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ビルドアップ 6
「それより… 大丈夫なの? 後で復讐されたりしない?」
「あー、あいつらは平気。チームにも入ってねーし、チャラ男だし。今度見かけたら更にブチのめすもある」
「やめなって。喧嘩はダメだよ」
「でもオマエは喧嘩で助かった」
「それよ。人生って矛盾と無常だらけだと思わない? こんなに真面目にちゃんと生きている私があんな非道を働かれて。そしてそれを私が最もこの世で軽蔑する暴力で救われるなんて。一体この世の中はどうなっているのよ!」
「バーカ。結局、力があるヤツが権力を握るんだよ。サッカーも力があるヤツがプロになって札束貯められんだよ。力だよ、力」
「でもそれは別に暴力とは限らないじゃない。あなたの言うサッカーの力って暴力? 違うでしょ。私が言っているのは、暴力が何故私を救ったのかってことなの。毛嫌いしているものに身を助けられた今の私の気持ち、あなたに想像できる? 冷たい烏龍茶かと思って一気飲みしたら実は蕎麦つゆだった位の衝撃なのよ、私には」
トラという少年は何だか済まなそうな顔をしながら、
「オマエ、友達に「赤毛のアン」みたいって言われねえか?」




