狩人と選抜狙撃手
1日1話投稿なんてなかったんだ
「初めましてレイナちゃん」
満面の笑みでレイナの手をとったレイナは続ける。
「もしからしたら知っているかも知れないけれど、私がアルヴィンで交渉人をしているカグラよ。重要な頼みがあって来たの。お願いできるかしら?」
「レ、レイナもカグラさんと会えて嬉しいです! 中立地帯に来ていたのは知ってましたけど、いつも人気で話せなくてずっと話したかったんです! 先行・・・じゃなかった初期のころからファンなんです!けれどなんでレイナを探してたんです? そして頼みってなんです?」
当然の疑問をレイナが口にする。
「あら? そうだったの? 光栄ね。個人的な興味で旅人たちの間で人気のこの"まねきや"の看板娘の貴方に会ってみたかった気持ちもあるのだけれど、今日はアルヴィンの交渉人として来たわ。頼みとは他でもない貴方の料理を食べさせてほしいの。」
「ちょっとそれは待ってくれないか。それじゃ他のお客人に悪いし、あくまでもうちは味で勝負したいんだ。それにアルヴィンについたと捉えられる行動もやめときたいんだ。」
すんなり承諾するわけにはいかないと店主が口を挟む。
「えぇ!? お父さんなんでよ!! せっかくカグラさんが頼みにまできてくれたのに!!」
「気持ちはわかるが予約は一組だけって約束しただろう!それに割り込ませるって事か?それじゃ筋が通らないだろう!」
「それなら二組でもいいじゃない! このゲームを始めたのだってレイナなんだし、一組でも二組でも好きにしていいじゃない!」
「それだってこの前ちゃんと話し合ったじゃないか! --------! ---------!」
突然起きた親子喧嘩に強気の交渉で知られるカグラも戸惑いを隠せない。料理のことになると店主も熱くなるのだ。
「この2人はいつもこうなの?」
「まあ、そうですねえ・・・・」
俺は渋い顔で頷くしかなかった。営業時間中には揉めないようにと俺からも約束してもらっているのだが時々こうなる。この前揉めた原因は弁当だった。
とあるハンターがこの店では弁当は受け付けてないのかと聞いてカグラの弁当を希望だったのだが腕の未熟さを理由にユウキさんが断ったのだ。けれどそれにカグラが納得できずに・・という形だ。
「結局レイナちゃんの料理は食べれるのかしら?食べられないのかしら?」
「ええ、まあその辺は大丈夫だと思いますよ多分。指名に関してはレイナは引き下がらないので渋々ながらも店主も認めざるを得ないはずですし」
「そう?なら良いのだけれど」
ほっとしながらも満足気な表情でいたので俺も気になっていることを聞いてみた。
「重要な頼みと言ってましたけれど、本当にレイナの料理だけなんですか?意外に普通の事だったというか他の事だと思っていたので・・・」
「あら意外かしら?でも本当にそうよ。強いて言うなら絶対者からの命令でもあったのよ?」
流石に絶対者が関係してくるとは思ってもいなかったので面喰ってしまう。
「なんで、絶対者が出てくるんですか?」
「なんでって言われても、あの"レンジ"が関わっているからとしか言えないのだけれど・・・おかしいわね。隠術師からの報告じゃその場にサトルは居たと聞いてるし報告が間違えてるとも思えないのだけれど」
「?。レンジがどうかしたんですか? レイナの料理を最初に食べたのはアイツなので関わりがあるけれど、今回の件とは関係ないのではないんじゃないですか?」
「んん? それなら知っていると思ったんだけど? 職人だから興味がないだけかしら? ギルド紅の旅団で団長なのは知っているわよね?」
「はい、それくらいなら。よく噂になった湖まで行ってきたとか、火山行きたいとかよく話してますし」
「3日前の出来事なんだけれどレンジが狩人の称号を手に入れたのよ。」
「ああ通りでジョンが紅の旅団を専属で雇ったんですね。納得しました。」
「あまり驚かないのね。狩人の称号を取ったから雇ったとも言えるわね。ここまで話したらわかるかもしれないけれど命令はギルド蒼の旅団で選抜狙撃手持ちの彼女ミズハと接触する事。手がかりの為に、この"まねきや"でレイナちゃんと接触することだったのよ。」
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狩人、選抜狙撃手とでてきたがこれらは職ではなく称号の数ある一つだ。特定の条件下でのプレイヤーの1位に与えられるものなので維持するのが難しいとされている。
月毎に更新があるからだ。称号は通常はプレイヤーが偶然で取得しうるものなので隠しステータスの側面が強いのだが、この2つに限り先行プレイ終了後(2週間)に運営から公表となり、セブンスに重要なポジションとなる断言されたので競争が高い。条件と効果は下記の通りとなる。
狩人 :プレイヤー間でモンスター脅威度最大地域で活動している旅人が対象。ユニークモンスターを所持している者。プレイヤー最大レベルの者に与えられる。
<取得パッシブスキル><銃弾貫通ダメージ20%UP>この称号所持者本人、ギルド又はパーティー、所属陣営それぞれで銃所持者に適用される。(本人は最大60%UP)
選抜狙撃手:プレイヤー間でモンスター脅威度最大地域で活動している旅人が対象。狙撃銃でモンスターを対象に弱点部位を狙撃できた最大射程保持者に与えられる。
<取得パッシブスキル><防御無視>この称号所持者本人の狙撃銃から発砲された銃弾はスキル、防具を無視してダメージを与えることができる。
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「・・・・・。」
「なんで無言なのよ。ミズハに用件があるのに"まねきや"のレイナに頼みごとをするんだとか。どこに隠術師が居たんだとかあるでしょう?」
「いや確かにそれも思いましたけれど・・・・そのミズハを知っているんです」
不可解だとばかりに怪訝そうな表情でカグラが聞き返す。
「えっとねサトルくん? ミズハというプレイヤーなら割と居ると思うのだけれど、なんでそう思ったのかな?」
「あの身体が小さくて不釣り合いな大きな銃を扱う、無口な彫りの深い顔の女の子ですよね」
「ええその子よ。あの子の前で中学生は禁句だからね」
「そうですね。銃とセットで印象が強かったというのもありますけど、それを言って怒らせてしまったんですが、代わりにオムライスを出したら仲良くなれたんですよ。連絡先もその時知りました」
「流石"幸運の招きや"ね・・・」
俺に聞こえるか聞こえないかくらい小さな声でカグラは呟いていた。




