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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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ワンランク上、ダンジョン下層の洗礼!

 今日も朝から神楽坂ダンジョンにアタック!

 汗水たらして労働だ。それもいよいよダンジョンの下層に進む時がきたんだよ。


「さっき受付に並んでる時、耳に挟んだんだがよ。あのフロレゾがまた注目されてるんだってな」


 ダンジョンの前でちょろっと事前確認をしていたら、まゆまゆが話を始めた。


「フロレゾが? どんな注目のされ方かわかる?」

「まどかも知らねえのか。まあ悪い噂じゃねえ、むしろいいニュースだろうな」

「わたしも聞きましたよ。『くれないの魔法愛好会』傘下に入った『フローラリア・レゾナンス』ですが、高千穂さんを含めて主体的にハンターとしての活動に力を入れていくそうです」


 うーん? どういうこっちゃ。


「……ルカがハンターとして」

「はい。高千穂春琉花さんは、あの『ベリーハードモード』のスキルがありますからねえ。天剣の庇護下にいた時には、それはそれは大事にされていて、籠の中の鳥のような状況だったそうです。それが紅魔会こうまかいの傘下では、活動方針が変わったのではないでしょうか」


 ほーん。ハンターとして労働をがんばるのはいいことだね。


「便利でも厄介なスキルだからな。当然、一般のダンジョンじゃねえ。紅魔会が管理してる専用ダンジョンでって話だ。まあ所詮はさっき耳に挟んだ噂でしかねえ。本当なら、今後はもっとマシな情報が出るだろ」

「……そうね。気にしても仕方ないわ。それよりあたしたちの目標を考えましょ」


 噂話かー。受付に並んでる時はマドカとツバキと一緒に、いま一番注目すべき新作アイスについて、真剣に語り合ってしまっていたわ。噂話なんか聞いてる場合じゃなかったわ。


「なるほどな。その噂が本当なら、今後はいくらでも話が聞けるだろう。とにかく、我々は今日からダンジョン下層に挑む。集中しよう」

「そうだよ! 下層でやれちゃうのはワンランク上のハンターだからね、バリバリやってこう!」

「はい、がんばっていきましょう!」


 高まる気合と勢いで、第三十階層にワープ!


「ほいじゃ、この階層はまたスルーでいいよね? 下層に備えてさ」

「ああ、ここもモンスターの数が少ない。なるべく消耗は避けて、次に進むとしよう」


 草の代わりに針が生えた草原? をザクザク踏み越えてダンジョン下層に向かう。

 遠くのほうで骸骨くんがウロチョロしているだけだから、避けて進む必要だって全然ない。


 そうやって、いざその入口にたどり着いた。到着までは余裕だったけど、ちょっとだけ緊張しちゃうね。いよいよ下層だ。


「なんかさ、めっちゃムズくなるんだよね? モンスターがやっぱ強いのかな」

「それもあるけど、下層は一段とトラップが凶悪になったり環境が悪くなったりするみたいね」

「だがその分、取れる魔石が高く売れる。経験値も跳ね上がるぜ?」


 ムズイなりにお得なことがたくさんだ。


「第三十一階層からが、どうして下層とカテゴライズされているのか。単なる数字上の区分けとは違うとされるその理由、身をもって体験するとしよう」

「よっしゃ、みんないくよー」


 これで私たちもワンランク上のハンター!

 いつもより勢いよく、とっとこ階段を下った。



「ほい到着っと!」


 針の草原を踏みしめる。ブーツでザクザク踏み潰せるくらいな感じだけど、こけたら結構やばいよね?


「環境としては第三十階層とあまり変わらないわね。少し暑い?」

「マグマの川が大きく広いな。その熱の影響だろう」


 ツバキの結界と沖ちゃんの刀から漏れる冷気があるから、暑いダンジョンでも私たちは全然平気だ。結界の中ににさえいれば、むしろ快適なくらい。


「向こうを見てください。早速、お出ましですよ」


 お、きたね。ちょっと遠くのマグマの川が騒がしい。泳いでやってきたっぽいね!

 そして真っ赤に光るマグマのしぶきを上げながら登場だ。近くで見たら迫力ありそう。

 どんな新モンスターかなと思ったら。


「なんだ、カッパくんかよ」


 中層で見たことあるね。頭に乗ったお皿がめっちゃ硬い、骸骨のカッパくん。骨の体にはマグマがいっぱいで、ぐるぐる流れて体を作ってるやつだ。


 すごいモンスターだなって思うけど、前に見たのとあんま変わんなくね?

 あ、でもだいぶでっかいわ。前のも大きかったけど、もっとでかそう。


「まだ遠いのでわかりにくいですが、身の丈3メートル以上……もしかすると4メートルはありそうですね。以前に一度見たものに近いですか?」

「骨格が違う気はするけど、同系統のモンスターではあるわね。だとすれば、マグマを飛ばしてくるわよ」

「前の時にはアタシと瑠璃で、霧を使ってあれの体を冷やしてやったんだっけな」

「そうだ。マグマを冷やし、固まった部分を削っていったはずだ。最後は葵とまどかで、頭の皿を叩き割ったと記憶している」


 おー、そういやそうだったかも。


「弱点はお皿でええの?」

「確認してみるか……なに? いま『奈落の目』で視たが、弱点は心臓に当たる場所で頭部の皿ではない。だがあのマグマの体は厄介だぞ。高い防御能力もさることながら、易々とは近づけん」

「え、弱点はお皿じゃなかったの?」

「皿を割っても仕留めることはできるだろうが、そもそもそれは頭部の完全破壊に等しい。あれだけ硬かったことも踏まえれば、弱点と呼べるものではないだろう」


 なんだよ、カッパなのにお皿が弱点じゃないのかよ。


「それにここはダンジョン下層ですからねえ。前よりも厄介さが増してそうじゃないですか?」


 前の時、リカちゃんはマグマ攻撃をバッチリ防いでくれたけど、すごい大変そうだった。あの時より、もっと激しい感じになるのかな。


「確認したいな。下層に入って初めての戦闘でもあるし、まずは様子を見るぞ」


 そうだね。一気にぶっ倒すつもりで攻撃するのもいいけど、ここから先が長いんだからね。

 どのくらいモンスターが強くなったか、ちゃんとたしかめないとだ。


「……うへー、あいつ遅くね?」


 のろのろ歩きやがってよー。モンスターらしく、もっと勢いよく襲いかかってこいよ。

 マグマ攻撃が届く場所まで待ってあげないといけないのか。おせー。


「あの動きの遅さも以前と同じだ。あまり効果は期待できないが、銃撃を仕掛けてみる」


 銀ちゃんがささっと狙撃銃をぶっ放したら、カッパくんの顔にバッチリ当たった。でも全然効いた感じがしない。


「……以前と同じく、マグマの体に弾丸が飲み込まれて終わりだな」

「だったら前と同じ攻略方法か? 一気に頭の皿をかち割るか、マグマの体を冷やして削るかだ。弱点がわかっても、楽になりそうにねえな」

「マグマを剥がせれば楽に討伐できるのでしょうが、まずマグマへの対処が難しそうですね」

「なにかしら激しい衝撃を与えられれば、マグマを吹き飛ばせるかもしれないわね」


 おお、それができたらカッコいいわ。

 ドバンとハンマーでぶん殴って、マグマが一気に吹っ飛んだりしないかな?


「そろそろ攻撃が始まると思います。葵ちゃん、わたしだけで厳しそうな時は手伝ってくださいね」

「わかったよ。マグマ攻撃、どんなもんかねー」


 リカちゃんがドンと構えた盾の後ろにみんなで隠れた。

 攻撃が始まったら、マグマの砲弾がドバドバ降ってきたのが前の時だ。あの時と同じだったら、リカちゃんの強くなった防御なら余裕だと思うけどね。


 緊張が高まったところで、さっそく新スキルの『金剛不動防御』に『拡張魔力装甲』が重ねられた。リカちゃんの大楯以上の広い範囲がこれでカバーできる。


 まあ余裕だろと思っていたら、すごい衝撃が走った。


「こ、攻撃が始まりましたー!」


 リカちゃんもみんなもびっくりしているわ。

 続けてドバンッ、ドバンッと盾に当たる巨大カッパの攻撃。結構なスピードの連続攻撃だね。


 マジかよ。前のマグマ攻撃は遠くから斜め上に吐き出して、それが雨みたいに降り注ぐ感じだった。あれはあれで怖かったけど、今回のほうが断然、威力が高そう。


「リリカ、耐えられる?」

「最初は驚きましたけど、思ったより大丈夫そうですねえ。このまましばらく受けてみます」

「よし、これならあの攻撃の持続時間が計れそうだな」

「……いや、待て待て。マグマの川のほうを見ろ! なんか騒がしくねえか?」


 うお、赤く光る川がめっちゃバチャバチャしているわ。


「ぎょうさんきた」

「ホントだよ、めっちゃきてんじゃん」


 カッパくん大集合かよ。まだ増えるっぽいし。

 あれ、結構やばくね?

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。累計300話到達おめでとうございます! やはり下層はヤバいですなぁ…元々の難易度も高いのに、葵ちゃんのスキルでパワーアップしてるんだから納得の難易度では有りますが。 それでは今日…
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