17/21
第十六章 道の少年
ある日、フィンは道端で、古びた鞄を修理しようとしている同い年くらいの少年を見かけた。
「手伝おうか」
裁縫などほとんどできないのに、フィンはそう申し出て、開始一分で自分の指を刺した。
少年は静かに礼を言い、そのまま一人で修理を続けた。
フィンが話しかけても、返ってくるのは短い言葉ばかり。フィンは内心、(つまらない奴だ)と決めつけた。
しばらく歩くと、二人は閉鎖された橋の前で足止めされ、迂回路を探さねばならなくなった。
不満をこぼし続けるフィンに、少年はふと、最後に残っていたパンを黙って半分差し出した。
その瞬間、フィンは久しぶりに、見知らぬ相手に対して警戒心なく笑っていた。




