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アーリークロス 6
保護者達は互いに抱き合い、踊り合っている。グランド上のベンチ付近でも、マネージャー三人が一美に飛びかかってきて、
「勝てる! 今日も、勝てる!」
「絶対、勝つよ! 絶対」
「行ける、行けるよね、かずみん」
と大興奮だ。
だがベンチ脇にヒッソリと立っている永野さんは、その対極だ。顔色ひとつ変えず、冷静にD Fの沢渡に指示を出している。
どうしてそんなに冷静でいられるの?
一美には信じられなかった。一美は常に全力で指導し全力で応援してきた。試合中も声を絶やさず、全身から声を出し選手を鼓舞してきた。それが指導者としての当然の姿と思ってきた。
だが、彼は全く違う。
常に冷静にピッチを見回し、ボールを目で追わずにピッチ全体を見ている。時折マネージャーの伊那さんが付けているノートを眺め、何事か指示を出す。




