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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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天使っぽいモンスターに挑戦!

 またなんやかんやと時間がすぎてしまった。

 私がシャバに出てから、1か月くらいたったかな。時の流れが早いわ。


 とにかく、あれこれありまくりつつの時間が流れて、私たちはいよいよ三鷹ダンジョンのいっちゃん奥、第三十階層に挑戦することにした。ダンジョン入り口の転送陣の前で、みんなでちょろっと最終確認中だ。


 第二十九階層までは、金の騎士と金の恐竜を相手に戦ったけど、とにかく硬くて強かった。

 毎度、1回のダンジョンアタックだと全然数は倒せないのに、それでも経験値はめっちゃいっぱいもらえるから、やっぱりここはレベルが上がりやすい。


 お金を稼ぐ効率は低すぎるけど、レベル上げには最適だわ。


 それにしても、いよいよ最後の階層だ。

 前の時はセーラさんたちが戦うのを見学しただけだった。

 あの戦いは天使っぽいモンスターが強かったし、めちゃ強い私でもちょっと厳しいかもって思えるくらいだったのは覚えてる。


 でもいまの私たちなら、いける気がするね。


 あの超強いモンスターを倒しまくって、レベル30になるんだよ。そうしたら、別のダンジョンでさっそく下層に入ってみたい。

 ダンジョンの下層に入って活躍できたら、ハンターとして一丁前らしいしね。早くそうなりたいわ。

 それでもって、今度こそお金稼ぎのターンに入りたい!


「――まずは1体撃破したいわね。これまでと同じように、モンスターの強さとどの程度の経験値が得られるかの確認ね」

「そう! 階層が上がるにつれて、もらえる経験値が増えまくりだからね。あの天使っぽいモンスターはいっぱいくれる気がするわ!」

「レベル30は節目なので、早く到達したいです」


 またいい感じのスキルも覚えられそうな気がするね。


「私も同じ気持ちだが、焦りは禁物だ。葵とまどかの話によれば、その天使型のモンスターは上級クラスを得ている星ノ宮さんや白峯さんでも、本気を出す必要があった相手だ。簡単に倒せるとは思えん」


 セーラさんと琴葉さん、すごかったんだよね。いまでも忘れないわ。

 琴葉さんが機動力抜群の騎士みたいな戦い方で、セーラさんが謎の超パワーアップ魔法とか結界とか使っていた。


 先にみんなで第三十階層に移動して、モンスターの姿だけはちょろっと見物した。でも戦ってみないとわからんことだらけだ。


「なに、アタシらもこのダンジョンでかなり強くなった。葵のウルトラハードに慣れてる分、経験もあるしよ。勝ち目は十分にあるだろ」

「話を聞くに、天使型は強そうですよねえ。わたしたちの実力を測るにはちょうどいい相手だと思います。ほかのダンジョン下層に挑みやすくもなりますよね」

「うちも最初から本気でやる」


 ツバキもやる気だね。天使っぽいモンスターがいかに強いかって、前にマドカと一緒にみんなに話したから、そのせいなんだろうね。


「よっしゃ。とりあえずは私の『黒縄』で倒せるか、試してみるわ。あとはみんなの最強スキルとか組み合わせて、どのくらい楽に倒せるかだね」


 私の超つよつよスキルも、レベルが上がってなんか強くなってるっぽいからね。もしあれで倒せなかったら、結構やばいわ。


「そうだな。葵の切り札を使っても倒せないようなら、我々にはまだ早いと考えるべきだろうな」

「上手くいけば、その次はいつものフォーメーションですね」

「天使型はこれまでの騎士型や恐竜型に比べて、明らかに格上のモンスターよ。特に盾役のリリカは、少しでも厳しいと思ったらすぐに伝えて」

「緊張しちゃいますねえ」

「まあ、アタシらもここ最近でだいぶ強くなった。特にレベル25で覚えたスキルがかなり使えるからな」


 そうそう。みんなめっちゃ強いスキル覚えたし、私だって『ぬるぬるアーマー』のあとでもう1個覚えたしね。だいぶ強くなったわ。

 みんなも慎重な感じはあるけど、自信もある。きっとやれるよね。


「では行くか」


 転送陣にイン! 第三十階層にワープだよ。



 やってきました。メタル系モンスター出まくりダンジョンのいっちゃん奥、第三十階層に。

 なんにもない荒れた大地の環境は、見るだけでも寂しい感じになる。天使のモンスターも、ずっと遠くのほうにちょろちょろいるだけだし。

 ホントはめっちゃ寒い階層らしいけど、ツバキの結界で寒さはほとんど感じない。結界ってマジありがたいわ。


「天使型モンスター……改めて見ても荘厳ですね」


 でっかい羽が生えてるし、鎧と剣を装備してるもんね。頭の上には光り輝く輪っかがあるし、おまけにちょっと浮いてるし。普通とは違う格上のモンスターって感じ


「ちょっとイレギュラーモンスター感あるよね」

「複数いなければ、イレギュラーと判断してもおかしくないほど強力なモンスターよ。アオイ、早速だけどやってみて」

「ほいよっと、ちょっと遠いけどいけるかな」


 気合一発!

 ずっと遠くのほうにいる1体に狙いを定めて、悪鬼スペシャルスキル『黒縄』の発動だよ!


 私の中の力がギュインって抜けていく感覚と一緒に、地面から魔法の焼けた鎖が飛び出した。それで天使をまんまと縛り上げたね。

 めっちゃ強いイレギュラーとかだと、あの鎖を引きちぎったこともあったけどね。どうなるかな?

 広い場所でモンスターが遠いから、余裕ありまくるわ。なんか楽だね。


「……倒れないが、動くことはできないようだな。あの『黒縄』に数秒以上耐えるだけでも、凄まじい耐久力だ」

「お、言ってる間に消えやがった。倒したな」

「よっしゃ、よっしゃ。これならいけるよ。お次は正面からぶっ飛ばそう!」

「アオイ、経験値はどう?」


 おお、まずはそれだね。



■星魂の記憶

名前:永倉葵スカーレット

レベル:28(レベル上昇に必要な経験値:7,871,400)

クラス:はぐれ山賊

サブクラス:しゃにむに悪鬼

生命力:259(+2,240)

精神力:259(+4,900)

攻撃力:259(+4,760)

防御力:259(+2,660)

魔法力:259(+3,080)

抵抗力:259(+2,800)

運命力:803

スキル:ウルトラハードモード(試練を与える。ダンジョン難易度の上昇、難易度に応じた報酬獲得率アップ、成長率が難易度相応に変化)

:ソロダンジョン(専用のダンジョンに入ることができる)

:武魂共鳴(装備品が使用者と結びつき、レベルに応じて成長する)

:毒攻撃(攻撃時に毒ダメージを与える)

:星の糸紡ぎ(星魂紋の詳細が可視化される)

:状態異常耐性(状態異常への耐性を得る)

:カチカチアーマー(カチカチしたシールドを召喚する)

:ギラギラハンマー(ギラギラするハンマーが追加攻撃する)

:生命力吸収(攻撃時のダメージに応じて、対象から少しだけ生命力を吸収する)

:念動力(念じることより物体に干渉する)

:健康体(病気知らず)

:メラメラハンマー(メラメラするハンマーが追加攻撃する)

:ヒエヒエハンマー(叩きつけた場所を冷却する)

:だいだら・初(ダンジョンに道を拓く)

:ぬるぬるアーマー(ぬるぬるしたシールドを召喚する)

:ビリビリハンマー(叩きつけた場所がビリビリする)

クラススキル:拘束具破壊(拘束具を簡単に破壊できる)

:威嚇(威嚇対象に恐怖感を与える)

:荒野の生存者(過酷な環境への耐性を得る)

:黒縄(焼けた縄を召喚する)

加護:弁財天の加護(魅力・芸術能力・財運アップ。五頭龍をソロ討伐し弁財天に認められた証)

:厄病神の加護(災厄を返し悪因悪果を与える。疱瘡悪神をソロ討伐し厄病神に認められた証)

:瀬織津姫の加護(精神力増強、攻撃力増強、スキル威力増強。戦闘技術を磨き瀬織津姫に認められた証)

:座頭法師の加護(演奏能力・呪いへの耐性アップ。暗闇での視界が利くようになる。座頭法師に認められた証)



 ほうほう。次のレベルアップに必要な経験値がだいぶ頭おかしい感じだけど、いまの天使を倒しただけでだいぶ減った。


「うおー、あの天使すげー。経験値5万くらいもらえたんじゃね?」

「あと何体倒せば、次のレベルに上がれそうなの?」

「うーん? えっと、次までは780万くらいだね」

「ということは、156体程度か」


 銀ちゃん、計算早いね。


「そんなもんでレベル上がるのか? 数だけで考えりゃ、だいぶ少なくてすむな」

「実際のところ第二十六階層以降では、短期間でかなりレベルが上がりましたからね」


 もうちょいレベルが低くて、三鷹ダンジョンが使えなかった時は、たしか3,000体とかモンスター倒してやっとレベルが上がるくらいだった気がする。

 私たちったら、もう普通のダンジョンに戻れなくね?


「でもここが最後の階層と思えば、ボーナスステージのようなダンジョン攻略も終わりが近いですねえ」

「ホント、マジでそれだよ。ねばってもレベル33とか34が限界っぽいわ」


 階層と自分のレベルが5より大きくなると、なんでか経験値がちょっとしか入らなくなるんだよね。

 いまはいいけど、レベル50までの道のりが果てしなく遠く感じてしまうわ。


「あたしたちのレベルの上がりの早さは異常なくらいだけど、今後はかなりゆっくりになるかもしれないわね」

「ここから10年かけても、それでもまだ早いほうだ。焦らずやっていこう」

「日々の活動を続けていれば、少しずつ上がっていきますからね」


 私は早く上級クラスになりたいけど、そんなこと言っても仕方ないか。


「そろそろ天使型と戦います? もし手に負えないようだったら、葵ちゃんのスキルで助けてくださいね」

「大丈夫だと思うけどね、わかったよ!」


 よーし、あの天使とまともにぶつかって勝てたら、私たちはだいぶいい感じだって自信が持てる。

 なんせあのセーラさんたちでも、本気でやらないと勝てない感じのモンスターだったし。


 どんなもんかね?

 でも私もみんなも新しいスキルあるから、たぶんイケちゃうわ。

 ふほほ、楽しい戦いになる気がするね。

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