Vol.054【硝子の群れを抜けて】
漓久「俺をハメたのか!?って聞いてるんだよ!安藤!」
安藤「は?なんのこと?」
漓久「俺に関係する物を桜沢の部屋に仕込んだのはアンタなのかよ!?」
安藤「私が?そんなことをする必要があるの?」
漓久「SoRaをそこまで調べるのは明らかにおかしい!!」
安藤「これだけは言っておいてあげる!私はまだあなたを完全なシロとは思ってないし、心のどこかであなたの記憶障害が関係する事件だとも思っている!」
漓久「記憶障害は発症していない!!」
安藤「人間の脳に関するデータなんて100%じゃない!いつどこでどんなことが起こるかなんて誰にも予測できないし、科学的にも解明できない部分もある!要するに、私は記憶だけに頼る証拠を探してるんじゃないってこと!」
漓久「やっていない!俺は…空央の部屋には行っていない!行っていない」
安藤「そう思うなら、別の証拠がいる。あなたが空央さんの部屋に行っていないという確実な証拠が。」
漓久「SoRaの情報を聞いて、俺の無実が証明されるのか?」
安藤「警察はどんな情報も逃さない!何かを知ってると思う人物がいるなら、どんな手段を使ってもその人物から徹底的に調べ上げる!そしてあなたが本気でSoRaを守りたいと思うなら、私に協力するべきよ!!」
漓久「SoRaを売るのは…イヤだ!」
安藤「事件に関係する情報を提供するのは義務よ!」
漓久「SoRaは関係ない!情報なんて知らない!」
安藤「そう、残念だわ。また話す気になったら、いつでも連絡を。それじゃ。」
安藤は冷静な態度で電話を切った。
ふざけるなよ、安藤!!
ふざけるなって……
俺は心の中で叫んだ!!
SoRaの情報なんて、俺だって詳しくは知らない!
たとえ知ってても、安藤のあの態度に到底教える気にもならない!
桜沢の部屋にあった俺のネクタイと写真、指紋の付いたグラス……
間違いなく誰かが俺を意図的にハメようとしている!
安藤が刑事である以上、アイツに協力しなければ俺は無実を証明する証拠もなく、記憶障害を理由に犯人にされちまう!
安藤がSoRaを知りたがる理由……
安藤がSoRaを知りたがる理由はなんだ?
その時、俺の脳裏にある憶測が浮かび上がった。
ま、
まさか!安藤……
安藤、
お前ひょっとして!




