第15話「新協業先」
数日後、夏休みもあと3日となった頃。
「おい、大輝、日本行くぞ」
「へ?日本?」
「あぁ、日本の企業でサポートしてくれるところが見つかった。」
「わかりました」
日本に降り立つ。
そして向かったのは愛知のトヨタ本社。
「た、田邊先輩…?も、もしかして新協業先って…?」
「あぁ!トヨタだぞ!」
「えぇえぇぇぇぇ…!?」
思わず松下は腰を抜かす。
中に入ると見覚えのある人物が迎えてくれた。
「あ、守谷さん、お久しぶりです。」
「久しぶりだな〜、田邊、元気してたか?」
「え、守谷さん!?」
「ん?あぁ!松下くんじゃないか!あのテスト以来だね!」
そう、迎えてくれたのは松下がFRCに参戦していたころ、テストの機会を与えてくれた守谷玄弥だったのだ。
「守谷代表お元気でしたか?」
「ちょっと、大輝、守谷さんはもう代表じゃないんだ。」
「え?じゃ、じゃあ何をされてるんですか?」
「今はGAZOO RacingのF1プロジェクト責任者をやってる。」
「F1?トヨタはF1でてないんじゃ?」
「あれ、知らないのかい?GAZOOは2024年からF1チームと提携して技術支援をしてるんだ。」
「そのリーダーって…大役じゃないですか!」
「照れるな〜。」
「それで、君たちに伝えたいのはね…」
「TGRでパワーユニットを設計する?」
「あぁ、TGRとVERTEXでタッグを組んでおけば、VERTEXに提示された自作するにも当てはまるんじゃないかと考えてな。」
「で、でもトヨタにはパワーユニットを製造する技術はないんじゃ…?」
「なんのためにトヨタはWECやってきたと思ってるんだ?あれに使われてるエンジンだってV6だし、ハイブリッドの技術だってふんだんに使われてる。」
「そのノウハウを使うってことですね。」
「そうだ。」
「実はな、すでにそのパワーユニットは予備を含めて3基完成しているんだ。」
「「早っ!?」」
「だから、次の大会からTGR製パワーユニット、搭載できると思う。性能も楽しみにしていてくれ。私達の技術の結晶だからな。」
「もちろんです。楽しみにしてますよ。」




