↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/21

第三章 偉大なる戦士

廃屋になった納屋で、フィンたちは棒切れを剣に見立てた戦争ごっこを始めた。


「今日の指揮官は僕だ!」


フィンがそう宣言した一分後、頭に木の棒が命中し、考えていた作戦をすべて忘れてしまった。


「今のは、計算通りの戦術的撤退だから」


仲間たちが笑う中、フィンは真顔でそう言い張った。誰も信じていない。


その後、フィンは一人の男の子の指に木の棘が刺さっているのに気づいた。


「動くなよ。すぐ取ってやるから」


意外にも器用な手つきで、フィンはその棘を抜いてやった。男の子が礼を言うと、フィンはさっきの戦いのことなど、もうすっかり忘れていた。


夕食の席で、フィンは誇らしげに報告する。


「今日、僕は人の命を救ったんだ」


祖母が呆れたように笑った。


「棘一本を『命を救った』なんて言い続けてると、いつか自分の話を本気で信じ込むようになるわよ」


フィンは何も強くない。何も特別な才能もない。


けれど誰かが困っていれば、自然と手を差し伸べる――それだけは、生まれつき備わっていた。


それが、後に彼という人間の土台になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。