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5/9

ドラゴボ――柏都市部にて――


                 挿絵(By みてみん)


 この二人兄妹も、どうせ一ノ瀬洋子の餌食、毒牙にかかるのだろうが。

 それはまた今度のお話。


 とりあえず今は、早朝の、稼ぎ時の、

 往来も激しい雑踏の中から覗く結構ヤバソウな存在に今の覇王丸は女児3とキャッキャしちゃった夜だから。


 色々、人としての尊厳とか立場とか。

 そんなものは飢える雌しべに蹂躙されて、下僕となった雄しべにできるは、種子を増やさせ飛散、どこかの地で発芽させる。


 それがアサガオの定め。


 だが、彼の尊厳は粉微塵。

 大自然の花畑でアサガオたらんと欲し、アサガオになり。


 そして蹂躙の記憶よりも今日も明日も明後日も、

 アサガオになって受粉としての花粉をみるか。


 雄しべ、雌しべ、の二対の宿命のみを講じるへちまになるか。


 まぁ、そんな難しいお勉強は置いといて。

 少なくとも覇王丸は小学5年生の教科書は読んでいない。

 理科の授業は、彼女が実戦直接手ほどきで教えてくれた。


 いまになってみれば、いい話じゃないか。


 朝も別の意味でキャッキャできて幸せを満喫しているのだから、彼女の奴隷、下僕、使い魔でもいいじゃない。


 楽しい物乞いできるのだから。

 彼女をいつか守ってあげるくらいは強くなりたい。

 

 そんな思いが今日の物乞いに含まれたとは、覇王丸自身も気づかない、

 久し振りの幸せだった。


 麗華の露の味を知った時。

 諦めと、機願成就が同時に押し寄せ混乱もしたが――


「右の左のだんなさまー、哀れな物乞いにお恵みを―」


 今日も良い日が始まりそうだ。

 声の張りも蒼穹の天空にこだまするレベルで、はきはきしてる。

 本当に彼女に精気を捧げれば、彼女は元気になって付随して自分も元気になれる。元気になれば彼女へ捧げ――

 まさに理想の無限機関!


 アカシックレコードとやらで異界に繋いでエネルギー供給狙わないでも、彼女に魂捧げるだけで永遠はあるよ!


 ――そう、僕の何かが告げている。


 となりで寝そべり両腕で顎を持ち上げ嬉しそうに僕を見上げ、足をパタパタ。 蠱惑色のメフィストは――

 僕の大事な御主人様。

 ああ、可愛いな畜生。


 僕の大事なご主人様。

 ああ、くっそ、やっべ、マジ可愛い。


 僕の大事な御主人お姫様。

 高嶺の麗華の魂を使って恋を成就までさせてくれた人。 

 こんな素敵な子が傍にいてくれる。

 愛しいと思わない方がどうかしてるよね。

 だから、もう、ぼくは、ぼくは、ぼくっはあああああああ――




 ――ターン!




 響く、短く、

 短絡的な音。



 覇王丸――彼の眉間に50口径、約12・7mmのマグナム弾が、

 端的に言って、どこでも当たれば熊くらいならぶっこわすレベルの弾丸が、

 見事に覇王丸の眉間を貫通。



 そのまま顔面――ぶっぱ――遅れて轟く銃声、そうこの音を聞いたのは、覇王丸ではない、となりの一ノ瀬だ。


 覇王丸はこの音が届いた時点で、顔面ぶっぱ、だけにとどまらず上半身まるまる爆散――

 検視官がいかにプロの現場保全回収係だとしても、

 これほど微塵でふっとばされれば、肉体の組織連結素粒子レベルで崩壊している。

 塵は塵に。 

 塵になって風に吹かれた部位もあれば、転がる部位も存在だ!


 なら、もうどーにもならん。


 ただ、笑顔で彼を見てた一ノ瀬洋子はさすがに違う。

 顔中にビちゃ!っと被った覇王丸の血飛沫+色々は、ちょっと彼女の口にはいっちゃいけないものも入ったわけで。



 さすがにこの異常事態と周囲に飛び散った血も肉片も、通勤オヤジにわけーあんちゃん、ОLでハニートラップで重役喰って出世を狙う泥棒猫も、

 みんなまとめて衝撃でふっとび、

「ぎゃあああ」「わあああ」

 まぁ色々悲鳴。

 その中で一ノ瀬は―― 


「ちぃ!」


 混乱何かしったっこっちゃねー!

 一ノ瀬が弾かれたように、今、覇王丸があった場所に横っ飛び、


 ――何かが一閃――


 さらに大地を蹴る一ノ瀬。

 遅れて届く轟音は、先の弾丸、着弾、アスファルトに残った覇王丸の下半身さえ粉微塵にふっとばさせて、大地に小さなクレーターを開けた。



「やくい! 2026年度産のs&w最高拳銃――M500か! もしくはそれに匹敵するデザートイーグル50AE。時間のが概念が通じない相手、つまり、こっち側の生物か!」


 ぶん――


 という音と共に、

 洋子の左手が消える。

 性格には消える程の速さで手を上段から下段へふるったのだ。


 離れた商店街アーケード。

 その屋上部分に何かが通過、

 そのいくつかが屋上付近の外壁を貫通。

 これまた轟雷轟いて、その場がきれーに爆散。


 何か影が飛び跳ねて、それはありえない距離で一ノ瀬の頭上を通過。そのまま一方通行大通り付近まで跳ね、着地の衝撃でタイ焼き屋さんが吹っ飛んだ。


 一ノ瀬が、消える!


 と同時に影も消える。



 上空で何かが閃き、遅れてどすん! がすん! と鈍い、何か聞いちゃいけない音と共に、大地に衝撃波が叩きつけられ人間たちが吹っ飛び、仰向けで仰け反るような格好の人々が次々吹っ飛び、遂に上空の衝撃だけではなく、一ノ瀬より遥かに遠い上空から。



「喰らえ、ジャリッコ砲だああああああああああああああああああああああああ!」、



 天から、それはまるで一つの神が大地に光あれで叩き潰すような、

 まさにソドムとゴモラ、ラーマヤーマにインドラの矢、


 神のいる天にムカつく、俺が一番TUEEEE!死にわざわざ立てた党の上で黄金の甲冑着て黄金の弓矢を引いて天を打つ。

 イカレタデブが権力傲慢に溺れた惨め豚は、

 黄金豚と融解するほどの熱量で天からの落雷を喰らい、爆破粉砕粉微塵。

 ついでにサプライズ。

 地上まで塔は崩壊。言葉がそれぞれ使えない程人々をパーにして、イベントは終わった。


 まさにそれの再来だ。

 天から地上を打つ光は、幼い人類へまさに目覚めてくれと放たれた――

 んな漢字で、



 磯豪デパート消滅!。


 磯豪豪別館、別館通路から本店その全てが消滅!

 磯豪


 大地は瓦礫がじわじわ浮かび。

 天空では上空の雲が次々蒸発、

 周囲も放射型円形状にゆらりと離れ、

 その場で何かがぶつかれば雲まで部分部分消滅していく。



 何もかもが吹き飛んだクレーター。


 朝の誰もいなくなった柏の磯豪デパートがあったはずの裏路地。

 座って朗らかな気分に、

 本当に幸せを一年、丸々一年味わってなかった悲しい男は、 

 茣蓙の上に座って、初めてできた愛する人――御主人様と、これから毎日ハッピーディ! とかのぼせ上ってたはずが、


 今ではどたまふっとばされて上半身爆破、もう一発で下半身爆破。


 その痕跡なんてもう今さらどうでもいいんだよ。

 な、状態で柏の丸異も隆島屋駅ステーションも果ては繁華街の長狭気ボウリング場含む施設も、離れた伊藤用稼働も一切合切が、消滅――吹き飛んだ。



 でも地上では軽々避けた一ノ瀬が、妖しい対戦相手の背後に現れ――一撃!

 地上に叩きつけてさらにクレーター生成。


 そのまま地上で姿を消失、

 謎の存在も消失、


 大地のあちこちで


 どこん!

 ばしん!


「でりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ――」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――」



 二人の人間何かとっくにやめたよ生物の激闘で柏の都市部は完全消滅瓦礫のクレーターのみが展開され――

 まさか謎の男の落とし物を拾う者がいるとは――



 ――バキューン!



 その効果音の一つで、謎の物が腹部動態にもろに弾丸ん喰らって。

 一気に破裂は無しで、そのまま渦を巻いて体ごと吹っ飛んだ。


 頬に一撃喰らったのだろう一ノ瀬洋子は突然現れた、

 なんで射撃うまいの?

 という唖然とした顔で、


 銃を構えて、空手の水流れの構えの足運びのまま、それを撃って平然としてる――


 いや、威力なんかどうでもいい。

 とばかに、眼光を紅闇色に染めた、そいつをほぼ呆気にとられた顔で捉えた。


 そして一ノ瀬は――


「やるじゃん。マジ助かった」

「……」



「そのままじっとしてろ――覇王丸」





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