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第十二章 みんな、いなくなった
フィンは村を歩き続け、知っている名前を一つずつ呼んだ。
昨日まで当たり前だった場所が、今日はどこもよそよそしく見えた。
自分の家の階段に、フィンは長い間座り込んでいた。誰かが戻ってくるのを、まだ待っていた。
太陽が傾き始めた頃、ようやく気づく。
――待つべき相手は、もういない。
フィンが泣いたのは、痛みのためではなかった。明日が来るべき理由が、一つも思いつかなかったからだった。
その夜、フィンは地面に横たわり、木の欠片を強く握りしめたまま眠った。
朝になると、フィンは振り返らずに村を後にした。




