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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第4章
217/440

ブロック 7


 一美は目を伏せ、呟くように、


「そんな… あの、お幾らでしょう… お見積もりを…」


「ああ、差し上げます。勿論、タダで」


 飯田はウインクしながらニッコリ笑う。一美は更に大きく目を見開き、


「本当ですか! 実はとっても助かります! ウチの学校の子、スパイクやユニフォームを買うことのできない家庭の子もいるんです、なので、すっごく助かります!」



 飯田は和美の耳元で、


「その代わり。いつでもいいので、二人で飲みに行きません?」


 一美は一瞬ギョッとした顔となるも、ニッコリと微笑みながら、


「ええ。このユニフォームで都大会に出られました時には、是非」


 飯田は頭を掻きながら、


「はは… ははは… それはケンタさんに頑張ってもらわなきゃ…」



 そんな飯田と一美の二人のやりとりも知らず、健太は考える。


 そうだ。拓也に見てもらいたい。コイツなら正当にトラを評価するだろう。


 あとはアイツがどこまで真剣にサッカーを…



 どちらにせよ。トラの人生の歯車は今週末から大きく動き始める。そんな予感に胸を膨らませる健太であった。



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