Vol.034【サスペクト】
漓久「どうしてお前、俺がネバーランドやってること……」
空央「LINEのグループから南さんのLINEを個人登録したら出てきました!
あっ!
いろいろお仕事のことで画像確認もしたかったので……」
漓久「で?
登録したらネバーランドに俺が居たと?」
空央「はい!
知らなかったですか?
LINEとネバーランドはアカウントで繋がってるんです。
だからLINE登録したらネバーランドにおすすめのフレンドってリストに上がってくるんです。」
漓久「ほ、本当なのか?
……ってことは……
さ、桜沢もやってるのか?
ネバーランド……」
空央「やってますよ。」
空央は意味深げに笑みを浮かべた。
桜沢……
ネバーランドをやっているだと?
俺の中で慌ただしい数の細胞が怯えおののいている!
なぜかとても、
とても不安になった。
漓久「な、なんて名前のアバターだ?」
空央「秘密です。」
またしても笑みを浮かべる空央。
漓久「は!?
ふざけてんのか?
お前!!」
空央「調べるのは簡単じゃないですか!」
漓久「悪いけど、桜沢には興味がないね!」
空央「私は興味ありますよ。」
空央はクスッと笑った。
漓久「見たのかよ!!」
空央「もちろん。」
漓久「な、なんでそんなにニヤけてんだよ!!」
空央「ネバーランドでは別人……
ですよね、南さん」
何かを見透かすような空央の対応に漓久は焦っていた。
漓久「お前……
リアの奴と仮想世界で出くわすのは好きじゃない!!」
空央「殻に閉じこもってる……
って訳ですか。」
漓久「な、なんだと!?
いいか、よく聞けよ!
あくまでも現実逃避できるのが仮想世界だ!!
お前が来ると俺の逃げ場がない!!
現に俺はお前にもう別人と言われてる!!
そこがもう俺にとっては屈辱的なんだよ!」
空央「あら……
これは悪いこと言っちゃいました?」
漓久「なぁ桜沢……
仮想世界で出会ったアバターには興味が出ることはあるんだよ!
もちろんその後ろで操ってる人間にも必然的に興味が湧いてくる……
でも最初から知ってる人間がいくらネバーランドをやってます!!って言ったところで、そこに興味は抱かない!!
そういうもんじゃないのか?」
空央「確かにそうですが、気になる人がネバーランドをやってる場合は別ですよね?」
空央「だって……」
漓久「だって……?」
空央「南さんは現在、とっ~ても気になる人がいます!」
漓久「さ、桜沢、お前……
なんでそんなことがわかる!」
空央「ん?
なんで?
そうだなぁ?」
空央「あっ!
な・ぜ・な・ら」
漓久「な、なぜ……な……ら?」
空央「私はすべてを知ってるからでーす!」
空央はおどけたように笑う。
漓久「ど、どういうことだよ!!
すべて?
訳わかんねぇ!
お前にいったい俺の何がわかるって言うんだよ……」
空央「あはは、かなり焦ってます?」
漓久「桜沢……お前……
もしかして……」
空央「もしかして?」
桜沢のふざけた笑顔の奥に潜む何かが
俺の心を捉えてやまない。
コイツはひょっとして
SoRaなんじゃないか?
という憶測。
あの時のデジャブ、
そして徹底的な確信とも言えそうな桜沢の名前。
空央……
空……
SoRa……
そしてケンジが妙に気にしていたのがこの桜沢!
SoRaとケンジがネバーランドで繋がっているとしたら……
このケンジの言動にも態度にもつじつまがあう訳だ!
この広い東京の中でSNSで出会う人間は数知れない!
そんな大都会で普段は普通に暮らしている誰かと、実は意外なところで繋がっていたりする!
それは偶然なのか必然なのか、それが本人しかわかり得ないこと!
桜沢……
お前のアバターに今日、
会いに行ってやる!!
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4月4日 PM6:12
待ってろ!桜沢!
お前のアバター……
興味はないけど見させてもらうよ!
俺がネバーランドに入ろうとした時、
携帯の着信音が部屋中に鳴り響く!
漓久「ったくなんだよ!
こんな時に!」
漓久は苛立ちながらも電話をとる。
漓久「はい!
もしもし?
なんだよ!」
沙羅「漓久!
助けて!
ずっと誰かにつけられてる……
今、私の数十メートル後ろに男の人が!」
漓久「え?
なんだって?
おい?
今どこに居るんだよ!」
沙羅「渋、渋谷ヒカリエ前!」
漓久「建物の中に入って、なるべく人の多いところに居ろ!
すぐ行く!」
沙羅「うん……」
漓久「ケンジにも連絡したか!?」
沙羅「うん!
したよ!
でもまた出なくて……」
漓久「俺からも連絡しとくからもう少し待ってろ!
いいな!」
沙羅「わかった、漓久!」
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そして沙羅の背後から呼びかける男。
男「おい!」
沙羅「え!?……
な、なんで……」
男「いいから来い!」
沙羅「きゃあぁぁぁーーー!!」
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4月4日 PM6:32
漓久「俺の周りでいったい何が起こってるっつーの!
どいつもこいつも!
俺の邪魔ばっかしやがって!」




