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第十五章 また明日戻っておいで
小さな町に着いたフィンは、安酒場で下働きを始めることになった。
店主は仕事が遅いといつも文句を言ったが、夜には必ず一皿分の食事を出してくれた。
数日のうちに、フィンはいつも同じ席に座る一人の常連客を、なぜか気にかけるようになっていた。
ある日、その男は挨拶もなく姿を消した。フィンは、思っていた以上に落ち込んでいる自分に驚いた。
それに気づいた店主が言う。
「人ってのは来て、去っていくもんだ。この店だけが残る」
「僕は、前半のほうが好きだな」
フィンがそう答えると、店主は初めて笑って言った。
「なら――戻ってくる人間を見つけることだな」
その言葉は、フィンの中に新しい考え方を根付かせた。
自分に必要なのは、通り過ぎていく誰かではない。戻ってきてくれる誰かなのだと。




