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第三章 偉大なる戦士
廃屋になった納屋で、フィンたちは棒切れを剣に見立てた戦争ごっこを始めた。
「今日の指揮官は僕だ!」
フィンがそう宣言した一分後、頭に木の棒が命中し、考えていた作戦をすべて忘れてしまった。
「今のは、計算通りの戦術的撤退だから」
仲間たちが笑う中、フィンは真顔でそう言い張った。誰も信じていない。
その後、フィンは一人の男の子の指に木の棘が刺さっているのに気づいた。
「動くなよ。すぐ取ってやるから」
意外にも器用な手つきで、フィンはその棘を抜いてやった。男の子が礼を言うと、フィンはさっきの戦いのことなど、もうすっかり忘れていた。
夕食の席で、フィンは誇らしげに報告する。
「今日、僕は人の命を救ったんだ」
祖母が呆れたように笑った。
「棘一本を『命を救った』なんて言い続けてると、いつか自分の話を本気で信じ込むようになるわよ」
フィンは何も強くない。何も特別な才能もない。
けれど誰かが困っていれば、自然と手を差し伸べる――それだけは、生まれつき備わっていた。
それが、後に彼という人間の土台になる。




