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第九章 祭り
村では秋の祭りが開かれ、フィンは一日中、屋台と催し物の間を駆け回っていた。
ほとんどの競技に参加し、ほとんどの競技で負けた。
的当てだけは、対戦相手が足を滑らせたおかげで、思いがけず優勝を手にした。
「これは完全に実力だから」
そう主張しながら受け取ったのは、小さくて安っぽい木のメダルだった。それでもフィンは、これから立派なコレクションを作ると宣言した。
母はその真剣な顔を見て笑いをこらえきれず、祖母は「これで我が家にも立派なチャンピオンが誕生したわね」と言って笑った。
夜、フィンはメダルを枕元に置いた。朝一番に見たかったからだ。
窓の外、遠く暗闇の中に――小さな火影が、また揺れていた。
誰も、まだそれに気づいていなかった。
喜びと不安が同じ夜に同居する。それは、これから起きることの、最初で最後の予兆だった。




