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SCR -Specific mutant Cells organism Rangers-   作者: none
#20 change my future
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337/342

#20-2 異変

 

「クラゲっていくらでも見れるよねぇ」


「同じようにくるくる回っているように見えて、光の入り方とか、あの触手みたいなやつの動きとか違うし、飽きないよな」


「ほんと、幻想的。ここ、この水族館のSNSでもバズってたなぁ」


「そうなの?」


「うん。あ、そうそう。この奥にある赤いハート型の水槽の前で写真撮ると、恋愛運アップ!みたいな」


「なんだそれ」


「クラゲの模様がハートに似ているんだってさ」


「へぇ」


「興味は?」


「あるよ。あやかっておこうかな」


「じゃあこっち!」


 腕を引かれて奥にあるハート型の水槽の前に立つ。携帯を取り出し、カメラアプリを起動した。

 腕を伸ばし、二人の顔と水槽の中のクラゲが収まるように画角を調整する。

 逆光で暗いのはうまく明るさを調整して、うん。これで


「はい、チーズ」


 シャッターボタンを押せばカシャっとシャッター音が鳴る。


「どう?いい感じ?」


「どうだろ。……え、なにこれ」


 写真を確認すると、そこには俺一人しかいない。

 それも俺は少し顔立ちが変わっている。なんかちょっと老けた??えー悲しい。写真写り悪くなったかな。ていうかそれどころじゃない。光莉は、光莉はなんで写っていないんだ?


「光莉いない、避けた?」


「なわけないじゃん。てか待って龍斗!怪我してる!?」


「え」


「ほら写真の中の龍斗、首のところになんか大きい切り傷あるじゃん!」


 光莉が現実の俺の首を急いで確認するが、当然そんな傷はないし、こんな覚えもない。

 光莉なんて透明人間にでもなってしまったのか?なんで映っていないんだ。俺の首の傷は一体なんだ?


「なんか、気味が悪いな。心霊スポットだったりする?」


「人を幽霊扱いするな~」


「いやいや、……ううん、まあいいか」


「恋愛運上げなくていいの?」


「あーーま、恋愛って自分の実力でつかむものだし?」


「言い訳」


「気を取り直して先に行こうよ。次はエビにカニ、タコの展示だってよ」


「なんか……おいしs」


「お姉さんここ水族館だからね~TPOね~~」


「力、パワー、……あとなんだっけ」


 そんなふざけた雑談をしながら先へと進む。次の展示は俺の背よりも大きな水槽だ。中は赤を基調とした暗い色で。比較的体の大きな魚の展示もしているらしい。


「すごい、雰囲気あるねぇ」


「ね。……え?」


「どうしたの?」


「…………」


「え、何、どうしたの」


「いや、なんでもない。またぼんやりしちゃった。はは」


「もー、寝不足?また研究所にこもりすぎなんてことないよね」


「ないない。ほら、でかいな~カニ」


「えっ!?これ全部カニ!?すご!」


 話題を振って話を逸らす。光莉は目の前のカニに夢中だ。俺だけなのか?俺がどうかしてしまったんじゃないか。


「見て見て!ピース!」


「ふふっ、写真撮るか」


「フラッシュ気を付けてね」


「あぁ」


 写真を撮る。やっぱりそこに光莉は映らなかった。


「どう?うまく撮れた?」


「うん。もうばっちり」


「やった。うわ、こっちはでっかいタコ!」


 写真に光莉が映らない。それに俺の視界の中で、光莉が水槽に映っていない。あんなに水槽に近づいているのに、どうして反射しないんだろうか。


 そして一番の違和感は、影だ。


 水槽の中を照らす赤いライト。雰囲気を出すためなのか、それは廊下にもところどころつけられている。その足元の影。俺はあるのに、


 どうして光莉の足元に影がないんだ。


「……」


「龍斗?」


 光莉は心配そうに俺を見上げる。微笑んで、心配しないでと肩をポンポンとたたいた。

 大丈夫。大丈夫、おまじないのように心の中で唱える。怖い顔して光莉を怖がらせちゃいけないな。


 さらに先へ進むと、この水族館名物の大水槽があった。ここから見る大きさは高さ10 m、横幅は15 mほど。大海原を生きる魚たちがここで暮らしているらしい。


 中でも目を引くのは鰯の群れだ。水槽の中のライトを受けて、銀色の体がキラキラと強く輝いている。


「綺麗……」


 思わず時間をわせれて見とれてしまいそうな中、突然照明が落ちる。そして天井近くに設置されたスピーカーから音楽が流れ初め、それに伴って水槽のなかのライトの光が切り替わり、鰯の群れの動きが鋭敏になる。幻想的なショーの始まりだった。


 そのとき、突然手に重さがかかる。


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