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第七章 一番大きな魚
友人の父に誘われ、フィンは初めて釣りに連れて行かれた。
一時間、微動だにせずじっと川面を見つめ続けた末、釣り上げたのは驚くほど小さな魚だった。
友人たちが笑い出す中、フィンは真顔で言い張った。
「これは巨大な川の主の子供だよ。まだ育ちきってないだけ」
家に帰ると、母はわざと大げさに驚いてみせた。
「まあ、これは大変な獲物ね」
フィンは早速、恐ろしい怪物との死闘を語り始める。話はどんどん盛られていった。
祖母がその小さな魚を眺めて言う。
「その怪物、あんたにびっくりして、慌てて小さくなったんじゃないの」
フィンはきっちり三十秒だけ拗ねた後、結局家族と一緒に笑い出した。
その笑い声が、いつまでも続くと、誰もが疑っていなかった。




