↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/13

次の予定

 俺は今、秋と春で三人でお昼ご飯を食べていた。学校の屋上で。普段は入れないが今日は特別だ。なぜなら、春がこっそり屋上の鍵を職員室から盗んできた。

「風がいいなぁー!」

「でしょー? 最高なんだよね」

「ほんとにいいのだろうか……」

 俺は外では、後先のことはなにも考えない! なので気にせずご飯を食べる。春は怒られることに関しては慣れている、と言っていたから問題はない。

 問題は秋だった。屋上に来てからというもの、体の震えが止まらず俯いてご飯を食べている始末である。

「大丈夫なのか……」

 という感じで、答えもない自問自答を繰り返している。流石に心配になり、俺は声を掛ける。

「大丈夫だって! 責任は俺が持つ!」

「んなこといったって、先生は僕にも責任を持たせてくるよ……」

「夏の言うとおりだって! 男なんでしょ?」

 秋は春の言葉にピクっとした。ただそれだけで、それ以下でもそれ以上もない。

「……まぁ、そうだけど……」

「じゃあ問題ないな!」

 俺は秋の肩をガシッと掴んでバシバシとエールを送った。ちょっと強すぎたのか、秋が本能的に防衛態勢をとる。

「……それで、次のテストの日付はわかってるの?」

 秋が通常運転に舵をきると、急に現実味がある話題なっていった。

「んー……来月!」

「……はぁ、2週間後だよ……」

「え!?」

 俺と春は同時にそんな声を上げた。秋はポニテが風で揺れるだけで、何かと言うアクションはしない。

「じゃあー、テストまで遊びに行こう!」

 春がいきなり立ち上がり、指を天に指して元気よく提案した。立ち上がったのと風のおかげでスカートがフワッと浮く。俺と秋は一瞬にして顔を背けてしまった。

「……見ればよかった」

「なにいってるの……」

 俺は秋に小声でそう伝えた。しかし、秋は覚えていた。教室での出来事を。

「はぁ……何回言っても学ばないね! 聞こえてるわ!」

 春の怒声が風と共に乗って俺達に届く。だが、その声は心底怒っていなさそうだった。

「まぁ、体操ズボン履いてるからいいんだけど」

「いやいや、わかってないなぁ! スカートの中から見えるからいいんだよ!」

 俺はそう宣言した。次俺が目を開いた時には、春に髪を引っ張り上げられ、宙に浮きそうになっていた。

「ちょちょ! 痛いって!」

「知らない!」

 秋はそんなやりとりをコップ一杯分のお茶をすすりながら見ていた。俺が秋に目をやっても、秋の目は「自業自得だ」と言っている目だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。