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Vol.039【アンダーワールド】

挿絵(By みてみん)


空央 「あとこれも教えてあげます。」


漓久「なんだよ!!」



空央 「私とSoRaは二卵性双生児です」



漓久「そ、、、、、

そんな、、、

バカな、、、」


______________________


あの掠れた記憶は何だったんだ?

遠い遠い

昔の記憶……

酷い頭痛と共に

時々現れる

記憶の断片。


____________________


空央「どうしたの?

何か思い出した?」


漓久「お前がおかしな事を言うから頭痛が……

うぐっ!」


空央「そっか……

やっぱり…

それは、あなたの罪、のせいかもですね。」


漓久「罪……だと?」


空央「そう!罪。

だから私はあなたを余計に離したくなかったのかもしれない。」


漓久「何がどうなってんだ!?」


空央「情報量が多すぎて困る?」


漓久「頭がおかしくなりそうだ!

なんて?

…SoRaと桜沢が双子?

……嘘だ!!」


空央 「SoRaと私が双子なのは紛れもない事実!

だからSoRaに会えば……

南さんは必ず後悔します!!

だから会わないで!」


漓久「SoRaが俺の写真を……

展示会に見に来ていた……」


空央 「あなたの心には今、SoRaしかいない……

私はそれが許せない!!

ずっと、ずっと……

想いは私のものだった……」


漓久「だからお前は俺の会社に?」


空央 「好きなものが同じならどうしよう!

たまには私にちょうだいね!

南さん……

いや、漓久くんだけでいいから

あとはSoRaにあげる。」


漓久「桜沢、お前は何もわかっちゃいない!

自分の意思だけで思い通りになると思うか!

好きという気持ちは相手に強要するものじゃない!

互いに気持ちが通じるかどうかだ!

お前は自分の勝手な気持ちを強引に押し付けようとしている!

そんな想いは相手に通じない!」


空央「そんな事は分かってる!

こんな事をしても想いが通じないのは分かってる!

ならどうするか……

SoRaを落として、あなたからSoRaの記憶を消すだけ!」


空央「せめて……

せめてあなたがSoRaを知らなければ!

SoRaを追いかけなければ!

私はあなたと同じ会社で同じ部署で時間をかけ、自然に小さな恋を育てられたのに……」


空央「だからあなたのダイアリーにSoRaがコメントをしたのが許せなかった!

また、あの子は私から大きく育てるはずだった小さな恋を奪った!」


漓久「桜沢……」


空央「あなたは人間嫌い!

だから私にはどんな事があっても決して振り向かない!

ただ、あなたは過去に1度だけ……」


漓久「1度だけ?

なんだよ!

1度だけって何なんだよ!」


空央「私にも可能性はあるのかな?って思った。」


漓久「妄想かよ!

くだらねぇ!!」


空央「振り向いてほしくて自分磨きもしたけど……

もう、疲れた……

妄想だと思ってもらっても構わない!

今更だけど!

だから私はSoRaをこの世界から消すしかない!!」


漓久「そこまでしてSoRaを……」


漓久「SoRaは!!

SoRaは誰なんだ!?

答えろ!!

何故SoRaに会えば後悔するんだ!」


空央 「SoRaは絶対にあなたの前に姿を現さない!!」


空央 「そして私も絶対にSoRaの正体をあなたには言わない!!」


空央 「もしSoRaの正体を知ればあなたとSoRaは……

絶対言えるもんか!!」


漓久「なぜ、なぜそんなことを!!」


空央 「もう全て終わりにする!

SoRaにトドメを!!」


空央 「私のサブアバターはYuMe!!」


空央 「SoRaを葬り、YuMeを削除する!」


漓久「YuMeって、、」


漓久「SoRaのフレンドの1人……」


空央「YuMeもSoRaに信頼されていたけど、再びこの日が来るのを待ってた!」


空央「私は何度でも何度でもSoRaを壊す!!」


漓久「何度でもって……

まさか!!

辞めろ、桜沢!!

お前らは血の繋がった姉妹じゃないのか!?」



空央「そんなものは、もう捨ててる!」


空央「SoRaのダイアリーに、私の妹に、あの悲惨な姿の動画のLINKを貼る!

それでSoRaは終わり……

LINKに飛び、その動画を見たフレンドがSoRaを憐れむ!」


空央「SoRaがいちばん精神的に追い込まれるのは、SoRaを憐れむ人間が無数に慰めの言葉を投げかけてくること!!

そしてあの娘は!

必ず自分のアバターを削除する!!」




空央「そしてあなたは、

永遠にSoRaを知らずに生きていく……

SoRaが誰だったのかわからず、永遠にね!」




漓久「な、なんて奴だよ、お前って!!

悲惨な姿をした動画?

そんな……そんな事をしたらSoRaが壊れちまう……

壊れ……ちまう……

やめろ…辞めてくれ……」


空央「悲しい……

悲しいよね、漓……久……くん……」



今の桜沢はもうあの和かなよく笑う桜沢ではない!

今は何をするかわからない!!



俺は慌ててSoRaの日記に飛んだ!!

SoRaに知らせなければ!!

間に合ってくれ!




▶YuMe 2017年4月5日 ちょっと前

あなたの役目はもう終わりだよSoRa!!(笑)

SoRaは、新世界にいきま~す(笑)


_____________________



ある部屋で


チャイムがなる。


PM11:08



「こんな夜遅くだれ?」


「今から面白くなりそうだったのに」


「はーい」


「どちら様?」


「あら、どうしたんですか?」


「そんなに急いで来なくても良かったのに……」


「あれ?なんか目付き、怖いですよ?」


「ちょ……!どうしたの?」


「え?………………」



「きゃああああぁぁぁ!!!」


─━╋─━╋グサッ!


「ぎゃあああぁぁぁ!!!」


─━╋─━╋グサッ!グサッ!


「ううぅぅ!!」

「や……や……めて……」


─━╋─━╋─━╋─━╋グサッ!グサッ!グサッ!


─━╋─━╋─━╋─グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!!


「グハッ!!」

「はぁ……あ……ぁぁぁ」


─━╋─━╋グサッ!グサッ!

「ぐふっ……………………」


「ぁぁぁ…………あ……な、に…これ…」


「り……りく……く…ん」

______________________



▷Kaito 2017年4月5日 ちょっと前

SoRa!!YuMeをブロックしろ!

今すぐブロック……しろ……



うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

………………


また頭痛がぁぁぁぁ!!


ここは


どこだ……


俺の記憶が……


全く知らない記憶が


全く知らない所へ……



それ以降、桜沢からの連絡は途絶えた。


SoRaも結局、返信はしてこなかった!


俺の頭の中はとてつもない頭痛に見舞われ、

配置してあった妄想という名のピースがバラバラになっていた。

現実と非現実が入り乱れ、俺の全てを破壊してくる!!


空央と話し、電話を切ったあとの記憶が

全くない。


今日は直接、桜沢に真相を聞いてやる!!

あいつは普通じゃない!

今はとても危険な人物だ!


2017年4月6日(木) AM7:00


漓久「桜沢、洗いざらい話してもらうぞ!!」


朝の眩い光に照らされ、俺はいつものように急いで朝支度をしている。

昨日の嵐のような出来事はもう静まり、

俺は冷静さを取り戻しつつあった。


少なくとも「今」だけは。


【朝の臨時ニュースです!!】


突然TVから流れるニュース。


漓久「ん?」


______________________


昨夜未明、東京都渋谷区に住む桜沢空央さん(22)が自宅マンションの一室で血を流して倒れているのを母親が発見しました。空央さんは既に心肺停止の状態でした。警察の調べによると空央さんの死亡推定時刻は昨夜11時から深夜12時の間で、何者かが空央さんの自宅に侵入し、空央さんの腹部を数カ所刺し、失血死させたものとみられます。警察では空央さんが数日にわたり接触した人物や関係者を調べる方針で、捜査本部を設けました。


______________________


漓久「な……なんだと!!」


俺はしばらく放心状態になった。


鳴り響くチャイムの音も聞こえず。


「南さん!?南漓久さん!!?警察の者ですが!南さん?いらっしゃいますか?」


漓久「け……警察!!!!」


俺は棒のようになった足を引きつりながら、玄関へと向かった。



漓久「は……はい!!」


そこには二人の刑事らしき姿があった。


刑事1「早朝から申し訳ありません!

私、捜査一課の芹沢と申します。」


刑事2「安藤です。」


歳から言えば、芹沢という刑事は50代半ばのベテラン刑事、安藤という刑事はまだ若い女性刑事といったところか。


俺はわかっていた。

なぜ刑事が俺の所へ来たのか。


芹沢「南さん?

桜沢空央さんという女性はご存知ですよね?」


漓久「たった今、ニュースで知ったところです。」


芹沢「なら話は早い!

あなた、一昨日の午後9時過ぎから桜沢さんと交信してますよね?

ネバーランドというコミュニケーションツールで。」


早い……

情報が早い……

さすが警察だ。

内容までお見通しなのか?


漓久「は……はい……

していました。」


芹沢「その後、LINEでもお話されてましたよね?」


くくっ……そこまで情報が……

内容も把握されてるだろう!!

ここは正直話すしかない。


漓久「はい、その通りです。」


芹沢「あなたは桜沢さんの上司でもある。」


漓久「俺は……

容疑者ですか?」


芹沢「いやいや、あくまでもまだ調べている最中です。

まだそうだとは思っていません。

しかし、桜沢さんの関係者であることは間違いないですから。」


そしてその隣にいた安藤という刑事がそっと呟いた。


安藤「あなたにはネバーランドで交流した桜沢さんの情報、すべてを話していただきます。」


この安藤という女性刑事の冷たい目はなんだ。

見た目、桜沢と歳が変わらないような新米の刑事に見えるが、なぜこんな捜査に……


芹沢「まことに申し訳ないんですが、少々お時間をいただけますか?」


仕方がない。

殺人事件の捜査を断るわけにはいかない!

俺は会社に事情を説明する。

案の定、会社もパニックになっているようだ!

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