#7-3 いつもの朝とゴロゴロピシャーーン!!
朝?苦手だよすごく。てか得意な人なんていないでしょ
7月某日──SCR本部特殊戦闘部隊、隊員個室
「やばっ!?また寝坊だぁあああ!!」
ベットを飛び降りて急いで洗面台に立つ。適当に顔を洗って、スキンケアだけは忘れずに、髪は寝癖が付きづらい髪質で助かる!!
日の入らないこの場所でもここにくる前からの日課で無意識のうちに日焼け止めを塗ってしまった。化粧は……まぁいいや後で!
服を着替えて部屋を飛び出す。あぁあぁ初めのころは余裕もって優雅に歩けていたはずの階段と廊下!おはよう、お願いだからそんな目で見ないで!
階段を降りてあとは直線。龍斗さんの部屋を超えて優也の部屋にとう──
「きゃあっ!?」
「おはよ、海美ちゃん」
「あ、えあ、おはよう!龍斗さん!」
扉の前で到着すると自動でドアが開く。優也の耳がいいから先に開けてもらえるのはいいんだけど、びっくりさせないでよ!
奥で優也がスープを取り分けたお椀を置いてくれているのが見える。う……
「ごめん!またギリギリで……」
「いいのいいの。ちょうどよかったし。さ、入って」
「俺の部屋ですけどね」
いつもの朝。いつもの会話。
この生活が始まったのは私が優也と龍斗さん、3人で朝ごはんを食べたいって言ったから。前まではそれぞれで食べてたんだけど、優也の食堂行けない話を聞いてから何だか放って置けなくて。人と食べることに慣れようの会ってことで3人で食べてるの。それに1人よりも2人、2人よりも3人の方が良くない?
奥の部屋に入ると優也の後ろ髪に目を引かれる。
「優也っふふ、寝癖ついてる。珍しい」
「え、どこ」
「ここだよ、ここ。直したげるからそこ座って」
「いいよ、後で。今はご飯食べたい」
「え〜……まぁ確かに?あったかいのがいいよねぇ」
そう言われて座る。左側に優也、右側に龍斗さんが座ってる。机の上にはあったかそうな卵とじのスープに色んな種類のサンドウィッチ。惣菜系からフルーツ系まで!すごいなぁ。あ、このスモークサーモンのやつ美味しそう!
「え!すごい、色んな種類ある!私これ食べたい!」
「それ俺の」
「えぇ!?なんで!?」
「早いもん勝ち」
にや〜と勝ち気に笑う優也をなんでよ〜!!と揺する。早起きできたからってこと?くそ〜明日から頑張るもんね!
ふと気になって、チラリとやけに静かな龍斗さんを見ると口を手で抑え俯いて何だか深刻そうな顔をしてる。何?なんかバレちゃまずい世紀の大発見しちゃったみたいな顔してるけど。ヒントを探しに優也を見るとそんな龍斗さんを見つめて唇を噛んでいる。え?何?なんか以心伝心してる?大人ってよくわからんわ。
まぁそんな大人たちはほっといて。
「優也、テレビ見たい」
「……あ、あぁ。何見る?」
「zop見たい!今日は何特集してるんだろう?」
「あぁあれか。ニュース番組をうたいながらバラエティみたいなのしてるやつ」
「嫌味うるさい。あ、水外アナウンサーだ!今日も可愛いなぁ」
画面の向こうでアナウンサーが用意されたご飯に両手を合わせている。そこによかったら一緒にご飯をいただきましょう!と元気よく言うアナウンサー。これで4人になった!
パン、と全員で両手を合わせて、
「「「いただきます」」」
BLTサンドウィッチを口いっぱいに頬張る。わ〜美味しい。パンはふわっふわだし、野菜はどれも水々しくて最高!
テレビが次のコーナーへと切り替わる。流行ニュースだって。へぇ、そう言うの流行ってるんだ。こんなところでもこう言うのはやっぱ見ときたいよね。私、一応女子高生だし?
隣で優也が眉を寄せ、画面見ていた。
「最近流行りのお出かけスポットか。よくわからないな。場所の何が流行るんだ」
「そりゃ、映える〜とか、そういうことよ」
「映える……?」
意味がわからないと呆れる優也。まぁたまによくわからない流行がきたりすると私も同じ感想だから何とも言えないんだけど。
視線だけ動かしてバレないように優也の顔を盗み見る。
そう考えると、私が外でちょっと特別だけど自由に生きていた10年間、優也はここにずっといたんだよね。ここでは龍斗さんに勉強を教わってたのは聞いた。
事件前でも小中高、大学も行ってないんでしょ。小さい頃お母さんはいなくてお父さんは研究で忙しくて、研究所のお父さんの個室にいた……って、あれ?ちょっと待って?
ゴロゴロピシャーーン!!と頭の中で雷が落ちる。
優也、もしかして外で遊んだことないんじゃない?
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#7 心配トライアングル
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