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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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悪魔のお城とモンスター!

 サブクランやらの面倒なことは、いったん雪乃さんたちにお任せだ。

 そうとなったら、私たちはずっとお預けだったことをする。


「練馬ダンジョンにアタックだよ!」


 ようやく足元のダンジョンに入れるから、朝からテンション上がるわ。

 朝のルーティーンをそれぞれ終えたら、パーティーメンバーでロビーに集合した。


「蒼龍からの資料は各自読んだな? やはり特別気になる問題は、入っただけでステータスが3割程度も弱体化するという環境だ。しかも攻略を進めれば進めるほど、弱体化が強化されるらしい。あまりに厄介だな」

「それでも堕天使の加護には期待が持てます。思った以上の効果を発揮してくれればいいのですが」


 弱体化と加護かー。まあ、なんとかなるよね。


「それにまどかも言っていたが、葵の『ウルトラハードモード』の状況下ではモンスターの情報は当てにならん。環境についても百聞は一見に如かずだ。体験してみなければ何とも言えんな」

「おう、その前にだ。まずは入れねえようになってるあの扉が、本当に開くかが問題じゃねえか? とりあえず、そいつをたしかめようぜ。これで扉が開きませんでしたじゃ、話にならねえ」


 いやいやいや。


「大丈夫だよ! 蒼龍のおっさんがレベル30になったら入れるようにしたよって言ってたからさ。これで扉が開かなかったら、いまからきてもらうわ」


 ホントに超特急の大急ぎで呼び出すわ。


「やっぱり前もって扉の開閉くらいは試したほうがよかったですかね?」

「なに言ってんの沖ちゃん。こういうのはさ、いまから挑むぞって時に開けるもんなんだよ! 事前に開けちゃったらわくわく感が減るんだよ!」


 初挑戦のすごいダンジョンなんだから、雰囲気は大事にしていかないと。開かずの扉を開けるのは、これが最初なんだからね。

 最初は1回しかないんだよ。実験で開けちまったら、マジでつまらん。


「じゃあいまから挑むんだし、早速試してみたら?」

「そうだね。よっしゃあ、ほいじゃご開帳といこうか!」


 やべー、いままであんまり気にしないようしてたけど、すっごいドキドキしてきたわ。

 ついに開けちゃうのかよ。開かずの扉を!


 いよいよ蒼龍のおっさんがあきらめた、練馬ダンジョンに入るんだよ!



 ロビーからも見える扉の前にまず移動した。

 ここを開けるのは、最初にこのクランハウスに入った時以来だ。


「じゃあ、いくよ? 開けちゃうね?」


 みんなもちょっと緊張してきたっぽいね。黙って見守ってくれている。

 扉の横っちょのパネルに手をかざせば、星魂紋を読み取ってピッと音がして扉が開く。これは真のクランハウスに入る時と同じだ。

 同じようにパネルに手を当てたら……未来的な扉がシュイーンと横にスライドした。


「うおおーっ、開いた! 開いちゃったわ!」

「問題なさそうね」

「話には聞いていたが、扉を開けた先にまた扉か」

「随分と厳重ですよねえ」


 なんかね。たくさん行き来するようになったら、いちいちめんどくさいかも。

 次の扉にもまたピッとしてシュイーンと開けたら、これも超久々に見るでっかい空間、そんでもってダンジョンの入り口だ!


「すげー、クランハウスの中にダンジョンがあるよ。マジすげーわ」


 ホントにすごくね? こんなクランハウスはなかなかないよね。たぶん。


「早速、入りますか! 実はかなり楽しみにしていました」

「うちも結構楽しみやった」

「移動が楽なのはいいな。これで稼げるダンジョンだったら、もっといいんだがよ」

「どうだろうな。あの蒼龍が危険だからと、何度も念を押すくらいだ」


 入る前からごちゃごちゃ考えても仕方ないよ。

 そうだよ。扉が開いただけで喜んでる場合じゃないんだよ。ここからが本番だ。


「ほんじゃ、入ろう!」


 意気揚々と思い切って入るぞ。

 ここは景気よく、勢いよくいこう!


「おりゃーっ!」

「アオイ、待って!」


 待たない、待たない。階段くらいはちゃちゃっと降りないとね。



 たったか階段を降り始めて、さっそくこのダンジョンのすごさに気づいてしまった。

 とりあえず、夜だ。外は朝なのに、このダンジョンは夜。蒼龍の資料にも書いてあったけど、実際に見るとすごい迫力だ。


「悪魔のお城、すげー!」


 立派でカッコいいお城だけど、不気味な迫力がある。

 めっちゃ高い塀もあって、中庭のほうは見えないね。

 しかも紫色のかがり火があちこちにあって超不気味だ。雰囲気あるわ。それにしても紫色の火がカッコいいね。


「……数々のダンジョンを見てきましたが、迫力は過去一番ですね」

「夜だからかしら? 不気味な炎と影の大きさも相まって、全体的に威圧感があるわね」


 遅れて私に追いついたみんなも、びっくりしているわ。


「まだステータスに影響はねえよな? 城門を抜けてからが本番か?」

「おそらくな。蒼龍の資料にはそこまで書いていなかったが、城内の領域は一種の結界のようになっているのだろう」


 ステータスが下がるとか言われたはずだけど、この階段だとまだない感じだね。

 階段の終点がそのままお城の門、入り口に繋がっている感じだから、そこからが本番っぽい。


「門が閉じてるのは情報通りね。近づけば、勝手に開くはずよ」

「ここからでは何も見えませんが、城門の向こうにはモンスターがいるんですよね? わたしが先頭に立ちますね」

「梨々花、頼む。いきなり襲われるかもしれん、ステータスの弱体化も含め警戒を怠るな」


 うんうん。また緊張感が高まってきたわ。

 いつものフォーメーションを組んで、ツバキの結界も発動して、残りの階段を進んだ。


 最後の段を降りてめちゃでかい城門の前まで行ったら、門が勝手に奥に向かって開き始めた。しかも金属がギギギィーッて感じのすごい音が不気味なんだよ。

 あらかじめそうなるってわかっていても、自動ドアとでかい音はちょっとびっくりするわ。


 それでもって城門の向こうが見えるようになったわけだけど……。


「マジかよ。めっちゃ悪魔じゃん。あれって、完全に悪魔だよね?」


 紫の炎に照らされた悪魔みたいなモンスターは、もろに悪魔だわ。写真より実物のほうが悪魔感がすごい。

 いろんなモンスターを見たことあるけど、まだ初めては残ってるもんだね。


「黒っぽい肌に巨躯、ヤギのような角に、コウモリのような翼、そして尻尾。わかりやすく悪魔だな」

「蒼龍の資料と一致しているわ。アオイのスキルで別のモンスターになるかと予測していたのだけど、何が違うのかしら。あるいは懸念したように、ここってウルトラハード以上のダンジョン?」

「見てくれは完全に蒼龍の情報通りだが、能力のほうはまだわかんねえぞ」

「まずは戦ってみますか」


 そうそう。とりあえずね。

 門の向こうは広場っぽい感じで、悪魔のモンスターは1体しかいない。めっちゃ強くても大丈夫そうな気はするね。


「じゃあ、行きますね」


 盾を構えたリカちゃんが慎重に門の向こうに進む。みんなでちょっとだけ進んだところで、すごい異変を感じた。


「うおー、これって聖域化ってやつに似てるわ。たぶん、ステータス下がったよ」

「これがそうなのね? かなりの違和感があるわね」

「体は重くなりましたが、想定の範囲内ではあります。加護のお陰か思ったよりは平気です」

「瑠璃と葵は聖域化を経験しているからな。初めて受けた身としては、少し慣れる時間がほしい」

「アタシもそうしてえが、あの悪魔は許してくれそうにねえぞ」


 ホントだね。ちょっと離れた所にいた悪魔が、さっそくこっちに近づいてくるよ。

 おー、結構でかいわ。資料だと3メートル近いとか書いてあった気がするね。そんなもんかな?

 めっちゃムキムキだし、すごいでかく見える。


「あれ、なかなか速いですよー!」


 リカちゃんが待ち構えてくれるから、そんなに怖くはないね。ツバキの結界に入れば、悪魔の動きだって遅くなるはずだし。

 想像以上に軽やかに走る悪魔が近づいて、赤い目が見えたと思ったら。


「ぐおー、なんじゃこれ!」


 背中がぞわぞわする。ぞわぞわしまくりなんだけど!


「精神攻撃の一種だ! こいつは恐怖心を刺激するタイプに違いねえ、気を強く持て!」


 そういうこと?

 私ったら、いちいちモンスターを怖がったりとかあんましないけど、ちょっと怖い感じしちゃったもんね。

 たぶん赤い目を見ちゃうといけないんだね。


 まあ、このくらいならがまんできるかね?

 とりあえず、ハンマーでぶっ叩こう!

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