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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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突発ラーメン屋ミーティング!

 やたらと濃い味の油そばを、みんなでそろって食べる。

 毎回思うけど見た目のインパクトがすごいんだよね。ここのラーメンは。

 初めて食べた油そばも、大量の背油とか山盛りのもやしとか、もうすごい!


「ほっほー、いつものラーメンとは違うけど、こいつもアリだね!」


 太い麺に絡みまくるドロドロの油と醤油味のタレ、たまらねーっす。

 スープがない分、味が超濃いわ。労働後じゃなかったら、ちょっとキツイかもしれんね。


「濃いわね……でも美味しいわ」

「疲れた体には、ちょうどいいかもしれないな」

「くーっ! ビールが進むぜ」


 まゆまゆが2杯目のビールを飲みほしてしまった。そんなに美味いのかね?


「うち、スープ餃子のおかわりほしい」

「私もです。葵はどうします?」

「うん、私も食べるわ。おーい、お姉さん!」

「はーい、ただいまー!」


 お腹減ってるからね、いっぱい食えて嬉しいね。

 みんなでメシを食べながら、あれこれ話すのもいい時間だ。


 雪乃さんに今日のダンジョンであったことを話し、雪乃さんからも面白そうな話を聞く。

 商店街で夏にお祭りがあるとか、どこかの店のおばちゃんがギャンブルで負けたとか、そういう話を聞くのもなかなか楽しい。


「ところで皆さん、先ほどの新しいメンバーの話なのですが」


 いったん話が途切れたところで、雪乃さんがちょいとマジメなトーンで切り出した。

 そういや、そんな話をしていたね。


「紫雲館のやり方を参考に、本体の花園とは別にサブクランとして組織します。構成メンバーについては、これまでよりも基準を緩め、まずはクラン設立可能な5名を集めることを優先しようかと考えています。どうでしょう?」


 マジかよ。まさかこんなラーメン屋で、ここまでちゃんとした話をされるとは思わなかったわ。

 堂々と話しちゃうのは、別に秘密にするような話じゃないっていうか、広まったほうがいい話だからかな?


「新メンバーにする条件ってのは、まどかのスキルリンクが有効なことだよな?」


 スキルリンクは性別が女で、体格とかもマドカに近くないとダメだった。スキルの進化で、範囲がちょっと広がったようなことは言ってたけど、それでもかけ離れたらムリだからね。


「そうだな、まずはその点についておさらいしておこう」


 銀ちゃんが話を仕切り直したね。


「仲間を作るのは必要だとして、どうメンバーを運用していくかだ。通常、5人から7人でパーティーを組むのが常識だが、ダンジョン下層以降では複数パーティーでの攻略が推奨されている。特に我々は特殊でもあるしな。ただ、現状のパーティーに加える、あるいはもうひとつのパーティーでの攻略を目指すにしても、まどかのスキルリンクの観点から無制限にとはいかない。まどか、そのあたりはどうだ?」

「そうね。感覚的にはあと3人程度は追加できそうかしら」


 おお、スキルの進化でそうなったんだね。まだ進化するのかな?


「ということは、パーティーを別に分けるより、現状に3人を加えた形にしたがほうがいいかもしれん。連携の練り直しは必要になるが。あるいはスキルリンクを考慮せず、別のパーティーを伴っての攻略を考えるかだ」

「アタシは別のほうがいいんじゃねえかと思ってる。それこそ状況によってよ、一緒に行動するか、別行動するか選べるしな。それに新入りが育ってくればメンバーも固定じゃなくて、状況に応じて変更できればクランとして総合的に強くなるだろ」

「たしかにな。大手クランの強さは、ただ人数が多いだけではない。その人数によって、対応可能な幅が広いことにもある」


 ほーん?

 いやー、それにしてもここのスープ餃子は美味いねえ。こんな餃子の食い方があるなんて、この店に入るまで知らなかったよ。


「それでもまどかのスキルが適用される条件は外せないと思います」

「サブクランを作る目的が、人員を本体の花園に昇格させることですからねえ」

「まどかおねえのスキル強化されたら、また強なる」

「そりゃあ、まだ伸びしろはあるだろうがな」


 スープ自体もめっちゃ美味いんだよね。全部、飲み干してしまうわ。


「緩められる条件としては、現状のレベルを考えますか? クラスが明らかになるレベル10未満は、これまで対象外としていましたが」

「人物調査で妥協したくないわよね。変な人に花園が壊されるのは嫌よ」

「ダンジョン探索の最前線には向かねえクラスはあるが、まずは人数集めねえと、いつまで経っても形にならねえからな」


 うーん。しょっぱいものばっかり食ってるから、甘いものがほしくなってきたね。

 どっか別の店に移動したい気もするけど、みんなの話は長そうだよね。ごま団子でも注文するかな。


「あとクランができても最初は指導が必要ですよね。サブクランとしての運営なら、資金の面でのサポートも」

「ええ、事務方の増員も必要になります。お金は相応にかかりますね」

「ダンジョン下層まで進出できれば、魔石の売却益はぐっと上がるはずよ。資金面での心配はあまりしていないのだけど」


 ちょいちょいと、バイトの姉ちゃんを呼んだ。


「ごま団子、みんなも食べるよね? とりあえず20個で!」

「はーい、ごま団子20個ですね」


 よしよし。あ、お土産にしてもよかったかな。


「ちょっとアオイ、ちゃんと聞いていた?」

「聞いてたって。サブクランはそんな感じでいいよ。まゆまゆも言ってたけど、とりあえずは人数集めないとさ。私はやる気さえあるなら、誰でもいいよ」


 やっぱやる気が大事だよ。小難しいことはわからんけど、とにかく労働への意欲があれば大丈夫!


「葵さんは変わりませんね。わかりました、では重点項目としてはまどかさんのスキルが適用される範囲内であること、そして本人のやる気ですね。次に同盟を組めそうなクランなのですが、いくつか候補は選んでいます。もちろん先方の意向もありますので、交渉を経てになりますね。細かいところは、またクランハウスで話します」

「新メンバーより、同盟のほうが現実的かもな。ただ紫雲館のやり方を参考にするなら、うちに取り込んでサブクラン化しちまう手も考えるだろ? その場合にはまどかのスキルも考えなきゃいけねえから、小規模クランになりそうだな」


 ごま団子はまだかねー。


「そうなります。小規模クランは交渉の面でそれほどの負担はないと見込んでいるのですが、その前段階の構成メンバーの調査に手間取るのが難点ですね」

「時間も金もかかるわけだな? なにをするにも簡単にはいかねえな」

「当面、仲間やクランのことは雪乃さんにお任せするしかないですね。私たちはそれまで、三鷹ダンジョンの攻略に集中しますか?」

「あそこはいつでも好きに使えるわけじゃないですからねえ。使える時に使わないと、もったいないです」

「そうだな。レベルを上げて、金も稼ぐ。いい加減、クランランキングをある程度までは上げたいと考えてもいる。単なる評判以上に、ランキング特典にも魅力がある」


 お? クランランキングの話?


「ランキング! 私はずっと前から、駆け上がりたかったんだよね」

「ごま団子、お待たせしましたー」

「うおー、めっちゃ美味そう!」

「熱いですから、気をつけてくださいねー」


 なかなかでっかいごま団子だよ。これは食いごたえあるね。


「クランハウスに戻ってから、ランキングについてはおさらいしましょうか」


 こういうのはちゃんと熱いうちに食わないと、もったいないわ。

 小難しい話はあとでいいよ。

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― 新着の感想 ―
サブクランはマドカが元いたベリーハードのグループとか 後はムショのエリカ達とかかな
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