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夕方七時。一美は指定された店に向かっていた。J R川崎駅の南側、仲見世通りの砂子二丁目交差点近くの個室居酒屋の暖簾を潜り、待ち合わせの中野と言うと、こじんまりとした部屋に通される。
席につき、溜息をつきながらスマホを弄っていると、程なく中野が入ってくる。
「お待たせしましたね、上田先生。いや、校外だから、一美ちゃん、でいいよね?」
と言いながらおしぼりで顔を拭い、生ビールを二つ注文する。
「いいでしょ、このお店。僕が一生懸命探したんですよ。さ、乾杯、乾杯!」
中野は一気にビールを飲み干す。
「一美ちゃんも、ささ、グイッといってグイッと。そうそう。最後の一滴まで、ね」
言われた通りにビールを飲み干し、
「中野先生。サッカー部の件ですけど」
「まあまあ。もう一杯飲んでから、ね。おーい、生二つおかわりー」
見えない様に、深く溜息をつく。




