18/21
第十七章 お前はよく喋るな
少年――レオンは、一人旅に慣れていると何度もほのめかしたが、フィンはそれでも隣を歩き続けた。
沈黙が苦手なフィンは、釣りの話、村の競技会の話、自分の輝かしい未来の武勇伝を、次々とレオンに聞かせた。
レオンはほとんど笑わなかったが、時折、確かに口元を緩めた。
その夜、フィンは自分の食事の量が、レオンより明らかに多いことに気づいた。
「なんで多くくれたの?」
「腹が減ってるだろう」
短い答えだった。だがフィンは、それに冗談を返すこともできず、ただ「ありがとう」とだけ言った。
村が滅んでから初めて、フィンは誰かと丸一日を過ごし、その一日がまだ終わらないでほしいと願っていた。




