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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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295/298

思った以上の難易度高めダンジョン!

 私の倍くらいはある背丈の、ガッチリムキムキ悪魔くん。

 もう見るからに悪魔な感じのモンスターが突っ込んできたと思ったら、先頭にいるリカちゃんの盾をぶん殴った。


 でも残念! すごい迫力で威力もありそうだけど、不動のリカちゃんはビクともしない。


 超強い私たちは、そんな様子を黙って見ているわけもなく、すでに動き出している。

 ツバキとまゆまゆが弱体化や状態異常攻撃を仕掛けて、銀ちゃんとマドカが銃をぶっ放した。


 銃弾が頭にヒットしたら、強い悪魔のモンスターでもさすがに痛いよね? なんて思っていたら、当たる直前に魔法のシールドっぽいものに跳ね返されたのが見えた。


「情報通り、一定程度のダメージを無効化するシールドだ。どの程度で剝がれるか、試してみるぞ」


 そんな銀ちゃんの声を聞きながら、スキルを使っためっちゃ早い動きの沖ちゃんが、刀を突き出してはシールドに阻まれているのも見えた。

 ちょいと遅れて私のハンマーもくらいな!


 頼れるハンマーを振りかぶっているところで、悪魔の赤い目で見られた。すっごい背中がぞわぞわするんだけど。

 これ、嫌な感じだよ。やめてほしいわ。


「おりゃーっ」


 まずは小手調べだ。スキルは使わないで、思いっきりぶっ叩く。

 でっかい悪魔のお腹に向かって、よいしょっと!


 ドバンと叩き込んだけど、やっぱりステータスがちょっと下がってる影響かな? いつもより力が入らん感じはするね。

 シールドに弾かれちゃったハンマーを『念動力』で完璧に操って、もう1発お見舞いだ。


 私のハンマーでドン!

 沖ちゃんの刀でドン!

 マドカと銀ちゃんの銃でもドン!


 悪魔のシールド強くね?


「ダメだ、アタシの状態異常どころか『耐性喰い』も入らねえ。シールドのせいか、全部防がれてやがる」

「うちの梓弓も効いてへん」

「まだ耐えられますけど、わたし結構削られますからねえ!」


 いつの間にかマドカのスキルのスポットライトに照らされたリカちゃんが、悪魔に攻撃されまくっている。

 だけどさすがはリカちゃんだね。リカちゃんは精神攻撃に強いスキルもあるから、たぶんまだまだ全然やれるよね。


「梨々花、できるだけ耐えろ。悪魔のシールドの耐久力を知りたい」


 そうそう。マジでしぶといわ。

 ドカンドカンとリカちゃんの盾をぶん殴る悪魔を観察しながら、みんなで攻撃しまくる。


「うお? よっしゃ、どりゃーっ!」


 沖ちゃんが刀でドンと突いたタイミングで、魔法のシールドが砕け散ったのがわかった。

 突きのタイミングに合わせてぶち込もうとしていたハンマーに、より一層の力を込めて振り抜いた。


 いい感じに入ったハンマーと同時に、マドカの銃弾も悪魔の頭に当たったっぽい。

 それによって、もろに吹っ飛ばされた悪魔くん。

 5メートルくらいかな? ちょっと離れたところに転がった。


「やっと剥がれたか! 皆、ここからが本番だ」


 そうだね。いまの攻撃は効いたと思うけど、まだ全然倒したっぽくないわ。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ」


 うるせー! ささっと起き上がったと思ったら、耳が痛いくらいの雄たけびを上げたやがったよ。悪魔のくせにケダモノみたいだね。

 なんて思っていたら、背中のコウモリみたいな羽をバサッと広げた。


「え、飛ぶの?」


 まさかだよね? そんな話は聞いてないよ。


「うおっ、速っ!」


 飛びはしなかったけどシャカシャカ走って、まさに飛ぶようなすごい速さでリカちゃんの盾に向かって突っ込んだ。

 なにをするのかと思ったら、体当たりをぶちかました。リカちゃんの盾に重なっている『拡張魔力装甲』が明滅した気がする。


「リリカ、大丈夫!?」

「いまのは辛いですー! 何回も受けるのは無理ですよー!」


 なんて言っている間にも、悪魔の握りしめた超硬そうな拳の連打が盾をドカドカ殴っている。

 私たちも横っちょから攻撃しているけど、この悪魔くん、ぶちギレちゃってるよね?

 もう絶対、リカちゃんの盾をぶっ壊そうとしてやるって感じなんだけど。


「このままでは梨々花が持たない、全力攻撃で倒すぞ!」


 よっしゃ、やったるか。

 頼れるハンマーを握り直して、さっそく『ギラギラハンマー』をと思ったら、悪魔が急によろめいた。

 それでもって、よろよろ倒れてしまった。なんで?


「……ようやくか。状態異常が通りやがったな」

「まゆまゆ! 強くね? なにが効いたん?」


 あれだけ迫力のあった悪魔くんが、こうも簡単に倒れちゃうとか。シールドさえぶっ壊せば、余裕っぽいわ。


「クラススキルの『融合連鎖』で、アタシのスキルはほぼ全部同時にぶち込んでやった。特に『昏睡の誘い』が効いてるみてえだが、複合的な状態異常のお陰だな」

「なるほどな。シールドは厄介だが、それさえ剥がせばまゆのスキルはかなり有効のようだ」

「それさえわかってしまえば、練馬ダンジョンの攻略も見えるわね」

「あのシールドの耐久力は凄まじいが、スキル込みの攻撃なら次はもっと早く破れるはずだ」


 ぶっ倒れた悪魔くん、口から泡吹いてね?

 こんなにおっそろしい姿なのに、だいぶ情けない姿だね。


「トドメはアタシが刺してやる。このザマなら、さすがに通るだろ」


 まゆまゆが『毒針術』から進化したスキル『猛毒長針術』を使うと、ぶっとくて長い魔法の針が飛び出した。それを握りしめたまゆまゆが、倒れた悪魔にドスンと突き刺したらそれで光に変わる。最後はあっけないね。


「これは……第一階層の割には魔石が大きいな。情報通り、第三十階層相当の大きさなのだろう」

「労力に見合うかと言われちゃ微妙だが、悪くはねえな」


 もっと楽に倒せるようになりたいね。


「さっきの戦闘を振り返らない? あの城の中には同タイプのモンスターが多数いるはずよ。効率的にシールドを剥がして、マユのスキルを撃ち込んでいけば問題なく探索できそうよね」

「あれだけ攻撃を重ねて、やっとシールドを破れましたらからね。強めのスキルで畳みかけて、早めに破るほうが消耗は少なそうです。葵はどう思いますか?」


 まだよくわからんね。


「めっちゃ頑丈だったし、スキル使っても1発じゃムリっぽい気がしたわ。みんなで1発ずつ使えばいけるかな? 試してみたいね」

「そうした意味では私のスキル『収束充填』が役に立つかもしれん。どの程度の魔力を込めれば剥がせるか、検証するのは手だな」

「いいんじゃねえか? 限界までの威力でやって、それでシールドをぶち破れるなら、あとは少しずつ減らせばわかるな」


 おー、どのくらいの威力が必要かわかるのはいいね。


「弱点の確認もしたいわね。蒼龍の資料では聖なる攻撃とあったけど、それが使えるのはツバキだけよ。今回はマユの状態異常が有効なのがわかったけど」

「うちの呪符、シールドに弾かれとった」

「あのシールドはダメージだけではなく、弱体化のような攻撃も通さなかった。正面からも後ろからも防いでいたが、常時全方向の防御とは無駄が多いようにも思える。何か弱点がありそうだがな」

「このダンジョンとは長い付き合いになりそうですからねえ、じっくり調べていけばいいんじゃないですか?」


 そうかも。そこそこ強かったけど、あの悪魔くんは最初のザコモンスターだもんね。

 本番はまだ始まってもいないんだよ。


「ちょっとお城の中、入ってみる? てゆーか入りたいわ。気になりまくるわ」


 なんてったって、悪魔城だからね。こんなダンジョンはきっとほかにはないよ。


「様子を見るだけならいいんじゃない? 場合によってはモンスターとまた戦ってみるのもいいわね」

「だよね。リカちゃん、いける?」

「モンスターの数が少なければ、大丈夫だと思います。こうしている間にも、だいぶ回復できましたし」


 やるとなったらちゃちゃっと行くよ。

 お城の庭をとっとこ歩いて、でっかい門の前に到着したらまたギギギーーーッと扉が開いた。この音、うるさいし不気味な感じでマジで嫌だわ。


 扉が開いたと思ったら……めっちゃ体重くなってね?

 なんだよこれ。ちょっと戦いとか、そんな場合じゃないかも。


「……これはちょっと無理ですかねえ」

「撤退だ。葵と瑠璃もいいな?」

「うん、蒼龍のおっさんがあきらめた理由がわかったわ」

「私も無理を通せるとは思いません」


 すたこらさーっと。帰りますわよ。


 超広そうなお城の中には悪魔のモンスターがいっぱいいたし、聖域化なんて目じゃないくらいの弱体化が入るっぽい。

 なんなんだよ、これ。こんなのムリじゃね?

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 う~ん、これはまさしくクソダンジョン!(断定) 敵は強いわデバフは常時仕事してるわ…こりゃかつての強者が「あきまへんわ」って断念するのも当然ですよね( ´Д`) それでは今日は…
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