#7-8 過ぎた心配性
ん?
「はい。……はい?」
海美?え、海美?海美の様子?えーー、と
「どうって、どういう……?」
「何か心配なところはないか」
「心配??」
何だ?何の話だ?心配なこと?ない。全くない。え、いや、まじでないんだけど。変な緊張が走る。何かあったかな……強いて言うならちょっと天然ストレートをキメすぎて外にいた頃周りからドン引かれてなかったかくらいだ。
「元気にやっているのか?」
「は、はぁ。元気です」
「以前の命令違反で落ち込んでいる様子は?」
「特には」
「この閉鎖空間で生活に不自由は」
「たまに迷子になってるくらいです」
「食事は取れているか?」
「朝と夜は一緒に食べてます。時間が合えば昼も。今日の朝も一緒に個室でとりました」
「……お前の部屋に?」
「はい」
「2人で?」
「龍斗さんもいます」
「他には」
「あの区域は俺たち以外居ないんで」
はあぁぁぁあああと大きなため息をつかれる。え、何?何この質問攻め?怒涛の勢いにリズム良く答えたけど何か間違えた?
「成人の男2人のところに未成年の女子連れて来るか?普通」
「3人で食べたいって言い出したの、海美です」
「変なもの食わせてないだろうな」
「してませんよ。多分」
「変な気も起こしてないだろうな」
「起こしてないです!絶対」
ドラマの恋愛は面白いけど現実ではそういうことに興味ない。てかそういう対象として見たことない。手のかかる妹みたいな感じだし、特別な感情なんて感じる前に頭によぎったことすらない。
というか、さっきから何なんだ?俺は何の質問を受けているんだ?普段のきっちりカッチリした雰囲気は無いし、何か母親みたいな心配してるし……いつものあの厳格な長官っぽくないんだけど?
「あの、何の質問ですか?これ」
「鮫島家からの連絡だ。娘の様子を逐一報告してほしいとな」
「それなら毎朝のメディカルチェックを報告してますよね?」
「そうだな」
「………え、いや、だからなんで今の質問あったんですか?」
「直接聞き取りたいことは以上だ。忙しいところ悪かった。急ぎでな。すぐに捜索任務に加われ。何かザセルについて心当たりが浮かべば報告。あと鮫島海美の心身共に何かあれば報告しろ」
「え?無視?」
「いいな?」
ギロッといつもの鋭い目に戻って睨まれればはいと言わざるを得ない。それにしてもこの人、何で海美にそんなに気にしてんだよ……鈍いだなんだ笑われる俺でもわかるぞ。この人が海美の事を気にしている事。
長官が部屋を出て行く。俺も捜索任務の方に行くか、とりあえず。




