Vol.035【ミステリアス・オン・ザ・ショートケーキ】
渋谷ヒカリエ前 4月4日 PM6:55
俺はあわてて沙羅の待つ場所へ向かった!
辺りを見回したが、その場所にはもう沙羅の姿は見当たらなかった。
すぐさま、沙羅の携帯に電話をかける!
しかし沙羅がその電話をとることはなかった。
しばらく沙羅の姿を探し回るが、結局見つけることができなかった。
そのとき、
俺の携帯に沙羅からの着信が……
漓久「もしもし!?
沙羅か?」
沙羅「漓久?」
漓久「お前どこにいるんだよ!!
探し回ってるんだぜ!?」
沙羅「漓久ごめん……
知り合いに会っちゃって!」
漓久「知り合い?
つけてきた男は?」
沙羅「その男が知り合いだったの!
私、てっきり変な奴かと……」
漓久「なんだよ、沙羅!
いい加減にしろよ!!
心配するじゃねぇか!!
まぁ、無事ならいいけど……
あんまり俺に迷惑かけんじゃねぇぞ!!」
沙羅「ごめんね……
あ、漓久?
ううん……
やっぱりなんでもないや……。」
漓久「ん?
なんだお前!!
変な奴!
じゃあな!気をつけて帰れよ!!」
沙羅「う、うん……。」
沙羅の知り合いかよ……ったく。
まぁいいや!
沙羅にも色んな事情があるんだろう!
そうして俺は文句を言いながらも家路に着いた。
さて、俺がまず確認したいのは桜沢のアバター!
会社のLINEグループから桜沢個人をLINEに登録すりゃ、ネバーランドに反映され、おすすめアバターが上がってくるんだな。
そこから桜沢のアバターを確認できるはず!!
登録完了!
これでネバーランドを立ち上げてみる!
はたして……桜沢はSoRaなのか!!
上手く反映された!!
新しくリストアップされたおすすめアバターがある!
良かった……
この時点で空央がおすすめアバターに上がってこなかったら、限りなくSoRaに近かった訳だからな。
だって、既に俺とSoRaはフレンドなのだから。
ひょっとしたらとビビっていたけど、なぜかとても安心している自分がいた。
とりあえず、桜沢がSoRaじゃなくて良かった!!
「あお♡」か……
コイツが桜沢のアバター!
アバター、かなり桜沢に似ている!
よくできてるな!
キャラクターに寄せてくる桜沢は、やはり現実的に見ても可愛いということか……。
あんな性格じゃなきゃ、俺ももう少し意識して見ることができたのかもしれないが。
日記には入れるのか?
「あお♡」のホームを力強く押してみる!
「フレンド以外は許可されていません。」
鍵かけアバター、入れないか……
はいはい、当然だよな。
おや?アバターの横に置かれている、このステータスメッセージはどういう意味だ?
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空と海と陸は互いに見つめ合ってる!
でも陸と海はとても仲良し。
______________________
なんだこれ!
なんか、こわっ!
意味がわかんねぇ!
そしてフレンドがやたらと多い!
550人って、手当たり次第フレンドを増やすタイプじゃねぇか!
まぁ、日記に自撮りでも出してりゃ人気は出そうな奴だけど……
どうでもいいけど、桜沢がSoRaじゃないってことは確認できたから良しとしよう!
あとは日記を確認したいところだが……
桜沢に鍵を開けさせる方法を考えなくては、
とても★を30日送り続けるなんて面倒なことはできない!
そして次の日 4月5日 AM7:45
俺は桜沢にアバターについて聞いてみた。
漓久「なぁ桜沢……」
空央「はい、なんですか?」
漓久「桜沢のネバーランドのアバター見たよ!」
空央「あら!
そうなんですか?
可愛かったでしょ?」
漓久「お前に似てたよ。」
空央「えーーー!
ホントですか?
南さんに言ってもらえると……
なんか嬉しいです。」
漓久「あのステメの意味……
なに?」
空央「見たまんまですよ?」
漓久「見たまんまはわかるけど、表現的に意味がわかんねぇ!
ちょっと不気味じゃね?」
空央「南さん!?」
空央はおどけたように漓久の前に一歩踏み出し……
漓久「うわっ!!
どうしてそんなに顔を近づける!!」
空央「すぐにわかりますよっ!!」
またしても意味深に笑う空央。
漓久「な!なんだと!?」
空央「あはは、
私の日記、鍵かかってたでしょ?」
漓久「みたいだな……」
空央「あれ?
入ろうとしてくれてたんだ!」
漓久「いや……別に……
そんなんじゃないけど……」
空央「私に興味があるなら今夜、
鍵を開けときますよ!」
漓久「興味って……」
空央「ないですかぁ?」
漓久「いや……その……」
空央「あります?」
漓久「お前……
俺をからかってるのかよ……」
空央「ないなら……
鍵、開けないですよぉ?」
漓久「あ……開けとけ……」
空央「了解です!」
空央は嬉しそうに笑った。
漓久「よく笑う小賢しい小悪魔め……」
空央「なんならフレンドになってあげてもいいですけど?」
漓久「いらねーよ!」
空央「そのクールな態度も今だけ……ですから。」
漓久「何だって?
今だけ……?」
空央は意味深げに笑う。
コイツのペースは男を勘違いさせる非常に際どいものだ!
容姿がいい上に、この口調でやられたら、リアでも怖いものがある……
例えるなら、
甘い甘いショートケーキの上に、
マヌケな俺が飾りのように乗せられている!
その飾りは、綺麗な真っ赤なストロベリーではなく、疑いという人間の闇の部分を秘めた腐食したストロベリー……
空央と俺をもし誰かが見てるとするならば、
俺は間違いなく汚れた存在!
外側から腐敗するものが俺だとしたら、
空央は内側から腐敗していくタイプなのだろう……
この状況は誰も食べる気にはなれないショートケーキ……
とりあえず桜沢にはネバーランドの鍵を開けてもらう約束はしてもらった!
アイツ本人には興味はないが、まだ俺の中で疑いの部分はある!
だから桜沢のネバーランドでの友達周りと、SoRaの繋がりは確認したいところだ!




