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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第3章
203/440

ゾーンディフェンス 10


 半生を省みた健太は、生まれ変わったように心が軽くなっているのを感じる。


 夕暮れが近づき、街の色が淡くなっていく。


 丁度多摩川を渡る時、川面に映る夕陽が健太の目に入る。



 やり直したい


 もう一度、やり直したい、家族というものを


 この隣の女性と


 後ろの少年と



 叶わぬ思いについ苦笑いをしてしまう。


「どーしたの永野サン。あ、夕ご飯食べてくよね?」


 でも、叶わぬ夢を見るのは自由だ。叶わぬ夢を追うのも自由だ。


「ありがと。是非」



 後ろを振り返ると、いつの間にか目覚めてスマホを弄っているトラと目が合う。戯けたように白目を向くトラに、優しく微笑みかけた時、車は家に到着した。



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