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セブンス・オンライン  作者: 池田マカオ
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選抜狙撃手の少女の行方

「流石"幸運の招きや"ね・・・」

カグラは俺に聞こえるか聞こえないかくらい小さな声で呟いていた。

「勿論、連絡先を知(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)だけなんて言わないわよね?」

表情こそ笑顔なのだが教えろといわんばかりの態度で顔を近づけてきた。レイナといいカグラといい美人は絶対にわかってやっていると思う。ずるいぞ。

「ええ、勿論協力するつもりでしたよ。はい。断るとレイナにうるさく言われると思うし・・・」

「絶対者(マスター)よりもレイナちゃんが怖いのね? 旅人には絶対者(マスター)を恐れない人が多いとは思っていたのだけれど、職人の人もそうだったのかしら?」

「俺は正直絶対者(マスター)と敵対したときのデメリットがその陣営に専属で雇われなくなるくらいしか思いつかないですね。情報提供はするつもりですけど本人が嫌だと言ったらそれまでですからね?」

「それで良いわよ」

俺はフレンドリストからミズハを選んで通話をする

「もしもしミズハか?」

「アンタから通話してくるなんて珍しいよね。何か用?」

無愛想なだけか不機嫌なのか判断の迷う声音だ。

「アルヴィン(白の軍団)の交渉人(ネゴシエイター)のカグラさんがミズハに会って話があるっていうんだ。まねきやまで来てくれないか?」

「私は"セブンス"関係の賞金は興味がないのだけれど」

「まあそう言わずまた"オムライス"を食べに来ないか? 俺が奢るからさ」

「どういう風の吹き回し? そのカグラに肩入れする理由はないはず」

「レイナがそのカグラさんの大ファンなわけさ」

「・・・・そういうことね」

「そういうことさ」

ミズハと会う約束を取り付ける。これでレイナには睨まれずに済む。

「あとはご自分でお願いします」

「わかってるわよ。それよりもサトルくんがその仲良くなれた状況を詳しく知りたいのだけれど」

「別に構わないですけれど、重要なことだったりするんですか?」

「これからミズハちゃんを説得する為に少しでも知っておきたいじゃない? 時間もあるわけだしね」

「そうですね・・・あれはたしか"まねきや"オープンしたその日の出来事でしたね」

____

《カランカラン》

「いらっしゃい"まねきや"初のお客人」

店主(ユウキさん)が来店の挨拶をする。

「いらっしゃいませ」

遅れて俺とレイナも挨拶をする。

「よーし一番乗りだあ。メニュー全部食べるぞ! 店主! メニュー表を頼む!」

「レンジ兄さんその前に貸切できるのか聞かなくちゃ駄目じゃないか。 店主さん20人で貸切できますか?」

初めての客人は頭に紅いバンダナを巻いた兄と右腕に蒼いバンダナを巻いた、弟だと思われる爽やかなイケメンの兄弟だ。違いは兄貴は右目の下にホクロがあるところだろうか?顔は非常に似ている。

「いきなり貸切とは有り難いけれど、それなりにお金がかかるけれどいいのかい?」

「お金? 気にする必要なんてないな! だろう! みんな!」

「いいぞ団長!」、「ゴチになります」、「おなかすいた」、「早く入りたい」

肯定的な意見がお店の外から聞こえる。ぞろぞろと旅人の面々がお店に入ってくる。

「兄さんがそういったら反対意見なんて聞かないからね。いいよ僕らも半分払うさ」

弟の方は苦笑しながらそう呟いた。心配そうに店主(ユウキさん)が聞いていた。

「お兄さんら相談もせずに決めるなんて余程稼いでる旅人さんらなのかい?」

「おうよ! 最前線を目指しているからな! そしてギルド結成記念だからパーッとしたいのさ!」

団長と呼ばれていた兄弟の兄がそう答えていた。

「へえ、そうだったのかい。 ギルドの名前とか聞いてもいいかい?」

「勿論いいぜ! 俺のとこが『紅の旅団』で弟のシュウジのとこが『蒼の旅団』だ」

「兄弟で別々のギルドだから名前を揃えたのかい? 仲が良いじゃないか」

これには弟のシュウジが反論した。

「違うんです! 先行プレイヤーが王城に突撃してセブンスに返り討ちにあったっていう出来事を聞いたことがあるはずですけれど、その時のプレイヤーの集いがこのギルドで、陣営で色が対になっているのでそれをギルドで揃えようって話からこうなったんです! 兄さんと揃えたかった訳じゃないです!」

「はは。 そうなのかい」

「そういやオッサンはなんていうんだ?」

団長のレンジが失礼なことを聞く。

「流石にオッサンは失礼なんじゃないか?」

俺は思わず口を挟んだが、店主(ユウキさん)は朗らかに笑っていた。

「オッサンというほどの年ではまだ思わないのだけれどね? まあこちらも名乗っていなかったのでチャラにしようじゃないか。この"まねきや"で店主をしているユウキだよ。そして見習いの二人、男の子が『サトル』君で、女の子の方が娘の『レイナ』だよ」

紹介されたので2人ともよろしくと言った。周りからもよろしくとチラホラ聞こえる。

自己紹介も済んだので"まねきや"のメンバーは宴会の準備を始めた。俺もその宴会の最中にこのお店に決めた理由を団長であるレンジに聞いたら

「リスポーン地点にあるっつうのに2週間はずっと閉店中だったじゃねえか! 気になるってもんよ」

とのことだった。初期設定ではプレイヤーのリスポーン地点は大通り中央にある噴水広場なのだ。確かに目の前だ。そして宴会の途中でちょっとしたアクシデントがあったのだ。

「すまないこちらのミスで料理が足りなくなりそうなんだ。急いで作るから待ってくれないか」

申し訳なさそうに店主(ユウキさん)が伝えた。通常はお店用の大型インベントリに作り置きされてそれを持ってくるだけになるので時間が掛かる事はないのだ。そしてレンジ達は怒ることはなかった。

「オヤッサンも俺らの喰いっぷりは予想できなかったわけだな!」

団長のこの発言に団員達も笑っていた。そして団員の一人が思いついたように言う

「それなら見習いにも作ってもらえばいいんじゃないか?」

店主(ユウキさん)も正直猫の手も借りたいから指名されたなら良いと承諾されたので俺たち2人も作ることになったのだ。

この出来事がレイナがレンジに最初に指名された理由でもあり、俺がミズハに指名された理由でもある。ミズハも最初は男の俺を指名するより女のレイナのほうが指名しやすかったらしくレイナに料理を頼んだのだが、メニューは何でもいいとのことだったので野菜炒めが出されたのだがピーマンが入っていた。伝え忘れてたのだ。俺は最初それを見た目のせいかと思って

「無理に食べなくていいぞ」

「いやピーマンが入ってた・・・」

非常に嫌そうな表情で言っていたので思わず言ってしまったのだ。

「中(・)学(・)生(・)の君でも嫌いなものなら仕方ないさ」

身体が小さいコンプレックスがある彼女はこれに激怒した。

「君は生意気だな! 私もこれで高校生だ! お前と年も変わらないはずだ!! 料理だって私のほうが上手いと思う! 料理を作ってみろ!」

これには流石に俺も面喰ってしまったが、指名されたということでもあるのでオムライスを作ったのだ。

そしていざ食べてもらい不味いとでも言ってまだ怒るかと思っていたのだが

「・・・・美味しい。私も言い過ぎたと思う。また食べたい」

____

「ということがありましたね」

「ミズハちゃんはその時にフレンドになれたのね。オムライスが好きというより義理があって来てくれそうなのね。レンジとシュウジの話も聞けたし為になったわ」

「隠術師(シノビ)から聞いて知ってたわけじゃないんですか?」

「そりゃ聞いたら答えてくれるはずだけど、全てを頼っていてはいけないと思わない?」

その時レイナが話に割り込む。いつの間にか親子喧嘩は終わっていたのだ。

「お父さんからもレイナがカグラさんに料理作っていいってさ! っていつの間にサトルの方がカグラさんと仲良くなってるのさ~」

ジト目で見られた。俺は悪くないと思うのだが。なので露骨に話題を変える。

「ミズハが来るってさ」

「ミズっちかあ、久しぶりに来るんだね~」

《カランカラン》

そのとき来店を告げる音が店内に響く。

無愛想な表情。彫りの深いクール系の顔。小さな身体。身体に不釣り合いな大きな狙撃銃。

蒼の旅団の選抜狙撃手(マークスマン)ミズハだ。




全然話進んでいない・・・。

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