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第十三章 一人の道
最初の数日、フィンはとにかく歩き続けた。道が途切れさえしなければ、行き先はどこでもよかった。
ほとんど口を利かず、人の目を見ることも避けた。
ある日、荷物を落とした農夫を手伝うと、パンを一切れもらえた。
翌日も別の誰かを手伝い、また次の日も。
やがてフィンは気づいた。手伝えば食べ物はもらえる。だが誰も、この先どこへ行くのかは尋ねてこない。
夜になると、フィンは木の欠片を取り出し、母の声を思い出そうとした。
いつからか、フィンが恐れているのは暗闇そのものではなく――その暗闇の中で、もう誰も自分の名前を呼んでくれない瞬間だった。




