表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/109

Vol.082【ミクスト・テキーラ】

挿絵(By みてみん)


2017年3月24日 PM7:10


漓久とケンジは静かに店のドアを開けた。


薄暗い照明。

古びた木のカウンター。

煙草とアルコールが混ざった、歌舞伎町特有の匂い。


店に入ってすぐ右側の席で、

来夢はすでに酒を飲んでいた。


ケンジ「来夢!

約束通り来てやったぜ。」


来夢「よぉ〜!!ケンジ〜!!

久しぶりじゃねぇか!!会いたかったぜぇ?」


ケンジ「今日は電話で話したダチも一緒だ。

南っていう。」


来夢「アンタがケンジのダチか!

こりゃまたイケメン様だな!」


漓久「イケメンではないですけどね。

来夢さん、今日はよろしくお願いします。」


来夢「ハハッ!

イケメンで謙虚たぁ完璧じゃねぇか!

俺ぁ、気に入っちまったぜ!」


来夢はニヤつきながら、

二人に向かって席を指さした。


来夢「まぁ座れよ。

好きなもん飲んでくれ。」


ケンジ「……なぁ来夢。

詫び入れるだけなら、別に歌舞伎町じゃなくてもよかっただろ。」


来夢「おっと〜!

相変わらず冷てぇなぁケンジ〜!」


ケンジ「……」


来夢「最高のおもてなしじゃねぇか。

眠らない街・歌舞伎町でよ。」


ケンジ「今日はお前ひとりか?」


来夢「あははっ!

俺が仲間連れて、お前ボコるとか思ったか?」


ケンジ「……」


来夢「そんなことしねぇよ。

今日は詫び入れに来ただけだ。」


ケンジ「だったらさっさと済ませろ。

俺たちも暇じゃねぇんだ。」


来夢「ったく……

お前は昔っから態度が硬ぇよな。」


来夢は視線を漓久へ向けた。


来夢「親友さんまで黙っちまってるじゃねぇか。」


漓久「俺のことは気にしなくていいっすよ。

ただの幼なじみなんで。」


漓久「南漓久です。」


来夢「俺は青柳来夢。」


来夢「まぁ、俺もケンジとは幼なじみみてぇなもんだが……

アンタは、それ以上みてぇだな。」


漓久「……」


来夢「今日はよろしく頼むぜ。」


ケンジ「コイツは俺の親友だ。

無理言って付き合ってもらってる。」


ケンジ「用が済んだら帰る。」


来夢「そぉかよ〜!

だったら今日は、その親友さんとも楽しく飲ませてもらうぜ。」


ケンジ「…………」


漓久「ケンジ。」


ケンジ「……あ?」


漓久「来夢さんも、ちゃんと詫びたいって言ってるんだ。

今日は飲んで、和解すればいい。」


ケンジ「あぁ……」


来夢「さすが親友さんだ!!

話がわかるじゃねぇか!」


来夢は店員を呼び、

グラスを指で軽く叩いた。


来夢「さぁて、何飲む?」


漓久「あ……じゃあ俺、Mixtosを。」


来夢「おっ!

漓久さん、強ぇ酒いくんだな!」


漓久「まぁ、嫌いじゃないんで。」


来夢「ますます気に入ったぜ!」


ケンジ「……来夢。」


その瞬間――


来夢の口元だけが、

ゆっくりと歪んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ