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第13話「交渉」

F1は短めの夏休みに突入する。


ファクトリーからも人の気配がなくなった。

その証拠として、田邊と松下がいるオフィスは薄暗い。


節電のために電気は使っちゃいけないらしい。


モナコでの優勝から松下と田邊の2人は飛花のためにチーム移籍をさせるために動いていた。



「田邊先輩、マクラーレン、来週話を聞いてくれるそうです。」

「おぉ、でかした。こっちも後少しでメルセデスとの会合ができそうだ。」

とにかく2人は飛花をトップチームデビューさせたかった。



3日後、メルセデスとの会合の日を迎えた。

「やぁ、あなたたちがStorm F1のメンバーかしら?会えて嬉しいわ。私はマネージャーのスージー・ハウガー。」

「こちらこそ、お会いできて嬉しいです。」


「それと…」スージーが田邊を見る。

「久しぶりね、リョウ。」

「お久しぶりです。」


田邊はメルセデスの育成ドライバーとしてF1に参戦してきた。そのため彼らは顔馴染みなのだ。


「それで、お話っていうのは?」

「実は…」

そこから飛花をメルセデスに移籍させることはできないか?という話を進めた。


「そうね…こちらとしてはこういう条件でなら移籍を承諾しようと考えているわ。」


・メルセデスがStorm F1の株式の50%保有すること

・チームの第1ドライバーであるルイス・ジョーとアスカ・タナベを入れ替えさせる

・メルセデスのエンジニア、メカニック、開発担当者をStorm F1のメンバーとして起用すること


「これを満たせれば私達は協業も兼ねて移籍も承認できるわ。」


「これ、このメンバーたちをStorm VERTEXに行かせれば結構な戦力アップにつながるんじゃないんですか?」

「そうだな…これは我々としても嬉しい。それに、ストーム代表から決定権は俺に譲ってもらってるからこの場で決めちゃおう。」



「わかりました。この条件に合意します。」

「そう。わかったわ。それでは、契約は成立ね。」

「ありがとうございます。」

スージーと田邊が握手する。



メルセデスファクトリーを後にする。


「いやー、田邊先輩、よかったっすね、移籍の話まとまって」

「あぁ、まとまって何よりだよ。」



しかし、この数日後、事件が起こる。


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