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SCR -Specific mutant Cells organism Rangers-   作者: none
#19 彼岸の未来
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326/342

#19-16 届かぬ善戦

 

「SCR、戦闘を開始します!」


 その瞬間、地面が爆ぜた。


 爆炎の中へ龍斗さんが空から風の刃を放つ。同時に地上からは海美が飛び出して拳をふるった。

 見えないはずの風の刃。なのにザセルはそれを軽く身を捻るだけでよけ、海美の拳を簡単に受け止める。


「海美、頭!」


「!」


 掴まれた拳の力が均衡する前に跳びだして、海美の頭近くを狙って蹴る。ギリギリのところで下げられた海美の頭の向こうにはザセル。だがこれも横にズレて避けられた。それを狙う風の刃もなんてことないように避けていく。


 こちらの攻撃に適応している。これまでの戦闘を分析して対策をしたんだろう。

 だが、こっちだってやることやってんだよ!


『スパーク5時の方向きます!』


「!」


 狛坂さんの声に海美が身を翻す。その瞬間に後方から伸びた木の枝が空を貫き地面に突き刺さった。あたりには小型ドローンが数台飛び回っている。ザセルはつまらなそうにチッとつぶやいた。悪いな、行動解析にはこっちに専門家がいるんだよ!


 それに防戦だけじゃない。こんなことだって!


「メイン、あれ頂戴!」


『了解!』


 小型ドローンから小さなまきびしがザセルに向かって降り注ぐ。様子をうかがうように周囲を見渡すザセル。隙だらけだ!



 バチバチバチッ!


「っ!」


「いっけぇ!!雷砲!!」


 ドォォオオオンッ!!


 海美がザセルへ向けて腕をふりおろした途端、どこからともなく雷が降り注ぐ。せっかくの雷の威力が地面や空中に逃げないよう、開発部が作り上げた特製の誘電装置を使ったのだ。相当大きな雷だ。一瞬視界が眩い白に染め上げられた。伏せた頭を上げれば、ザセルがふらついている。


 そこへ龍斗さんが滑空し、鋭利な爪で切り刻んでいく。


「お前、ちょっと付き合えよ!!」


 ビュウビュウ吹き荒れる風が渦を巻く。この感じ、そういう事だ!

 龍斗さんがぐるりと回転し、腕を突き上げた。その瞬間に大樹をも飲み込む大きな竜巻が立ち上が江う。大樹の葉を巻き込み、太い木の枝すらもぎ取って渦は激しさを増していく。さらに研究所の窓ガラスを割って中の簡単な機材すらも巻き込んでいった。


 その竜巻の中へ飛び込む。相変わらず息もできない視界も定まらない激しい竜巻だ。その中でザセルを見つけ、龍斗さんの援護を受けて近づく。


 拳に熱を込めて、嵐に巻き込まれ抵抗もできないザセルを殴りつけた。



 ドガァァァアアアアアアアアアアン!!



 拳の熱を放ち、竜巻は炎をまとった龍へと変化して、中に巻き込んだすべてを焼き尽くしていく。ボフンっ、と突然晴れた竜巻から落ちるのは俺と真っ黒の塵になりかけたザセル。それから半分以上が燃えた大樹だ。


 まだ、まだだ。


「待ってましたぁ~~!!」


 まばゆい光を発する弓矢を構えた海美が笑みを浮かべる。



 Go bite into the mutation!



「ファイナルシャークスパーキングアロー!!」



 放たれた矢は巨大な鮫へと姿を変え、そのまま落下するザセルにまっすぐ向かっていき、大きく口を開いて飲み込む。やば、これ俺も巻き込まれ……いや、違う!


 鮫の背中から中に飛びいる。中では電気が充満していて視界は真っ白だ。だけど、


 体全体に力を入れる。皮膚の細胞一つ一つが膨れ上がる感覚。これだ。これでいい!!


 膨れ上がる細胞がはじけた。瞬間、鮫は火を引き出し空中で大爆発を起こす。取り込まれたザセルはもちろん、近くの大樹もダメージが入った。


 地面に着地する。すぐ隣に龍斗さんと海美が駆け寄った。空中から落ちてくるものは何もない。完全に焼却しきった……


「……わけないか」


「雑草みたいにしぶといね」


「うううぅ、それ比喩になってない!」


 地面からシュルシュルと蔦や茎、枝が伸びて、あっという間にザセル形をとる。『再生』の力、どうすれば突破できる?こいつよりも先に大樹をやらないと無限に生えてきてしまうのか!


 なら先にこの大樹を焼き切る必要がある。だけど、その火力を出せるのかがわからない。それに最大火力を出せば次動くためのインターバルが必要だ。先に最大火力で大樹をやっても、こいつが再生してしまう。


 この大樹とザセル、同時に焼かないといけない。そんな広範囲かつ超火力、俺に出せるのか……?




 悪魔がにたりと笑う




「……なにか」


「!」


「何か勘違いしていませんか?私のこと」



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