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ゾーンディフェンス 10
半生を省みた健太は、生まれ変わったように心が軽くなっているのを感じる。
夕暮れが近づき、街の色が淡くなっていく。
丁度多摩川を渡る時、川面に映る夕陽が健太の目に入る。
やり直したい
もう一度、やり直したい、家族というものを
この隣の女性と
後ろの少年と
叶わぬ思いについ苦笑いをしてしまう。
「どーしたの永野サン。あ、夕ご飯食べてくよね?」
でも、叶わぬ夢を見るのは自由だ。叶わぬ夢を追うのも自由だ。
「ありがと。是非」
後ろを振り返ると、いつの間にか目覚めてスマホを弄っているトラと目が合う。戯けたように白目を向くトラに、優しく微笑みかけた時、車は家に到着した。




