表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SCR -Specific mutant Cells organism Rangers-   作者: none
#19 彼岸の未来
PR
332/342

#19-22 Specific mutant Cells organism Rangers

 

「クソクソクソクソ!!私が、私がこの計画のためにどれだけ時間と労力を費やしたと!!」


「そんな時間も労力も、全部焼き払ってやるよ!!」


 オリジンから薙ぎ払われ、空中で姿勢を整えて着地する。

 見上げれば、そこにはオリジンが痛みに苦しむ様子と、本能の恐怖を超えた怒りで体全体を真っ赤にしながら叫び散らすザセルの姿があった。


 そのオリジンの根本で、優也は腕を空に勢いよく掲げ、



「Storm!!」



 そう力強く宣言する。するとどこからともなく風が吹き、それはだんだんと渦をまいて、勢いを強めていく。


「あれはあのドラゴンの……!?まさか、まさかお前!」


「あぁ?」


「『融合』したのか!?あの大事そうななお仲間を!?」


「今更かよ。気づくのが遅かったな!」


 ザセルは目を凝らす。すると突風が吹き荒れる。

 その隙間に、優也の瞳が赤だけでなく、その隙間に青と黄色がぎらぎらと輝いているのを確認した。

 そうかすべて取り込んだんだ。でも、だからって何であんな馬鹿みたいな強大な力を使える!?


 とにかくこの風を止めなければならない。強く根を張らなければ。

 ザセルは地に手を付けてより強固に根を張ろうとする、その瞬間、



 ドガァァァアアンッ!!


「ぎゃあぁあああああっ!?」



 遠くから飛来した何かがザセルに命中する。まるでその場から動かさせはしないぞと言いたげにそれは何発も続き、ザセルとオリジンの体を削っていった。


 爆風の向こう、遥か彼方先のところから爆撃している。誘導弾か!?そうザセルが困惑する最中にももう一撃が別の方向から入る。


 これは人工物だ。誰かが孤虎優也を援護している!


 ギロッとザセルが目を見開き孤虎優也を睨みつける。優也の耳につけられたインカムから音声が漏れた。


『こっちは何してでも止める!!優也くん、いけ!!』


『やっちゃぇええええええっ!!』


『フレイム!!飛ばせ!!』


 その声に背中を押されるように、優也はシリンジを自身の体に突き立てる。




 Blow away the mutation!




「ドラゴンブレス!!」


 渦を巻き始めた風に優也が吸ったブレスが一気にまじりあって、とぐろを巻く龍の姿へと変化していく。オリジンをまるごと腹の中に閉じこめ、次第に地中に埋まっていたオリジンの根ごと空中に浮かび始めた。


 風のドラゴンは勢いを弱めることなくさらに回転して渦を巻き、オリジンを空高く浮かび上がらせていく。その様子を見上げながら、さらに腕にシリンジを突き立てた。


「まだ足りない、まだ!!」




 Go bite into the mutation!




「シャークアロー!!」


 龍とともに空へ飛んだ優也は、腕に力をこめる。弓をひく動作をするとバチバチバチッと雷が腕を走り、弓矢を形成していく。

 狙いは空高く飛び上がったオリジン。こんな体勢でも、あれだけ的がデカければ絶対に外さない!


 めいいっぱいに引き切った矢を放つ。その瞬間、矢は巨大な鮫の形へと変身し、オリジンに食らいついた。


「ウゥゥウウウウウウウウゥウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」


 衝撃でさらにオリジンの体は浮かびあがり、ついには成層圏に突入する。凍り付くような気温の中、それでもはじける火花と渦を巻き続ける嵐にオリジンは身動きがとれない。それはザセルも同様であった。


 そのさらに上空。風をまとい高く高く飛んで、満月に照らし出される影がある。




 Burst up the mutation!




 影はたちまちその姿を変える。否、それが形を変えているのではなく、その後ろに何かが姿を現し、影が重なった。


「なん……だ、あれは……!?」


 それは大きな大きな翼と幾重にも伸びる細く長い尾をもつ、一羽の大きな鳥であった。輪郭は炎に包まれて不鮮明であり、その鳥からは雷が降り注ぐ。それがキラキラと輝いて羽を照らし、白銀の体は虹のように輝いて見せた。


 顕現したその姿は、まさにある神話に伝わる伝説の霊鳥。


鳳凰ほうおう……!?そん、そんな生物がいるわけない!!ありえない!!」


「これが夢かどうか、受けてから考えるんだな」


「やめろ、やめろやめろやめろやめろおおおおおおお!!!やめろっ、やめてくださいっ!!」


「やめろ?冗談だろ」


「うぅうううううああああああああこの世界が悪いんだ!!私は悪くない!!ただ地球を救おうと!!それだけなんだぁっ!!」


「自分の名を神話に残したい、だろ。あぁ残してやるさ。その悪役ならいくらでも買って出てやるよ!」


「うあああああああああああああああああああああああっ!!!」


 最後のあがきと言わんばかりにありもあらゆる植物の蔦、蔓、茎をめちゃくちゃにのばす。しかしいくら鋭利にとがったそれも、伝説の霊鳥を従える炎の王の前に無駄に終わった。



「これで終わりだ」



 優也は──虎の特異生物──フレイムはまとっていた風を抜け出し、炎を纏って重力に引かれるようオリジンとザセルへ向けて飛びだした。その背中を押すように、白銀の翼をはためかせ輝きを降らせながら鳳凰が後を追う。



 拳に力をこめる。一人分じゃない。三人分だけでもない!!



「なんなんだ、なんなんだよお前はぁあああああああああっ!!!」




「俺たちの名はSpecific mutant Cells organic Rangers」




 行く先を邪魔するすべてを焼き払い、ザセルの顔面へと拳を振り下ろす!




「お前を殺す、化け物だよ!!!!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ