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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
45/71

045話 『新たな戦いの幕開け…海斗、故郷に帰す』

話的には第二部に入りますかね?



あの来豪との死闘後、奇跡的に町の住民は影の大群に誰一人殺されずにすんだという。

それも雫、輝羽、睦月、久刻達のおかげであろう…。

だがその戦いで校庭を中心に窓ガラスや扉などが半壊してしまっていたため学園は一時休校になってしまった。

なにが起きたのかを知るためにテレビ局や色々な人々が聖梁学園に殺到したという…

そして三日が過ぎた頃、



6/9(水)



辰宮家では今日は朝から母、琴美がいないという事でクリスが家に遊びにきていた。


「すみません…真紅さん、鈴架ちゃん。せっかく朝からお呼ばれされましたのに朝食まで頂いてしまいまして~…」

「いいのよクリス。別に気にしてないわ。もとは私達が朝食一緒に食べようっていったんだから」

「あ、ありがとうございます、真紅さん!」

「あ、お姉ちゃん!クリスさん! また私達の学校がテレビに映ってるよ?」


鈴架はテレビを見ながら真紅達に話し掛けてきた。


「ほら鈴架? テレビを付けながら食事をしちゃだめよ?」

「えー? だって気になって仕方がないんだもん…、お姉ちゃんやクリスさんだって本当は聞きたいんでしょう?」

「す・ず・か!ふざけてないで早く朝食を済ませましょう!

学園にいけないとはいえだらけすぎよ…?

今日はお母さんは特別会議で忙しいんだから私達が家の事全部しなくちゃいけないんだから…それにあれは私達がやっちゃった事なんだから責任をちゃんと感じなきゃ…」

「あ。うん、ごめんなさい…でもテレビつけといてもいいよね?」


鈴架がまだねばる。


「反省の色なしね…もぅ!」

「わ! お姉ちゃん怒っちゃった…?」

「少しね…。でも元気があるのはいいことだから今日は見逃してあげるわ」

「…ごめんなさい」

「クスクスッ………鈴架ちゃんは朝から元気ですわね」

「もう…クリスさんまでぇ…」


そして鈴架はいい加減諦めたらしくテレビを切ろうとした時に、


『…――この学園でなにが起きたのかは未だ不明です。なお、もう一つのニュースですがこの星林町近辺の町ではここ二、三日の間に謎の変死体が数々発見されているとのことです』

「…えっ? ちょっと待って鈴架! 切らないで!!」

「うん!」


リポーターのその話が出た途端、真紅は真剣な表情になりテレビの電源を切ろうとしていた鈴架をとめる。


『その変死体の犠牲者達は警察のお話によりますと誰とも接点は見つからないそうです。

そしてその死に方というのが包丁やナイフなどの刃物系統ではなく“針”のようなもので刺されたという線が高いそうです。

さらに不可解な点はこの二、三日目の間、雨は降っていなかったにも関わらずすべての犠牲者は全身水浸しだったとの事で同一犯との可能性があるとの事で警察は捜査を――……』


プツンッ…

そこで鈴架がテレビの電源を切った。


「お姉ちゃん! クリスさん!」

「えぇ…“針”に、“水”…! きっと仮面の女の仕業だわ!」

「一度海斗さんを倒した女の方ですわね!」

「うん…! 早く海斗くんに知らせなきゃ! あっ…!」

「どうしたの! お姉ちゃん!?」

「…そういえば昨日、海斗くんは…、


『ちょうどいいので明日は一回、自分の故郷の地に帰ってみようと思います。明日で美薙流本家が何者かの手によって壊滅させられてしまってから三年目になりますから…』

『あ、大丈夫ですよ。ただ殺されてしまった父上や姉さん、他の仲間達のお墓参りにいくだけですから…』

『気にしないでください。これは唯一生き残った僕の役目なのですから…』


…っていって昨日遅くに出かけてしまったのよ…」

「そうだったのですか…」

「海斗さん…大丈夫かな?」

「そうね…」



◆◇―――――――――◇◆



先ほどのニュースは雲隠家でも見られていて、


「ちっ! 来豪がやられたとわかったらすぐに仮面の女を差し向けてきやがったぜ!」

「この手際の良さ…やはり来豪は捨て駒にされていたのだな」

「敵だったとはいえ…来豪さんかわいそうですね…」

「はいです! 闇の王、許せないです!!」


四人がまた戦いが始まったことに対して奮起しているのだった。



◆◇―――――――――◇◆



…そして海斗は、



美薙流本家跡地。そこは都会とはかけ離れている森の中にあり、結界がはってあるために並大抵の人間は存在すら知らぬこの地には入ってこられないだろう…。

そしてその跡地には死体はすべて燃やされてしまったために埋められてはいないがいくつもの同胞達の墓が列なっていた…。


「…父上、母上、姉さん…そして皆さん。今年もやってきました…、去年は色々あってこられなくてすみませんでした」


海斗はお墓の列の前で一人話をしていた。


「…、ですがやっと皆さんの仇が討てるかもしれません…ですが僕は決して復讐の心だけで戦いません。

なぜなら今の僕には新しい仲間達がいるからです…大切な仲間が! だから、僕の事は心配しないでゆっくりと眠ってください…」


そして海斗は目をつむり手を合わせていた。


「ハハハハッ!」

「!?」


だがその静寂は一人の笑い声によってもろくも打ち砕かれた。


「誰ですか!? 神聖なお墓があるこの場所でふざけた笑いをするものは!?」

「あははっ…ごめんなさいね。来ると思ってついつい待っていたら本当にくるからね!」


木の上に仮面の女が立っているのだった。


「仮面の女!!」

「しかしよく一人で来たな…そんなに私に殺されたいようね?」

「誰が! 解咒!!」

「ふふっ! 前より強くなったかな…? あ、でも前は速攻で片付けてしまったから強くなったかなんてわからないわね?」

「…僕を挑発しているつもりらしいですがもうその手には乗りません!」

「なら力を見せることだね!」

「いいですよ! あえて挑発にのってあげましょう! はぁっ!」


シュッ!

海斗は空に飛び、


「はっ! やっ!」


シュンッ!シュンッ!


「ふっ…! はっ!」


シュッ!

キンキンキンッ!


海斗「っ!(すべて同じ軌道で投げてはじいたか!)なら! 美薙流! 破砕針! 高速連弾!!」


海斗は重量のついた針を連続で放った。


「私を守れ…針水晶!」


仮面の女が水晶を掲げた瞬間、結界のようなバリアが展開された。


「なっ! あれは…美薙流の結界防御!?」

「驚いたか…?」

「…えぇ、まさか技だけではないとは…なぜ貴様が!? なにより今僕が聴きたいことはなぜ貴様は遥海姉さんの針水晶を持っているのかを知りたいです!」

「さぁ~てね? なんでかね…?」

「白をきるつもるか!?」

「それじゃ一つヒントだ。お前は私を知っているはずだ!…さて、私はいったい誰でしょう?」

「?、…なにをいっているんだ! 僕は貴様のことなんか知るわけがない!」

「そう…それじゃ今回のヒントはここまで! 受けなさい!」

「くっ…!(次はなにが来る!?)」

「さぁ出番よ! 縛針!!」

「!?」


すると海斗の後ろに針が刺さりそれが陣をつくりだし海斗を閉じ込めた。


「しまった!! 背後に配置してあったのか!」

「その通り! さぁ受けなさい! 落水針!! ヤッ! ヤッ! ヤッ! ヤッ!」


仮面の女は身動き取れないでいる海斗の真上に針を投げ、それが直角に曲がり海斗に降り注いだ。


「っ! 美薙流! うぐぐっ…轟旋!!」


海斗はなんとか体を捻って回転し針を放ちまくって縛針の結界を打ち砕いて直ぐ様、


「水の力よ! 守護封水陣!!」


水の結界をはり、すべての針を弾いた。


「危ないところだった…」

「…私の知らない防御術ね? それが話にきく十二支の技なのかしら?」

「そうです!ですがやはりリーチが同じでは埒があきませんね…しょうがない! 水滸さん、使わせて頂きます。出でよ!『水龍(すいりゅう)』!!」


カァッ!

すると宝玉から青白い薙刀が出現した。


「薙刀!?」


チャキッ!

海斗は水龍を掴むと構えをし、


「では…いきます!はぁっ!!」

「くっ…!」


ガキンッ!

仮面の女はなんとか海斗の薙刀を作り出した長針で受けとめたが、

ギッギッギッ…!


「(っ…!やはりリーチの差はきついわね…しょうがない!)はっ!」

「なっ!」


仮面の女は力づくで海斗の薙刀を弾き返すと、


「今日はこのへんにしといてやる! それと死にたくなかったら早く逃げる事だな…」


そして仮面の女は姿を消した。


「逃げたほうがいいとは…? はっ!? まさか、まさか…!!」


海斗は辺りを見回した!すると墓の一つに一本の針が刺さっており、


「あ、あの針は…! 叢雲!! いけない! 爆発する!!!」


叢雲とは爆発効果が宿っている針のことである。

そして海斗はその針に向かって走った!


「(間に合え…!)」


だが間に合わず針は爆発してしまった。

そして次々と破壊されるお墓。


「うわぁーーーーっ!!」



………………

……………

…………



「…ゲホッ!くっ…叢雲を止めることができなかった。皆さんのお墓が…」


海斗は目を覚ますと叢雲が爆発した位置から煙があがっていた…。


「…ん? あれは叢雲特有の煙り文字、……な、なに!?」


海斗はその煙り文字を見て息を飲んだ…!


「『お前の姉は生きている』…、だと!? なんのつもりなんだ! 仮面の女は!! ですがこれが本当の事だったら…遥海姉さんは奴らに捕まっているという事なのか!!?」


海斗はこぶしを握り締めて『姉さんは…生きている』、と…何度も呟いていたそうだ。




――to be continued.


姉が生きていると知った海斗の心情はいかに。

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