四季さんって何者?
「こんにちはー……」
俺は腰を低くして、四季さんに挨拶をした。女子で、髪型はボブで茶色。身なりがきちんとされていて、雰囲気も上品だ。
「あ、どーも!」
意外にも、元気のある挨拶だった。席をぽんぽんとされたので、容赦なく四季さんの隣に座る。
「あ、どーも……初対面ですいません……」
「いいのいいの! その分、きっちり食べるから!」
あ、終わった、と思った。後から秋から聞いた話だが、四季さんは気分屋らしい。タダで助けてくれる日もあるし、対価をバッチリ貰うかの二極化が多いらしい。
最近の天気も、暑いか、寒いかの二極化で参っちゃうよ。ほんと、風邪だけは引きたくないものだな。
「ねぇ! 聞いてるのー!?」
「ぅわ! す、すいません!」
そんなことを考えているせいで、四季さんの説明をガン無視していたそうだ。これは不味い。いや、ご飯は美味しいけど、これは不味い!
「ふーん……そうなんだ。そういう態度とっちゃうんだ」
向こう側の席に座った秋はパフェを食べながら、じっくり観察しているようだった。
「気分屋の気分損ねると終わるよ」
そう書かれた紙が、秋から滑ってきた。どうやら、秋が滑らしてきたらしい。
「すいません……」
外はもうすっかりと暗くなった。宿題は全て終わった。結局は、四季さんと秋が終わらしてくれた。その分、代金は高くついたが……。
駅前で解散して、俺は秋と一緒に帰っていた。家が近くらしく、親近感が湧いた。
「……助かったけど、金なーい……」
「マイナスだったよね。僕もちょっと出したし」
「いやはや……あの人、見た目の割に結構食べるな……。どこに消えていってんだ」
「はは……夏くん。四季さんに聞かれてたら、どうなってただろうね……?」
秋の言葉が脅迫のように聞こえる。多分、本人には自覚がないのだろう。こわ……。
そして、電車に乗り込んだ。マナーはきっちりと守るタイプだから、外の景色をたっぷり堪能した。部活も入っていないから、この景色を見るのも、1学期以来だ。
秋はその間に、なにやらスマホゲームをしていた。ちょっとだけ見せてもらったが、FPS系統のゲームらしい。俺はそういうのはあまりやらないから新鮮だった。
人を撃って、殺した時が一番の笑顔だった。可愛い顔して、やってることはえぐい。
駅を降りて、べらべらと喋っている間に秋の家についた。
「あ、僕ここなんだ」
「へー。奇遇だね。俺は隣なんだ」
「……え?」
「……え?」
二人同時に戸惑った。そして、笑った。さっきの笑いとは違う、殺気のない笑い声だった。




