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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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数字に表れないレベルアップ!

 お試しで金ピカ騎士を何体か倒して気づいたけど、騎士の強さがそれぞれ違った。

 モンスターのくせに個性があるみたいだけど、それは神楽坂ダンジョンの骸骨も同じだ。そんな感じのモンスターなんだね。


 最初に戦った金ピカ騎士は実はそこそこレベルで、いま戦っている奴はもっと超強い。

 やっぱ金のメタル系モンスターって、銀と比べてだいぶ格上だわ。


 いまも突き出された槍がフェイント交じりで避けにくい。まあ避けるけど。

 さらに避けたと思ったら、横からの軌道に変わって叩かれそうに。


「うおっと」


 攻撃の変化がスムーズだね。いつも私がやる『念動力』を使っての急制動みたいな動きも普通にやってくるわ。

 槍を避けるのはムリっぽくて、ブーツで蹴っ飛ばしてやった。あぶねー。

 でもまだ終わらない。槍を蹴って軌道を逸らしたと思ったら、盾で殴りかかってきた。


「おりゃーっ」


 金ピカ騎士は強いけど、私もやられっぱなしじゃないからね。殴ろうとする盾に、ハンマーのぶちかましを合わせてやった。

 ドカンと気持ちよく当たったのに、吹っ飛ばすどころか勢いを弱めるくらいしかできない。


 それと、めっちゃ硬いね! もう盾をぶっ壊してやるくらいのつもりで殴ったのに。

 メタル系のそれもちゃんとしたすごそうな盾だからかな。とんでもない防御力だわ。


 私と金ピカ騎士がちょっとした攻防を繰り返した隙を狙って、沖ちゃんがこっそりと動く。

 騎士の盾はちょっと硬すぎてどうにもならないからね。本体に攻撃をぶち込むしかない。

 上手いこと忍び寄った沖ちゃんが、騎士の後ろから斬りかかる。


 ところがだよ。

 ズバッと決まったと思った刀の攻撃を、騎士は体をくるっと回転させて盾で受け止めた。


「なんて反応速度!」


 沖ちゃんもびっくりしてるね。それでもまだ終わってない。


 今度は絶妙なタイミングで、マドカが2本のバトンを投げている。横手のほうから、頭と足元を狙ったいい攻撃!

 呪いの護符を貼り付けた状態だから、当たればちょっとはダメージになるはずだよね。


 ところがどっこいだよ。

 沖ちゃんの刀を盾で受け止めた姿勢のまま、超素早い槍さばきでバトンを弾いてしまった。すごいわ。


 一瞬の攻防だ。ここで私たちはいったん、金ピカ騎士から距離を取ることにした。

 適当な距離を開けると、金ピカ騎士は追いかけてこない。ここだけは楽だね。

 そうしてちょっとみんなで話す。


「最後の瑠璃とまどかの攻撃、あの三方からのほぼ同時攻撃をさばかれたな。ただでさえ凄まじい身体能力に加えて、あの戦闘技術は並大抵ではない」

「さすがはゴールドのメタル系モンスターってか? 第二十六階層で、もうあんなバケモンが出てくんのかよ。しかも、あれはイレギュラーってわけでもねえ」

「葵姉はん、大技なしで勝てるん?」


 私の最強スキル『黒縄』とか使えば、普通に勝てるんだよね。でも消耗が大きいそういうのをなしでやっていけないと、時間のかかるダンジョン探索はできない。

 それにああいう強い奴には、まともにぶつかって勝たないといけないわ。そうじゃないと、今後もっとレベルの高いモンスターとやる時に厳しくなくなっちゃうからね。


 メタル系を倒してザクザク経験値稼ぎしている分、ここががんばりどころだね。


「大丈夫だって。みんなもちょっとずつさ、なれてきたよね?」


 強いのと戦い続けていると、自分たちもどんどこ強くなるんだよね。

 私も久しぶりにちょっとは手応え感じるし、沖ちゃんとマドカにはちょうどいい相手だと思う。

 まあそれに金ピカ騎士はめっちゃ強いけど、それでもまだ私のほうが強いからね。いざって時にはどうとでもなる。


 がははっ、やっぱ磨き上げた技術が違うよね!

 ただあれだね、とんでもなく硬いわ。あの超硬い防御を簡単に崩せる戦法がほしいね。


「たしかに、少しずつですがあの動きに付いて行けるようなった気がします」

「あれの隙をつくにはタイミングの取り方も、素早くそれでいて正確な動き出しも必要ね。徐々にやれるようにはなってる気はするけど……」

「次はアタシも前衛で入るか。あれとタイマン張れるようになったらよ、それこそ数字以上のレベルアップにならねえか?」

「数字上のレベルアップは遅くなるが、当面の目標はそうしてもいいかもしれんな」


 早く数字のレベルも上がりたいけどね。


「急がば回れの精神や」

「そうしよっか。何日かやるだけでも、だいぶ違うと思うしね。次はもうちょっと攻撃スキル多めに使ってみようよ」

「はい!」


 よっしゃ、再戦だよ。



 さっきのめちゃ強い金ピカ騎士にまた挑みかかる。

 モンスターが休むとどのくらい回復するのか全然わからんけど、さっきまでのダメージなんてなかったと思うことにしよう。


 まずはいつものようにツバキが結界を広げて、まゆまゆがモンスター弱体化のスキルを使う。

 さらに銀ちゃんが狙撃銃をぶっ放して、金ピカ騎士の注意を引く。

 最初はおとり役のリカちゃんが受け止めて、その隙に私と沖ちゃんとマドカが騎士の横や後ろに回る。


 リカちゃんに槍を突いたタイミングで、私からいっちゃうよ。


「おりゃーっ、くらえ『メラメラハンマー』!」


 後ろから襲いかかったのに、金ピカ騎士はまたすごい反応速度で防御した。

 盾とはいえだいぶいい感じにヒットしたのに、ちっとも吹っ飛ばせる感じはしない。めっちゃ重量感ある防御だわ。反動で私のほうがはね返されちまったね。


「うおっ」


 はね返されてまだ空中に浮いてる状態なのに、盾を構えた金ピカ騎士がそのまま迫ってきた。盾で私をぶん殴る感じ?

 でっかい盾がすごい勢いで迫ってくる。ちょっと遅れて、というかだいぶいいタイミングで沖ちゃんとマドカも攻撃してくれたのに、そもそもメタルで硬い体の金ピカ騎士はその攻撃を無視しやがった。


 私をやっちまおうって感じなのかな。

 ハンマーで殴るにはちょっと体勢が悪いし、普通に盾を蹴っ飛ばして逃げるかな。


「あ、そうだよ! こいこいっ、新スキル『ぬるぬるアーマー』!」


 ぐぐんと迫る盾に合わせて、こっちも盾を使ってみた。

 ちょっと丸みのある半透明のシールドが、ごつい金の盾とぶつかったらどうなるか。

 私のシールドは後ろに下がりながらだし、空中に浮いている。普通ならシールごと吹っ飛ばされる感じだろうけどね。


 ダメなら普通にキックして下がろうと思ったところで、盾と盾がぶつかった!


 すると、にゅるんって感じに金の盾がすべって、元の勢いがすごかったせいか金ピカ騎士がうつ伏せに倒れてしまった。

 なかなか豪快にすっ転んだね。

 マジかよ。ぬるぬるの盾、すごくね?


「いまよ!」


 うおっと、そうだ。ボケッとしてたら時間がもったいない。


「もういっちょくらいなー! 今度こそ『メラメラハンマー』をくらえい!」


 ドカンと頭にぶち込んで、反動で持ち上がったハンマーをまた叩きつけるよ。


「えいやっとー!」

「私もいきます! 連撃『疾風穿刀』ッ」


 タコ殴りみたいになってしまったら、もうおしまいだ。

 めっちゃ強かった金ピカ騎士は、倒れた状態でもやっぱり硬かったけど。カッチカチだ。


「やっぱさ、こかしてからぶん殴ったり踏んづけたりするのが強いわ」

「原始的ですがある意味、戦いの基本と言えますね」

「自重が重すぎて、転ぶと立て直すのが苦手なのかもしれないわね」


 それもありそう。

 足元への攻撃ってやられると嫌だし、そういうパターンをもっと作るのはいいね。


「うおっしゃ、この調子でやりやすいパターンを編み出していこうよ!」


 パーティーとしてもレベルアップしていきたいからね。

 強いモンスターはやっぱやりがいあるよ。

 いまは楽しいからいいけど、次のターンはもっとザクザク稼ぎたいねー。

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