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第十九章 リュックを背負った男
宿場町で、レオンとフィンは、宿代のことで主人と言い争っている痩せた少年と出くわした。
(この人、石の壁とだって喧嘩しそうだ)
フィンは思わずそう感じた。
その少年――マルティンは、笑っているフィンに気づいて聞いた。
「何がおかしい」
「いや、夕食にすら文句をつけそうな顔だなと思って」
レオンが思わず笑い声を漏らすと、マルティンは不機嫌そうに言った。
「お前らも、俺を苛立たせる側らしいな」
一時間後には、三人で一つの安いスープを分け合っていた。
フィンはまだこの男の名前すら知らなかったが、久しぶりに――この賑やかさが、悪くないと感じていた。




