が。


頭を振る。


矢。


肩。


浅い。


「外れた!」


リシアが。


反対側から。


矢を放つ。


前脚。


さっきの傷。


ドッ!


身体が。


さらに沈む。


「カイ!」


「うん!」


カイが。


三本目。


今度は。


急がない。


頭。


首。


肩。


全部。


見る。


黒殻猪が。


顔を上げる。


首の下。


開く。


赤い線。


「今!」


ヒュンッ――!


ドッ!!


深く。


突き刺さる。


黒殻猪が。


数秒。


身体を震わせる。


やがて。


完全に。


力が抜けた。


ドサッ――。


――――――――――


《黒殻猪 Lv.18を討伐しました》


《LEVEL進行度:68% → 84%》


――――――――――


「……強かった」


カイが。


息を整える。


レオンも。


隣で。


肩を回す。


「俺まで疲れた」


「助かった」


「だろ?」


カイは。


黒殻猪を見る。


弓だけでは。


通らなかった。


剣だけでも。


倒しきれなかった。


傷をつけ。


動きを落とし。


最後は。


弓。


「なんか」


レオンが見る。


「何?」


「面白い」


「何が?」


「弓と剣」


カイは。


背中。


腰。


二つを見る。


「どっちかだけじゃなくて」


「相手によって変えられる」


レオンが。


少し笑う。


「剣覚えたばっかのやつが言うことじゃないけどな」


「それはそう」


カイも。


笑った。


その時。


ナタリーの表情が。


変わった。


「静かに」


全員が。


止まる。


ナタリーは。


周囲を見る。


「見られている」


カイも。


周囲へ視線を向ける。


木。


草。


岩。


何も。


見えない。


だが。


その時。


右。


赤褐色。


一瞬。


動いた。


「いた!」


カイが。


弓を構える。


だが。


もう。


そこにはいない。


ガルドが。


静かに言った。


「紅尾豹だ」


「豹?」


「速いぞ」


ロウガも。


周囲を見る。


「灰駆鹿よりもな」


ガサッ!


左。


全員が振り向く。


赤褐色の身体。


一瞬だけ。


木の間。


長い尾。


先端だけ。


鮮やかな赤。


次の瞬間。


消える。


「速……」


カイが。


《鑑定》。


――――――――――


名称:紅尾豹


分類:魔獣


LEVEL:19


特徴:

高速移動

急激な方向転換

高い跳躍力

死角からの奇襲を得意とする


弱点:

腹部

喉元


――――――――――


「LEVEL19」


レオンが。


周囲を見る。


「どこ行った?」


カイも。


探す。


枝。


葉。


影。


その時。


《予測》。


赤い線。


後ろ。


「レオン!」


「え?」


上。


木。


紅尾豹。


飛び降りる。


「っ!」


レオンが。


咄嗟に横へ。


爪が。


地面を抉る。


紅尾豹は。


着地した瞬間。


もう。


次の動き。


カイが。


弓を引く。


放つ。


ヒュンッ!


外れる。


紅尾豹は。


木を蹴る。


方向を変える。


ナタリー。


一射。


かわす。


リシア。


もう一射。


また。


かわす。


「速すぎる!」


レオンが。


剣を構える。


紅尾豹が。


一気に。


その距離を詰める。


レオンが。


受ける。


ガキッ!


爪。


剣。


次。


もう片方。


レオンが。


身体を引く。


紅尾豹は。


追わない。


すぐ。


離れる。


近づく。


離れる。


また。


死角へ。


カイは。


弓を構えたまま。


見る。


《観察》。


《予測》。


赤い線。


だが。


線が。


次々に変わる。


正面。


右。


左。


上。


「……読みにくい」


弱点は。


見えている。


でも。


見えているからといって。


当てられるわけじゃない。


紅尾豹が。


カイを見る。


来る。


「カイ!」


一気に。


距離。


ゼロ。


弓では。


間に合わない。


カイが。


弓を背へ。


ラグナリス。


抜く。


ガキンッ!


爪を。


剣で受ける。


「っ!」


身体が。


後ろへ。


紅尾豹が。


さらに。


噛みつく。


赤い線。


カイが。


剣を傾ける。


牙が。


刀身を滑る。


腹。


開く。


カイが。


横へ斬る。


ザンッ!


入った。


だが。


浅い。


紅尾豹が。


身体を捻る。


尾。


ブンッ!


カイが。


後ろへ飛ぶ。


距離が。


開いた。


すぐに。


弓。


一射。


外れる。


二射目。


着地する先。


《予測》。


放つ。


ドッ!


矢が。


後脚へ刺さる。


「ギャァッ!」


初めて。


紅尾豹の動きが。


僅かに崩れた。


でも。


止まらない。


また。


木の陰へ。


右。


リシアの矢。


紅尾豹が。


跳ぶ。


着地。


レオンが。


剣で進路を塞ぐ。


「こっちだ!」


紅尾豹が。


レオンへ。


爪。


一撃。


二撃。


レオンが。


受ける。


三撃目。


身体が。


僅かに崩れる。


「レオン!」


カイが。


弓を引く。


腹。


見える。


放つ。


ドッ!


刺さる。


浅い。


紅尾豹が。


カイへ。


向きを変える。


「グルルル……」


そのまま。


一直線。


カイ。


弓を引く。


放つ。


肩。


刺さる。


それでも。


止まらない。


弓。


背へ。


剣。


抜く。


ガキン――!


爪。


受ける。


牙。


身体を外へ。


かわす。


剣。


腹。


ザシュッ!


今度は。


少し深い。


紅尾豹が。


大きく吠える。


だが。


反撃。


前脚。


赤い線。


カイが。


かわしきれない。


爪が。


服を掠める。


布が。


裂けた。


「っ!」


カイが。


後ろへ。


距離を取る。


皮膚までは。


ほとんど届いていない。


「危な……」


ガルドが。


一歩。


前へ出かける。


カイが。


手を上げた。


「大丈夫!」


ガルドが。


止まる。


紅尾豹。


息。


最初より。


荒い。


後脚。


矢。


肩。


矢。


腹。


ラグナリスの傷。


確実に。


効いている。


でも。


まだ。


戦える。


「長いな……」


カイが。


小さく息を吐く。


レオンが。


横へ並ぶ。


「格上だぞ」


「うん」


「簡単に終わるわけないだろ」


「……そうだね」


紅尾豹が。


再び。


姿を消す。


カイも。


すぐには追わない。


《観察》。


枝。


葉。


風。


左。


葉が。


僅かに揺れる。


でも。


《予測》の赤い線は。


右。


「……そっちか」


カイが。


右を見る。


「右!」


紅尾豹が。


木の陰から。


飛び出す。


ナタリー。


矢。


ドッ!


脇腹。


刺さる。


紅尾豹が。


身体を捻る。


その先。


リシア。


もう一射。


肩。


命中。


「今!」


カイが。


弓を引く。


だが。


紅尾豹が。


カイへ飛ぶ。


近い。


弓を。


背へ。


ラグナリス。


抜く。


爪。


ガキン!


牙。


流す。


剣。


腹。


ザンッ!


さらに。


もう一撃。


同じ場所。


ザシュッ!


「ギャァァッ!」


紅尾豹が。


大きく。


後ろへ跳ぶ。


カイも。


追わない。


剣。


鞘。


弓。


もう。


考えていなかった。


遠いなら。


弓。


近いなら。


剣。


どちらか。


ではない。


使える方を。


その時。


使えばいい。


矢。


番える。


紅尾豹。


木を蹴る。


右。


左。


また。


右。


一射。


外れる。


二射目。


進む先。


ドッ!


脇腹。


命中。


動きが。


明らかに鈍る。


レオンが。


横から。


進路を塞ぐ。


紅尾豹が。


方向を変える。


脚。


一瞬。


崩れる。


最初に。


後脚へ刺した矢。


まだ。


残っている。


「効いてる……」


紅尾豹が。


もう一度。


カイを見る。


息。


荒い。


腹。


血。


脚。


動き。


最初とは。


明らかに違う。


それでも。


逃げない。


地面を蹴る。


カイは。


弓を構えた。


《観察》。


肩。


脚。


頭。


《予測》。


赤い線。


まだ。


速い。


だが。


最初ほど。


何度も変わらない。


右。


左。


中央。


紅尾豹が。


跳ぶ。


カイが。


矢を放つ。


ヒュンッ――!


紅尾豹が。


身体を捻る。


矢。


腹。


浅く刺さる。


まだ。


止まらない。


距離。


一気に縮まる。


弓。


背へ。


剣。


抜く。


ガキン!


爪。


受ける。


流す。


もう片方の前脚。


赤い線。


身体を沈める。


爪が。


頭上を通る。


そのまま。


一歩。


踏み込む。


腹。


すでに。


何本もの傷。


そこへ。


ラグナリス。


斜めに。


振り抜く。


ザシュッ――!


深い。


紅尾豹が。


地面へ。


転がる。


「ギャァッ……!」


それでも。


起き上がろうとする。


カイは。


後ろへ。


距離を取る。


剣。


鞘。


弓。


矢。


番える。


紅尾豹。


立ち上がる。


だが。


脚が。


震えている。


呼吸も。


荒い。


最初から。


何度も。


矢を受け。


剣で斬られ。


動き続けてきた。


もう。


同じ速さではない。


カイが。


弓を引く。


《観察》。


《予測》。


赤い線。


一点。


喉元。


紅尾豹が。


最後の力で。


地面を蹴る。


一歩。


二歩。


距離。


縮まる。


赤い線。


変わらない。


「そこ!」


指を離す。


ヒュンッ――!


ドッ!!


矢が。


喉元へ。


深く。


突き刺さる。


紅尾豹の身体が。


前へ。


数歩。


進む。


そして。


力が抜けた。


ドサッ――!


森が。


静かになった。


カイは。


しばらく。


弓を構えたまま。


動かなかった。


紅尾豹。


動かない。


ようやく。


弓を下ろす。


「……倒した」


レオンが。


大きく息を吐く。


「長かったな」


「うん」


カイも。


息を整える。


背中。


弓。


腰。


ラグナリス。


最後の方。


どちらを使うか。


考えていなかった。


必要な方を。


ただ。


使っていた。


「どっちかじゃないんだ」


レオンが。


見る。


「何が?」


「弓と剣」


カイが。


少し笑う。


「両方使えばいい」


その直後。


視界に。


表示が浮かんだ。


――――――――――


《紅尾豹 Lv.19を討伐しました》


《LEVEL進行度:84% → 104%》


――――――――――


身体が。


光に包まれる。


「……来た」


――――――――――


《LEVEL UP》


神谷 海


Lv.14 → Lv.15


《LEVEL BONUS》


最大HP +5


全ステータス +1


SP +3


《余剰分繰越》


LEVEL進行度:4%


――――――――――


「十五……!」


身体の奥。


力が。


広がっていく。


いつもの。


LEVEL UP。


その時。


視界に。


新しい表示が浮かんだ。


――――――――――


《WORLD PHASE4へ移行します》


――――――――――


カイの表情が。


変わる。


「……来た」


以前も。


WORLD PHASEが進んだ時。


この世界には。


大きな変化が起きた。


カイが。


周囲を見る。


「次は」


小さく。


息を呑む。


「何が起きるんだ……」


その直後。


ゴゴゴゴゴ――。


地面が。


大きく揺れた。


「っ!?」


カイが。


足を踏ん張る。


木々が。


一斉に。


揺れる。


枝。


葉。


地面。


森全体が。


震えている。


「地震!?」


リシアが。


近くの木へ。


手をつく。


レオンも。


姿勢を低くする。


「でかいぞ……!」


ナタリーが。


周囲を見る。


ガルド。


ロウガも。


揺れる地面の上で。


足を広げる。


ゴゴゴゴゴ――。


揺れは。


さらに。


強くなる。


地面の石が。


跳ねる。


遠く。


森の奥から。


何かが崩れるような。


低い音。


「カイ!」


ナタリーが。


声を上げる。


だが。


その視線は。


地面ではない。


上。


空。


カイも。


顔を上げる。


「……何だ」


木々の隙間。


空。


そこに。


光が。


広がっていた。


白。


淡い。


金色を帯びた。


聖なる光。


雲の向こうから。


差しているのではない。


空そのものが。


光に。


覆われていく。


「綺麗……」


リシアが。


小さく呟く。


だが。


次の瞬間。


レオンが。


反対側を見る。


「おい」


その声が。


低くなる。


「……あれ」


カイも。


見る。


反対の空。


黒。


そこにも。


光があった。


暗闇ではない。


黒い。


光。


周囲の明るさを。


飲み込むように。


ゆっくり。


広がっていく。


白。


金。


聖なる光。


そして。


黒の光。


二つが。


空を。


大きく覆っていく。


森。


山。


さらに。


その先まで。


どこまで続いているのか。


分からない。


ガルドが。


空を見上げたまま。


動かない。


ロウガも。


同じ。


誰も。


言葉を出さない。


ゴゴゴゴゴ――。


もう一度。


大地が。


大きく揺れる。


やがて。


少しずつ。


揺れが。


弱くなっていく。


止まる。


だが。


空は。


元には戻らない。


聖なる光。


黒の光。


二つが。


世界を。


覆ったまま。


ゆっくり。


揺らめいている。


カイは。


しばらく。


空を見ていた。


「これが」


小さく。


呟く。


「今回のWORLD PHASEは……?」


答えは。


出ない。


だが。


カイには。


分かっていた。


また。


世界が。


何かを。


変え始めている。


そして。


――――――――――


《LEVEL 15到達》


《これまでの行動・戦闘経験を反映します》


――――――――――


次々に。


文字が浮かぶ。


――――――――――


《SKILL LEVEL UP》


《観察 Lv.1 → Lv.2》


《弓術 Lv.2 → Lv.3》


《剣術 Lv.2 → Lv.3》


《狩猟 Lv.2 → Lv.3》


《追跡 Lv.2 → Lv.3》


《静音歩行 Lv.1 → Lv.2》


――――――――――


「一気に……」


レオンが。


カイを見る。


「何が?」


「今まで使ってきたスキル」


カイも。


表示を追う。


「まとめて上がった」


さらに。


別の表示。


――――――――――


《複合戦闘条件を達成しました》


《弓術》

《剣術》


《新規SKILLを獲得しました》


《弓剣 Lv.1》


――――――――――


「弓剣……」


レオンが。


首を傾げる。


「何だそれ?」


「弓と剣を」


カイが。


背中。


腰。


二つを見る。


「切り替えて戦うスキルみたい」


レオンが。


少し笑う。


「そのままだな」


「俺も思った」


ガルドは。


カイを見ていた。


「剣術は?」


「三」


レオンが。


すぐに振り返る。


「もう三!?」


カイが。


頷く。


「うん」


「朝まで持ってなかったよな?」


「なかった」


レオンが。


ガルドを見る。


「これ普通?」


ガルドは。


すぐに首を横に振った。


「普通ではない」


ロウガも。


カイを見る。


「数時間前まで」


「剣の構えすら知らなかった」


ガルドが。


ラグナリスへ目を向ける。


「二になった時も驚いたが」


「実戦で三まで上げたか」


カイは。


少しだけ。


照れたように笑う。


「でも」


ガルドを見る。


《剣術 Lv.6》。


それは。


カイがすでに知っている。


「まだガルドには全然届かない」


「ああ」


ガルドは。


否定しなかった。


その代わり。


僅かに。


口元を緩める。


「だから」


カイを見る。


「まだまだできる」


カイが。


笑う。


「うん」


そして。


さらに。


新しい表示。


――――――――――


《複数属性適性を確認しました》


《光属性》


《炎属性》


《属性適性ボーナス》


最大MP +30


――――――――――


「MP……」


カイの目が。


大きくなる。


六十。


それまで。


変わらなかった最大MP。


一気に。


九十。


続けて。


――――――――――


《炎属性の使用条件を達成しました》


《炎魔法 Lv.1を習得しました》


――――――――――


「炎魔法……!」


ガルドの表情が。


変わる。


「使えるようになったのか」


「多分」


カイは。


右手を見る。


炎。


頭の中で。


思い浮かべる。


すると。


掌。


小さな。


赤い炎。


その中心。


白。


「……出た」


レオン。


リシア。


ナタリー。


全員が。


カイの手を見る。


ガルド。


ロウガは。


それ以上に。


強く。


炎を見つめていた。


ガルドが。


自分の掌へ。


火を出す。


赤い。


いつもの。


龍人族の火。


並べる。


違う。


色。


揺れ方。


そして。


カイの炎だけにある。


白い光。


ガルドが。


ゆっくり頷いた。


「炎だ」


「ラグニル様が使ったっていう?」


「ああ」


カイは。


自分の炎を見る。


祭壇で。


一度だけ。


身体を包んだもの。


今は。


自分の意思で。


出せている。


その瞬間。


腰。


ラグナリスが。


強く光った。


「え?」


炎を消す。


ラグナリスを。


抜く。


刀身。


白。


赤。


二つの筋が。


強く輝く。


そして。


新しい表示。


――――――――――


《光焔剣《ラグナリス》が適合条件を満たしました》


《装備効果を解放しました》


《固有能力《浄化》を解放しました》


――――――――――


「装備……効果?」


カイが。


ラグナリスを見る。


「鑑定」


――――――――――


名称:光焔剣《ラグナリス》


分類:伝説武器


属性:

《光》

《炎》


適合属性:

《光》

《炎》


装備補正


筋力 +5

敏捷 +3

器用 +5

精神 +5

最大MP +20


固有能力


《浄化》

《???》

《???》

《???》


――――――――――


「……え?」


カイが。


表示を見直す。


筋力。


敏捷。


器用。


精神。


さらに。


MP。


「これ」


レオンが。


聞く。


「どうした?」


「ラグナリスを装備してると」


「身体も強くなるみたい」


「剣で?」


「うん」


レオンが。


ラグナリスを見る。


「伝説の剣ってすごいな……」


「俺も今知った」


カイは。


剣を握る。


その瞬間。


分かる。


さっきまでと。


違う。


腕。


脚。


身体。


剣を持つ手。


全てが。


僅かに。


軽い。


いや。


軽いだけではない。


力が。


通る。


試しに。


一度。


ラグナリスを振る。


ブンッ――!


空気を裂く音。


カイ自身が。


目を見開く。


「全然違う……」


ガルドも。


その一振りを見る。


「剣が」


一度。


言葉を切る。


「お前に応え始めたようだな」


カイが。


ラグナリスを見る。


祭壇で。


手にした時。


確かに。


自分を選んだように感じた。


でも。


あの時は。


まだ。


使える力がなかった。


光。


そして。


炎。


二つが揃った。


今。


ようやく。


ラグナリスが。


本当の武器として。


動き始めた。


カイが。


残る三つ。


《???》。


意識を向ける。


――――――――――


閲覧条件を満たしていません


――――――――――


「まだある……」


レオンが。


また見る。


「何が?」


「能力」


カイが。


剣を見る。


「浄化以外に」


「まだ三つ」


「何ができる?」


「分かんない」


ロウガが。


カイを見る。


「今はそれでいい」


「何で?」


「使えるようになった力すら」


ラグナリスを見る。


「まだ一度も使っていない」


ガルドも。


頷く。


「一つずつ覚えろ」


「……うん」


カイは。


ラグナリスを。


鞘へ戻した。


⸻


少し休む。


カイは。


木の根元へ座った。


自分の。


STATUSを開く。


――――――――――


STATUS


神谷 海


LEVEL:15


HP:170 / 170


MP:90 / 90


筋力:31

体力:30

敏捷:39

器用:24

知力:24

感知:32

精神:24


LEVEL進行度:4%


未使用SP:21


――――――――――


そして。


ラグナリスの補正。


――――――――――


《ラグナリス装備補正》


最大MP +20

筋力 +5

敏捷 +3

器用 +5

精神 +5


――――――――――


装備中。


今の自分は。


――――――――――


HP:170 / 170

MP:110 / 110


筋力:36

体力:30

敏捷:42

器用:29

知力:24

感知:32

精神:29


――――――――――


「……かなり上がってる」


でも。


それとは別に。


未使用SP。


二十一。


ずっと。


残してきた。


最初は。


何を伸ばせばいいのか。


分からなかった。


でも。


今は違う。


弓。


剣。


光。


炎。


自分が。


使いたいものが。


はっきりしている。


カイは。


敏捷を見る。


基礎で。


三十九。


ラグナリスを装備すれば。


四十二。


今でも。


十分高い。


感知。


三十二。


《観察》。


《予測》。


今の戦い方には。


役立っている。


その下。


器用。


二十四。


紅尾豹との戦い。


弓。


剣。


何度も。


切り替えた。


もっと。


速く。


もっと。


自然に。


動かせたら。


「まず」


器用へ。


意識を向ける。


――――――――――


器用


24 → 31


消費SP:7


――――――――――


残り。


十四。


次。


筋力。


黒殻猪。


紅尾豹。


ラグナリスを振った時。


もっと。


力があれば。


――――――――――


筋力


31 → 35


消費SP:4


――――――――――


残り。


十。


近距離。


剣。


これまでより。


相手の近くで。


戦うことが増える。


――――――――――


体力


30 → 33


消費SP:3


――――――――――


残り。


七。


光。


炎。


二つの属性。


カイは。


知力。


精神。


二つを見る。


――――――――――


知力


24 → 28


消費SP:4


精神


24 → 27


消費SP:3


――――――――――


《SP振り分け完了》


未使用SP:0


――――――――――


基礎STATUS。


――――――――――


神谷 海


LEVEL:15


HP:170 / 170


MP:90 / 90


筋力:35

体力:33

敏捷:39

器用:31

知力:28

感知:32

精神:27


LEVEL進行度:4%


未使用SP:0


――――――――――


そして。


ラグナリス装備中。


――――――――――


《EQUIPPED STATUS》


HP:170 / 170

MP:110 / 110


筋力:40

体力:33

敏捷:42

器用:36

知力:28

感知:32

精神:32


――――――――――


カイは。


ラグナリスを。


もう一度抜いた。


一度。


振る。


ブンッ――!


さっきより。


さらに。


違う。


「……すご」


朝。


初めて。


剣を握った。


その時とは。


比べものにならない。


ガルドが。


その動きを見る。


「変わったな」


「うん」


カイも。


ラグナリスを見る。


「かなり」


「なら」


ガルドが言う。


「次の修練で見せろ」


カイが。


笑う。


「うん」


⸻


灰駆鹿。


黒殻猪。


紅尾豹。


三頭。


処理を終える。


帰るため。


森を歩き始めた。


カイは。


何度か。


ラグナリスへ触れる。


《浄化》。


使えるようになった。


その言葉を。


頭の中で。


繰り返す。


浄化。


汚れたものを。


綺麗にする。


その時。


一つ。


頭に浮かんだ。


「……あ」


ナタリーが。


振り返る。


「どうした?」


「川」


「川?」


「ラグニル川」


カイは。


足を止めた。


ガルドたちも。


止まる。


「火晶毒」


カイが。


ラグナリスを見る。


「今は」


「川の水を使わないようにしてるだけだよね」


ガルドが。


頷く。


「ああ」


「火晶石を入れることは止まった」


ロウガが続ける。


「だが」


「すでに溶けた毒は」


「すぐには消えん」


「だよね」


カイは。


ラグナリスの柄を握る。


「だったら」


ナタリーが。


カイを見る。


「《浄化》か」


「うん」


カイが。


頷く。


「使えるかもしれない」


ガルドが。


少し考える。


「行ってみるか」


「うん」


六人は。


帰路を変えた。


ラグニル川へ。


⸻


しばらく歩く。


木々の間。


水の音。


ラグニル川。


見た目は。


変わらない。


透明。


綺麗な水。


底の石まで。


はっきり見える。


だが。


カイは。


知っている。


ここには。


まだ。


火晶毒がある。


川辺へ。


しゃがむ。


水へ。


意識を向ける。


「鑑定」


――――――――――


名称:ラグニル川の水


状態:汚染


含有:《火晶毒》


濃度:低濃度


特記事項:

原因物質の流入停止により濃度低下中


――――――――――


「まだある」


ガルドが。


川を見る。


「でも」


カイは。


表示を見る。


「前より薄くなってる」


レオンが。


川へ近づく。


「このままでもいつか消える?」


「多分」


カイが答える。


「でも」


立ち上がる。


「いつ全部なくなるかは分かんない」


ラグナリスを。


抜く。


刀身。


白。


赤。


二つの筋。


カイは。


川を見る。


「試してみる」


ナタリーが。


少し近づく。


「大丈夫なのか?」


「分かんない」


レオンが。


横から見る。


「またそれか」


カイが。


少し笑う。


「でも」


ラグナリスを見る。


「《浄化》だから」


「悪くはならないと思う」


「結構適当だな」


「じゃあやめる?」


「いや」


レオンが。


すぐ答える。


「見たい」


「でしょ」


カイが。


川辺へ。


一歩。


近づく。


ラグナリスの。


剣先を。


水へ。


ゆっくり。


触れさせた。


「《浄化》」


その瞬間。


刀身。


白い光。


続いて。


赤い炎。


二つが。


重なる。


「っ……!」


カイが。


思わず。


剣を握り直す。


光が。


剣先から。


水へ。


広がった。


白。


その中に。


赤い炎。


なのに。


水は。


熱くならない。


湯気も。


出ない。


光だけが。


流れに沿って。


進んでいく。


上流。


下流。


川底。


石の隙間。


細い光が。


枝分かれするように。


広がっていく。


「……すご」


レオンが。


小さく呟く。


ナタリーも。


リシアも。


言葉を出さない。


ガルド。


ロウガも。


川を見つめている。


光は。


しばらく。


水の中を流れ続けた。


やがて。


少しずつ。


薄くなる。


消える。


川は。


元と同じ。


透明な水。


見た目だけなら。


何も変わっていない。


カイは。


剣を上げる。


すぐに。


川を見る。


「鑑定」


――――――――――


名称:ラグニル川の水


状態:清浄


《火晶毒》:検出なし


飲用:可能


――――――――――


カイの目が。


大きくなる。


「……消えた」


ガルドが。


一歩近づく。


「本当か?」


「うん」


カイが。


笑う。


「火晶毒」


「なくなってる」


一瞬。


誰も。


何も言わなかった。


次。


レオンが。


声を上げた。


「やったじゃん!」


「うん!」


カイも。


思わず笑う。


リシアが。


しゃがむ。


水を。


手ですくう。


カイが。


慌てて言う。


「待って!」


「鑑定したんだろ」


「したけど」


「飲めると出た?」


「うん」


リシアが。


そのまま。


水を飲む。


「……普通だ」


レオンが。


呆れる。


「お前本当に迷わないな」


「飲めると言った」


「カイがな」


「鑑定が言った」


「同じだろ」


カイが。


笑う。


ガルドは。


川を見ていた。


長い間。


何も言わない。


そして。


ゆっくり。


カイを見る。


「これで」


「また五つの集落が」


「この川を使える」


「うん」


「病に倒れた者たちも」


カイが続ける。


「もう新しく毒を入れなければ」


「大丈夫だと思う」


ガルドが。


深く。


頭を下げた。


「ありがとう」


カイが。


少し驚く。


「ガルド?」


「火ノ島の者として」


ガルドは。


頭を上げる。


「礼を言う」


カイが。


少し照れたように笑う。


「俺だけじゃないよ」


月白草。


ガルド。


ロウガ。


ナタリー。


レオン。


リシア。


ミラ。


みんなが。


動いた。


それでも。


目の前の川。


もう。


毒はない。


カイは。


ラグナリスを見る。


《浄化》。


本当に。


汚れを。


消した。


その言葉を。


頭の中で。


もう一度。


思う。


浄化。


その時。


カイの表情が。


止まった。


昨日。


見たもの。


――――――――――


《闇の種 Lv.2》


――――――――――


「……待って」


ナタリーが。


カイを見る。


「どうした?」


カイは。


ラグナリスを見る。


それから。


ガルド。


「ヴォルグ」


ガルドの表情が。


変わる。


「何?」


「これ」


カイが。


ラグナリスを持ち上げる。


「ヴォルグにも」


少し。


言葉を探す。


「使えないかな」


全員が。


カイを見る。


「《闇の種》に?」


ナタリーが聞く。


「うん」


「分かんないけど」


カイは。


川を見る。


「火晶毒は消せた」


昨日。


ヴォルグを。


目の前にして。


何もできなかった。


でも。


今は。


違う。


ラグナリスは。


応えてくれる。


「闇の種にも」


「効くかもしれない」


ガルドは。


少しの間。


黙っていた。


そして。


頷く。


「行こう」


「うん」


カイが。


ラグナリスを。


鞘へ戻す。


六人は。


ラグニル川を離れた。


向かう先。


ラザン大長老。


そして。


そのもとにいる。


ヴォルグ。


カイは。


歩きながら。


腰のラグナリスへ触れた。


昨日。


何もできなかった。


《闇の種 Lv.2》。


今なら。


何か。


できるかもしれない。


カイは。


少し。


歩く速度を上げた。


⸻


【DP集計】


開始所持:1,993DP


獲得:+154DP


消費:0DP


終了所持:2,147DP


⸻


【神谷 海 現在】


LEVEL:15


LEVEL進行度:4%


未使用SP:0


所持DP:2,147


属性:

《光》

《炎》


【基礎STATUS】


HP:170 / 170

MP:90 / 90


筋力:35

体力:33

敏捷:39

器用:31

知力:28

感知:32

精神:27


【ラグナリス装備補正】


最大MP +20

筋力 +5

敏捷 +3

器用 +5

精神 +5


【装備時STATUS】


HP:170 / 170

MP:110 / 110


筋力:40

体力:33

敏捷:42

器用:36

知力:28

感知:32

精神:32


SKILL


《予測 Lv.3》

《観察 Lv.2》

《鑑定 Lv.3》


《弓術 Lv.3》

《剣術 Lv.3》

《弓剣 Lv.1》


《狩猟 Lv.3》

《追跡 Lv.3》

《静音歩行 Lv.2》

《方位確認 Lv.1》


《工作 Lv.1》

《ロープワーク Lv.1》


《光魔法 Lv.1》

《炎魔法 Lv.1》

《治癒 Lv.2》


EQUIPMENT


光焔剣《ラグナリス》


装備補正


筋力 +5

敏捷 +3

器用 +5

精神 +5

最大MP +20


固有能力


《浄化》

《???》

《???》

《???》


一部能力:閲覧条件未達

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