27.どうする (日夏過去編)
「ていうかさ、急過ぎるんだよ。 いきなりじゃなくてさ、回数を少しづつ減らしていけばいんじゃないかな」
「回数を減らす......なるほど」
なるほどって、なんだろう。冷静になり始めた俺はそれよりもなによりも親や兄妹、幼なじみ以外に見せた数年ぶりの涙による恥ずかしさが沸点へと近づくのを感じていた。
......でも、なんだろう。
(心が、軽くなった......?)
「うんうん。 でもね、アタシは回数を減らすにあたって、何かでその寂しさを埋める必要があると思うんだよね」
「うむ。 確かに......何か案があるのか?」
「んー、とりまネトゲではずっと一緒にいるでしょ」
ん?
「あ、なんなら学校も登下校一緒にしたら寂しさやわらぐんでない? そしたら一気に寂しいの解消できるかも? おお、名案じゃん!」
んん?
「つーか、もういっそお昼ごはんも一緒に食べようよ。 アタシ毎日作るからさ! ね?」
そーだ、それが良いよ!うんうん、と腕を組みながら頷く彼女。それを横目に眺めながら、俺は冷静に考える。
んー、それは無いですねえ。多分、そんな状況を誰かに見られでもしたら、俺はクラスどころか校内の男という男共に暗殺を企てられかねないぞ。
これがホントの暗殺教......なんでもない。それは冗談としても、その提案はちょっと難しい。
「いや、それはちょっとまずいだろ」
「え、ふぇ!? な、なにが」
俺が声をかけると、頬に両手を当て目を閉じながら何かをぶつぶつ言い続けて何かを妄想していた彼女が自分の世界から戻ってきた。
「何がって、それはお互い恥ずかしいだろ」
「は、恥ずかしく......」
視線が上の方へいき、思考する真白。おそらくは想像しているのだろうか。そして数秒後、ゆっくりと温度計が熱を示すように、顔に赤色が陰り始める。
「恥ずかし、く、ないっ!」
「嘘つけ! 顔真っ赤だろ!」
「で、でも、大丈夫! アタシがんばるからさ」
一向に退こうとしない日夏に対し、俺は首を横に振る。そうだ、だからといって平穏を引き換えにするわけにもいかない。
それは俺だけじゃなく、彼女にとってもそう。
「お互いの為にもそれはやめよう。 デメリットが多い」
「......」
うつむく真白。なにかを囁くように小声で呟いたが、聞こえなかった。
「なんか言ったか?」
「別に......なんも」
いや絶対何かいっただろ。つーか、お、怒ってる?
「す、すまん、何か気に障ること言ったか?」
「ううん。 大丈夫......アタシこそごめんね、困らせて。 それにちょっと卑怯だったし」
「? 卑怯って?」
「うんにゃ、何でもない」
そうして真白はぺろりと舌を出し、悪戯に誤魔化すのだった。
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