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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第3章
192/440

マンツーマン 7


「ケンタ、なげーよ。行くぞっ」


 トラが馴れ馴れしく健太の後頭部を軽くはたき、そのまま健太の肩に手を乗せる。


 肩に感じるトラの掌の温かさが、健太の心に染み入ってくる。



 改めて納骨されたソメイヨシノを眺める。満開から数日過ぎて葉桜が垣間見れる。その樹の向こうに本牧の港が遠く眺められる。


 正直、良子と克哉とで墓参りなぞしたことがない。そんな話すら持ち上がらなかった。


 肩に手を乗せたままのトラを見る。葉桜をボーッと眺める亜弓を見る。



 これが家族、なのだ。そして本来ここにいるのは…



 不意に涙がこみ上げてくる。




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