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コンパクトネス 3
それに。克哉とは離婚までの数年間、殆ど口をきいていなかった。サッカーの試合も中学生以降一度も観に行かなかった。
ましてや家族旅行なんて… 旅行どころか、三人で食事に行ったのは克哉が小学生の頃なのでは…
そんな克哉と話がしたくなった。虫のいい話なのだが、あの頃のことを謝りたかった。そして今後は大学のサッカー部の試合を観に行っても良いか、尋ねたかった。
何故今更こんな思いに囚われてしまうのだろう。それはトラの存在が影響しているのは間違いない。トラを見ていると、何故俺はあの時克哉の話を聞いてやらなかったのだろう、何故克哉の試合を見に行こうとしなかったのだろう、どうして一緒に飯ぐらい食べなかったのだろう… そう自分を苛んでしまうのだ。
今俺がトラにしてやっていることの、ほんの一部でも、どうして克哉にしてやれなかったのだろう。
深い溜息を吐き出すが、重く苦しい後悔の念は胸中から吐き出される事は無かった。




